【保存版】HireVueなどの録画面接の対策と攻略法を考察してみた

コロナ禍を期に録画面接を取り入れる企業が一気に増え、その中でも特にHireVue(ハイアビュー)を導入している企業も多くあります。

最近ではダイソーのアルバイトの面接にもHireVueが導入されるなど、今後も更に拡大していく可能性を秘めている録画面接。

就活生の方を始め、録画面接でしっかりと合格がでるよう対策をしておきたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回はHireVue等の録画面接の対策のポイントについて考察をしていきたいと思います。

内容的には、HireVueのみならず他のシステムや対面での面接対策にも共通している内容になります。

HireVueとは

HireVueとは?

HireVue(ハイアビュー)は、世界の著名企業800社以上、日本でも大手企業を中心に100社以上で利用されているデジタル面接プラットフォームです。

HireVueには「プログラミングテスト機能」や「ゲームベースアセスメント機能」や「AIアセスメント機能」などの機能があり、従来までの対面型の面接での課題であった”面接官による採用のバラつき”を無くし、分析データに基づいて正確に能力が比較できる仕様になっています。

この中でも、日本で行われている就活では大企業を中心に「録画面接機能(オンデマンド面接機能)」と「AIアセスメント機能」を使っての面接も増えてきており、ESと並び就活の第一の関門となっている企業もあります。

就活生としては、HireVueの録画面接の対策方法に悩まれている方もいるのではないでしょうか。

HireVueの機能面から実際にどのように対策をしていったら良いのかを考えていきましょう。

HireVueの評価仕様

HireVueの評価仕様

HireVueは、I/Oサイエンス(産業組織心理学)の知見に基づいてAIが面接録画データを分析して評価を算出しています。

I/Oサイエンスの知見からの理想の社員像については、Michael G. Aamodt(Ed.)(2015). Industrial/organizational psychologyで多角的にメタアナリシス解析の結果を踏まえながらまとめられていますので、より深く考察をしたい方はどうぞ。

「将来会社で活躍するであろう理想的な社員とは?」という問いにI/Oサイエンスの視点から細かく考察されている良書だと思います。

さて、本題に戻りましょう。

まずは、HireVueでの評価指標についてですが、以下の5つの指標で評価されているようです。

HireVueでの評価指標
達成意欲と主体性
学習意欲
状況適応力
チーム思考
コミュニケーション力

ここで重要なのが、これらの評価指標をどのような評価ポイントによって算出しているのかということ。

それを考えるヒントになる資料があります。

タレンタ社の2018年3月29日のプレスリリースにて、予測分析機能”HireVue Assessments”では質問に対する回答数万点のデータポイントを評価し、そのデータポイントには以下のようなデータが含まれていると記載されています。

HireVue Assessmentsの評価ポイント
単語の選択と語彙
イントネーション
言葉の抑揚
顔の表情 など…

これらの評価ポイントは、HireVue(ハイアビュー)での録画面接の対策を考える際に非常に重要であることが分かります。

また、評価結果については、面接者個人の評価(絶対評価)だけではなく、同じ企業への応募者との比較評価(相対評価)も同時に算出される仕様なため、応募者が多い場合は、スコア化された情報で応募者の順位付けをすることも可能ということですね(恐ろしい…)。

つまり、HireVueは「ボーダーの点数を越えれば合格」という場合、「応募者の中で上位30%を合格」という場合のいずれにも対応ができることになります。

絶対評価で見るのか、それとも相対評価で見るのか(あるいは両方なのか)は企業次第なので何とも言えませんが、いずれにせよ、HireVueの録画面接では「HireVue Assesmentsの評価ポイント」にまとめているポイントで評価されているので1つ1つ丁寧に対策を取っておく必要があるでしょう。

HireVueの評価仕様から対策を考える

HireVueの評価仕様から対策を考える

前の章でお話をした通り、HireVueのAI分析では、非言語情報(顔の表情など)と言語情報(単語の選択、語彙、イントネーション、言葉の抑揚など)の両側面から評価がされることになります。

対策をするとしたら、この非言語情報と言語情報についてどのようにしたら高評価が獲得できるかということを考える必要があります。

HireVueのAIには、”今後社会で活躍する可能性が高い要素”を学習させており、そこを指標として面接を受ける方の評価が付けられます。

AIに学習させる際には、実際に企業から”出来る人”の特徴になるようなデータを蓄積して学習をさせていったとのこと。

このことからも、基本的には対面の面接で求められていることとかなりの部分で共通するだろうと推測することが出来ます。

実際の対策を考える上では、HireVueでどのようなアルゴリズムが組まれているかを知ることが出来れば一番の対策になるのでしょうが、実際には未公開ですので本記事では、関連する研究報告の結果を切り口としてHireVueの対策について考察をしています。

なお、海外文献にも似たような研究報告はあったのですが、日本人の感覚と外国人の感覚は異なる可能性も大いにあると考え、本記事では主に日本の研究報告を軸に参照をすることにしました。

言語情報評価の評価基準と対策

言語情報は、いわゆる面接の中でお話をする”内容・中身”の部分になります。

AIが録画面接を分析して話の内容や中身まで判断することはできるのかな?と思い、色々調べてみました。

すると、HireVueを取り上げたCNN Businessの記事で面白いことが書かれていることを発見しました。

Big Interview cofounder and chief coach Pamela Skillings said the feedback will include details such as how quickly the person speaks and how much confident or negative language they use. The company plans to roll it out next month.

