CROで仕事をしていると、製薬会社へ転職をしてみたいと思うことがある方も多いと思います。
私はCROへ新卒で入社後に製薬会社の臨床開発職へ転職をしましたが、その時の体験談を良かったことも悪かったことも全てお話していこうと思います。
CRO(CRA)から製薬メーカーの臨床開発職へ転職。今は、メーカーでPLやPMとして日々充実して仕事をしています。X(旧Twitter)でのフォロワー数は6,000人程。今回は製薬メーカーへの転職の体験談をお話していきます。
CROから製薬メーカーへ転職しようと思ったきっかけ
私は、新卒でCROに入社したわけですが実は製薬メーカーからの内定も貰っていました。
周りからの猛反対を受けながらも製薬メーカーではなくCROをファーストキャリアにしたのですが、私なりの色々な理由があったんですよね。
その辺りを少しお話します。
最終ゴール地点はメーカーと決めていた
就活生の頃から、最終的には開発計画の立案やプロトコルの作成に関わりたいと思っていました。ベンダーマネジメントもやってみたいとも思っていましたね。
ただ、私が内定を貰っていたメーカーは2年目からマネジメントを任されるような会社で良く言えば「早期から責任あるマネジメントを任せてもらえる」である一方で、悪く言えば「現場でのろくな経験も積まずに”現場を知らないマネジメント”をすることになる」というものでした。
大学生の頃、ろくに競技経験が無い顧問にとても偉そうにされて反発心を持っていた時期もあったので、このまま内定先のメーカーに就職をしたら自分も同じ感じなってしまうなと当時は思ったのですよね。
CROでCRAの経験を積んで施設と依頼者に挟まれて揉まれ過ぎて後悔した時もありますが…笑
CRO5年目あたりから意識をし始めていた
新卒の頃はピュアですからね。CROに入ってからどんな困難が待ち受けているかなんて知る由も無いのです。
実際には、強烈なCRCさんに当たってボコボコにされてしまったり、ミスを依頼者からチクチク責められたりと大変なことも多くありました。それはもう山のように…
詳しくは、【後悔しないために】CRAを辞めたいと思った時の赤裸々体験談をお話しますの記事で詳しくお話しているのでご興味があれば(笑
とまぁ、こんな感じで「依頼者って良いなぁ~」とかぼんやり思い始めていて、ある程度経験値が積まれてきた5年目あたりから転職サイトを覗くようになっていました。
決定打はとても厳しいPIと依頼者だった
実はCROからメーカーへ転職を決意した決定打はとても厳しいPIと依頼者の存在でした。
当時は、8年目でPLも任されていましたが、理不尽系の属性があるPIと依頼者に当たってしまい、もうこの立ち位置での仕事に限界を感じてしまいました。
そして気が付いたら転職エージェントに登録をしていたんですよね。
この記事を読んでいる皆さんは理不尽属性の方にやられていないですか?大丈夫ですか?
CROから製薬メーカーへ転職する時の葛藤
CROから製薬メーカーへ転職を目指し始めたわけですが、当然色々な葛藤と向き合わなければいけませんでした。
ここからはその辺りの詳しいお話をしていきます。
CROから製薬メーカーの転職はやっぱりハードルが高かった
製薬メーカーの臨床開発職を中心に転職情報を探していたのですが、求められる要件が「PMDA対応の経験がある方」や「グローバルミーティングのfacilitate経験がある方」や「CDPの立案経験ある方」など、CROでは積めないような経験が多く苦戦しました。
CROから製薬メーカーへの転職は難易度が高いのはもちろんですが、やっぱりかという感じでしたね。
ちなみに、当時は外資系製薬メーカーのCRAの募集が活発に行われていたのでCRAという職種であればもう少し選択肢はあったのですが、CRAからステップアップをしたいと思っていたので、始めからマネジメントに的を絞って転職活動をしていました。
CRA経験があると、臨床開発職だけではなくPVやMSLへのキャリアチェンジの提案もしてもらえました。
私は臨床開発職が良かったので、それらはスルーしましたがキャリアチェンジを目指すのも全然ありだと思います!
諦めなければいけないものもあった
私は条件を色々絞っていたからかもしれませんが、CROから製薬メーカーの臨床開発職(CRA以外)という非常に少ない少ない枠に入り込むには捨てなければいけないものもありました。
一番大きなものは給料でした。
転職をするからには普通は年収が上がるような転職を目指しますよね?
