看護師からCRCへの転職はあり?業界の基礎知識もあわせてご紹介

最近、看護師さんから治験関連のお仕事への転職の相談を受ける機会が増えてきました。

そこで、治験コーディネーター(CRC)のお仕事を中心に看護師から未経験中途で転職できる治験業界のお仕事について分かりやすくまとめていきます。

治験業界で看護師の需要が高まっている背景についてもご紹介します。

この記事で分かること
看護師から治験コーディネーターへの転職はありか?
治験コーディネーターの働き方
看護師が治験業界で需要が上がっている理由
看護師から治験コーディネーターを目指す時の面接でのアピールポイント
のりすのりす

治験業界でかれこれ10年以上働いています。Twitterのフォロワー3,000人超え。誰でも分かりやすいように解説をしていくよ!

治験の基礎知識

看護師から治験関連のお仕事への転職を考えるうえで、まずは医薬品開発がおおまかにどんな流れでおこなわれているのかを把握するところから始めていこうかと思います。

看護師から治験コーディネーターに転職する時の面接では、「治験についての基礎的な知識があるか」を聞かれることがあるようなので、治験について知らない方はまずはここをしっかりと理解するところがスタートとなります。

分かりやすさ重視で細かすぎるところは省きながら大枠をお話していきますね。

医薬品開発の大まかな流れ

まず、医薬品開発の流れですが、薬の候補になる化合物が見つかった後は、動物実験(「非臨床試験」と言います)で有効性と安全性が確認され、最終的にはヒトで有効性と安全性が確認されます(「臨床試験」と言います)。

薬の候補である化合物(治験薬)をヒトで有効性と安全性を確認することを「治験」と言います。

ポイント

「治験」とは、ヒトで治験薬の有効性と安全性を確かめることを言う。

治験コーディネーター(CRC)とは?

治験コーディネーターは、医療機関で治験が円滑に行われるように準備をしたり調整をしたりするお仕事になります。

つまり、施設内での連携が必要になりますので院内での立ち回りを知っている看護師からのキャリアチェンジは相性が良い職業です。

治験コーディネーターの医療資格保有者の割合出典:日本SMO協会データ2021

このように看護師資格を持っている治験コーディネーターも非常に多いことから、多くの方が看護師から治験コーディネーターへ転職されていることが分かりますね。

また、治験コーディネーターのお仕事は期間別に見てみると以下のようになっています。

期間別の治験コーディネーターの業務

上にまとめた仕事は治験コーディネーターのお仕事の一部ですが、「意外に幅広いことを対応する必要がある」ということが分かるかと思います。

また、治験コーディネーターは治験のプロトコールに沿ってしっかりと治験が行われるよう支援する必要がありますので、カルテに書かれている内容を読む必要があります。

その際には、医学的な知識や臨床検査値に関する知識なども必要になってくることから、看護師や臨床検査技師の中途の方がその他の中途よりも有利になります。

「え、でも医学的知識とか言われてもそんなに自信無いんだけど…」と思われる方もいると思いますが、正直慣れです。

その辺りの不安は誰しもが持っている不安ですが、何だかんだ現場で活躍されている方ばかりですので、あまり気にし過ぎなくてOKです。

この記事では治験コーディネーターのお仕事についてはここまでにしておきますが、治験コーディネーター(CRC)とは何をする人?仕事内容や適性をご紹介!の記事ではもう少し詳細に記載しているので、本格的に治験コーディネーターを目指す場合は読み込んでおきましょう。

看護師から転職を考えている人が見ているポイント

IQVIAの働き方

私のTwitterのフォロワーにも数多くの治験コーディネーターの方がいたり、実際に看護師から治験コーディネーターへの転職を考えている方からDMを頂くことも多いのですが、みなさんのお話を聞いていると大体見ているポイントは似たような感じになっています。

この記事を読まれている方にも当てはまることがあると思うので、ご紹介をしていきます。

年収面

厚生労働省のデータによると、令和3年度の看護師の平均年収は498.6万円。一方で、治験コーディネーターの平均年収は423.4万円になります。

年収ベースで見ると平均70万円程、治験コーディネーターの方が低いので転職をすると多くの方が年収ダウンとなるはずです。

治験業界のお仕事では臨床開発モニター(CRA)という職種もあり、そちらの平均年収は439.7万円ですので、治験コーディネーターより高いことと、年収の伸び率が高いことからCRAを目指すという選択肢を取る方もいます。

治験コーディネーターで年収1000万円は可能か?キャリアパスを考えてみたの記事でもお話をしましたが、治験コーディネーターの場合は年収1,000万円を目指すのは非常に厳しいのが現状です。

製薬メーカーサイドの臨床開発モニターの場合は年収1,000万円を目指せる可能性が高まるため、年収面を重視する人は見ておくと良いと思いますよ!

働き方

治験コーディネーターは、夜勤がありません。また、被験者対応が入っていない限り、土日祝が休みになり、残業も繁忙期以外はあまりありません。

ただ、看護師とは違い治験参加中の被験者さんから何かあった時には会社携帯に電話が入ることもあるため、場合によっては休日にも電話に出なければいけないこともあります(頻度は低めのようですが)。

年収面では確かにダウンする方が多いと思いますが、夜勤が無く基本は土日祝休み、SMOの場合は在宅勤務も導入している会社もあるので、年収を取るかそれとも働く環境を取るかというところになります。

この辺りはそれぞれの価値観もあると思いますので、人によって意見が分かれそうですね。

ちなみに、治験コーディネーターの方はお子様がいる方も多いので、子どもを育てながら働きたいという方にも注目されています(私もよくCRCさんと子どものお話をします!)。

勤務地

治験コーディネーターの場合は、地方各地に支店があるため地元の近くの医療機関で働けることが多いのが魅力です。

先ほど少しお話に出た臨床開発モニター(CRA)は、年収が高く、将来的な年収の伸びしろが大きいことが魅力ですが、基本的には東京や大阪などの本社に出社することになります。

今はコロナの感染拡大でリモートでの仕事も広がってきましたが、入社早々からリモートが使えるパターンはほぼ無く、一人前になれたらリモートが使えるという会社が多い印象です。

そのため、地方に住んでいる方は、東京や大阪に出なければいけない可能性もありその辺りに抵抗がある方も多いです。

看護師の知識や経験が活かせるか

これはあとで詳しくお話をしますが、やはり今まで看護師として勉強をしてきて大変な思いをして現場で働かれていた方が多いので、それが無駄になってしまうのではないかと考えている方も多い印象です。

私の周りで看護師から転職してきた方は、ほとんどの方が「壮絶な現場だった…色々な意味で精神的に疲れた…」と口を揃えてお話されています。

大変な思いをしたからこそ、その経験が無駄になるのではないかと心配をされている方も多いのだと思います。

しかし、治験コーディネーターのお仕事は学生時代や看護師時代に学んだ臨床知識が役に立ちますし、治験に参加される被験者さんと最も近い位置で接する為、患者さんのケアを通して培われた経験が活きます。

「治験」というと世間ではネガティブな印象を持たれていることもあり、不安な気持ちで治験に参加される被験者さんもいます。

その被験者さんにとっても最も心の拠り所になるのが治験コーディネーターですので、被験者さんから感謝の言葉を貰えるというやりがいもあります。

看護師からの転職者の需要が上がっている

治験使用薬関連

実は治験業界では大きな変動が起きようとしています。

従来の治験は、被験者さんが治験を実施している医療機関に通院をしたり入院をすることが必要でしたが、最近は「医療機関への来院に依存しない臨床試験手法」というものが確立されてきていて、在宅でも治験に参加できる環境が整備されつつあります。

しかし、治験では血液検査や血圧測定や心電図測定など、色々な検査を実施する必要があるため、訪問看護を利用した治験が注目されています。

将来的には看護師免許を持った治験コーディネーターが被験者さんの家に行き、治験で必要な対応を行うということも想定されているのです。

そのため、SMO各社は看護師免許を持った治験コーディネーターの人材強化を行なっているため、今がまさに看護師からの転職者が有利な状況になっています。

もちろん、被験者さんの家に行っての対応に抵抗がある方もいるかと思います。そのような方も安心して下さい。

在宅での治験は拡大はしますが、全てが在宅での治験に切り替わることはなく通院や入院での治験は引き続き行われるはずですので、被験者宅への訪問がNGの方も活躍の場がしっかりあります。

看護師が治験コーディネーターの面接でアピールできること

就活生から多く寄せられた質問

看護師から治験コーディネーターへの転職に挑戦される方はしっかりと面接でのアピールポイントを考えておくことが重要です。

【完全版】未経験から治験業界に転職するための戦略まとめでは、未経験から治験関連の仕事へ転職するための戦略をまとめていますのでそちらの記事を読み込むのと同時に、看護師としてのアピールポイントをしっかりと押さえておくようにしておきましょう。

私が転職をお手伝いした看護師のみなさんのアピールポイントの成功例を交えながらお話をしていきます。

施設内の調整関連

治験コーディネーターのお仕事として、施設内の各部署との調整があります。

治験はルーティンとは違い、イレギュラーな対応が求められるため、院内スタッフからすると正直煩雑でやりにくいこともしばしばあります。

看護師としてお仕事をしていた中で、何か新しい取り組みをして部門間の調整をしたことやトラブル解決のために部門間の調整をしたことがあればアピールポイントに繋がります。

治験に関わったことがある

看護師の仕事の中で治験の業務に関わったことがある場合はアピールポイントになります。

しかし、ただ単純に「治験の業務に関わったことがある」だけではダメです。

治験の業務に関わったことで、そこから何を学んだのか、どのようなことに気を付けていたか、またどのようにすればもっとうまくいくのか等の「自分なりの意見」を話すことができるというのが重要です。

その考えが例え間違っていたとしても大きな問題ではなく、しっかりと考えることが出来る人なのかどうかという点が重要なポイントです。

正確な対応

治験はプロトコールや手順書などで、対応手順などがかなりしっかりと決められています。

治験はその手順通りにやらなければいけないため、治験コーディネーターとしてはミスが起きないように対策を取っておくことが重要です。

看護師としての業務の中で、ミスが起きないようにどのようなことを工夫していたのか、またその工夫によってミスを防ぐことが出来たという成功体験もアピールポイントとなります。

まとめ

今回は看護師から未経験中途で転職をする際のお話をしていきました。

看護師からの転職の場合は、SMOという会社への転職となることが多いため、会社勤めになるということに不安を感じるという声もよく聞きます。

ずっと病院で勤務をしていて、いきなり会社に入社するわけですから確かにやっていけるのかどうか不安になる方も多いと思います。

しかし、看護師から治験コーディネーターになった方からは「転職してQOLが爆上がりした!!」や「お局がいなくて最高!!」という声も多く聞くので、簡単ではありませんが、治験業界への転職に是非チャレンジしてみて下さいね!