私もそれが当たり前だと思っていました。けれど、現実は厳しくメーカーが求めているレベルの経験が無い分、年収はある程度妥協しなければ受けられないメーカーばかりでした。
年収が下がるというのはなかなかの抵抗感でしたが、そこは致し方なかったですね。
後日談ですが、CROから製薬メーカー転職時には年収が100万円ほど下がったものの、転職2年後にはCROの年収を軽く超えたので、結果的にはこれで良かったでした!
自分がやっていけるかどうか不安だった
CROから依頼者側になるわけなので、まず自分がやっていけるかどうかという不安も少しばかりありました。
とはいえ、CROにいた頃というのはGCPもモニタリング知っていたので臨床開発のことをそれなりに知った気でいたのですよね。
そうですね、今依頼者にいる身として振り返ってみると、CROから転職したての頃は臨床開発のうちの20%くらいしか知らなかったと思います。
CROにいたら、PMDAとの対面助言、照会事項対応やRMPの作成など、メーカーの臨床開発職にとっては当たり前のことも全然知りませんでした(依頼者でしか経験できないので当たりますですが!)。
入社したての頃は知らない用語も多くて苦労しましたが、でも結局は何とかなりましたね。
なので、皆さんもその辺りはあまり心配し過ぎなくて大丈夫だと思います。CRAをやっていたなら大丈夫です(笑
製薬メーカーの臨床開発職への転職成功の秘訣
転職成功の秘訣は、何と言っても実績があって信頼できる転職エージェントをしっかり見つけて、じっくりと情報収集をすることだと思います。
当時の私は何も知らずにJAC Recruitmentを使って転職活動をしていましたが、後からXで業界の方にアンケートを取ったところ、かなり多くの方がJAC Recruitmentを使っていることが分かりました。
CROから製薬メーカーへの転職という中々厳しい条件にも関わらず親身に相談に乗ってもらえて、結果として製薬メーカーへ転職できたことは私の人生の中では非常に大きかったです。
特にCROから製薬メーカーへ転職する時にはおすすめの転職エージェントです。
とはいえ、転職エージェントは他にも色々とあるので、みなさんも自分に合った転職エージェントを探してみて下さいね。
CRO業界(その中でも特にCRA職)は、色々な理由から転職が多い業界ですが、今回はそんなCROの転職についてまとめていきたいと思います。 私自身、CRO→CROへの転職、そしてCRO→製薬メーカーへの転職を経験をしている …
製薬企業へ転職をしてからのお話
転職をしてからはCRAを離れましたが、CROマネジメントも担当することとなったのでCRAとしての経験がとても活きました。
プロトコルの立案にも関わることができていますし、PMDA対応も一通り経験することもできましたし、私がプロジェクトリーダーを担当していた試験の治験薬が承認まで辿り着いたものもありました。
CROから製薬メーカーへ転職する時には色々な葛藤もありましたが、結果として胸を張って製薬メーカーへ転職して良かったと思っています。
一時的に条件を妥協もしましたが、今となってはメーカーでの経験値もかなり積まれたので、新たな製薬メーカーでのチャレンジもできる状態になっています。
一歩を踏み出すのにはとても勇気がいると思いますが、思い切って一歩を踏み出した先には明るい未来が待っていることも多いので悩んでいる方は是非チャレンジしてみて下さいね!
たとえ転職に失敗したとしても、自分に何が足りなかったのかを知ることができますし、何よりまたチャレンジすれば良いだけのことです!
まとめ
今回は、私がCROから製薬メーカーへ転職した時の経験談をお話していきました。
CROから製薬メーカーへ転職するまでには本当に色々なことがありました。嫌なこともいっぱいありました。
それでも、CROにいた頃は将来的にメーカーへの転職に有利になるようになるべく色々な領域のプロジェクトにアサインしてもらいたいと上司に伝えていたり、英語の勉強をしてみたりとできることを片っ端からやっていました。
メーカーへの転職は難易度が高い(というよりも、正確には枠が狭い)ですが、転職エージェントをうまく利用しながら戦略的に進めていけば勝率がぐっと上がるので賢く戦略を組んでハッピーライフを歩んで下さい!
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