Big Interviewの共同設立者兼チーフコーチのPamela Skillings氏のお話によれば、「話速度」と「否定的な言葉の使用」をフィードバックとして報告しているとのことです。

このうち「否定的な言葉の使用」については、言語情報になるので、やはり他のAI分析でも言語情報についてはしっかりと確認されているようですね。

このことから、録画面接では以下のポイントを注意してみると良いことが分かります。

対策のポイント
否定的な言葉の頻度が多くならないように気を付ける。
口語になっていないか気を付ける。
話をする時にしっかりと抑揚を付けて話すように気を付ける。

面接内容の補強

上記の通り、言語情報評価では”口語的な表現になっていないか”や”抑揚を持って話せているか”などが重要であることが分かりました。

しかし、これらは自分ではなかなか気が付きにくいところなので、やはり他人に見てもらうことが必要です。

身近な方(なるべく社会人としての言葉遣い等に慣れている方)にお願いをするのが手っ取り早いでしょう。

もし周りにあまりそのような方がいないようなら、就活の専任コンサルタント等に付いてもらいながら対策をしておくと心強いです。

有名どころとしては、大学院生の3人に1人が登録していることで有名アカリクなどが無料で登録できる&専任コンサルタントがしっかりと付くのでおすすめです(会員登録やイベント参加でAmazonギフトカードも貰えるので、私も就活生の時は登録していました,笑)。

非言語情報評価の評価基準と対策

棚橋ら, IPSJ SIG Technical Report.,Vol.2016-MUS-111 No.30(2016)の研究報告では自己PR練習システムの仕様として非言語情報評価には「視線」、「笑顔」、「顔の動き」をwebカメラから入力された画像を解析して評価していたので、紹介をします。

なお、webカメラから入力された画像を1秒間に1回画像として記録し、その画像を解析しているとのことでした。

視線

視線

正面のカメラから視線が外れた割合を求めている。

画像は、1秒間に1回記録しているとのことですので、1分間の録画面接だと仮定すると60回中、何回視線が外れたかを計測することになります。

なお、画像分析では、目端と瞳のx座標を検出してその差分を計算することで左右の瞳の偏りを算出するとのことです。

対策のポイント

視線を外さないようにしっかりと前を見据えることが重要。カンニングペーパーを見ながらだと視線が外れてしまい危ないかも!?

どうしてもカンペを使いたいという場合は、この研究報告の仕様の場合、webカメラ(あるいはスマホのカメラ)の横ではなく上に設置すれば影響は少ないのかもしれませんね(x座標を算出しておりy座標を算出していない仕様のため)。

笑顔

笑顔

笑顔は、左右両方の口端が均等にカメラ起動時より上がっているかを計算する。

つまり、カメラ起動時よりも面接時で左右のが長くなっているかを計算し、視線の時と同じように笑顔で対応できた割合を求めている。

対策のポイント

こちらも割合を求められていることを考えると、HireVueでの録画面接でもなるべく笑顔でいる時間を長くすることを意識すると良さそう。

顔の動き

顔の動き

顔の動きは、1秒前に所得した画像との顔の横幅と縦幅の差分を計算する。

対策のポイント

多少の揺れは許容されると思いますが、あまり顔の動きがありすぎると落ち着きがない印象を与えてしまう恐れあり。背筋を伸ばすのも忘れずに!

話し方

渡辺ら, 第75回全国大会講演論文集.,695-696(2013)の研究報告によると、話し方と面接の評価の間に正の相関または負の相関があった要素は以下の通りであったことが報告されています。

  • 声の大きさ
  • 話す速度
  • 繰返し(言い直し表現)
  • 沈黙

ちなみに、私的に少し意外だったのは音声フィラー(「えー」や「あのー」等)については、評価との相関が低かったことです。

これはどうやら、音声フィラーが入ると、面接者はその後に来る内容を聞く体制を整えることができるため、ネガティブな要素だけではないのだろうと考察されていました。

どうしても面接の時は考えながらお話をするので、音声フィラーを使用しがちですが、あまりにも多すぎなければ然程影響は無いようですので、その辺りはあまり気にされなくても大丈夫そうですね!

上記のうち、「声の大きさ」と「話す速度」について最適な条件は何だろう?と思われたかと思いますが、研究報告ではその辺りのこともしっかりと報告されていました。

対策のポイント
声の大きさは64dB以上。
話す速度は1分間に340~400字程度。

しっかりと声の大きさが基準以上に出せているのかを確認するには騒音測定アプリを使うのがおすすめです。

騒音測定アプリは色々ありますが、面接の練習をするのであれば、あとから振り返って確認ができるようにデシベル X – dBA デシベルテスター のような録音機能付きの騒音アプリを使用すると良いでしょう。

その他の対策

HireVueでの対策に加えて難関企業の内定を目指す場合には内定の確率をなるべく上げておくことが重要です。

チャンスはなるべく広げておく対策が有効なので理系の方はアカリクなどで就活を効率化しておくなどの対策も並行してとっておきましょう。

また、大手16社で実際に質問された内容を分析した記事もあるので、大手企業も狙っていきたいという方は目を通しておくと実際の出題内容について具体的にイメージ出来るのでおすすめです。

まとめ

今回は色々な論文や文献の情報からHireVueのような録画面接の対策についてまとめていきました。

HireVueが日本に導入されたのが2018年ですのでまだ月日が浅くAIを使用した録画面接の対策のノウハウの記事はあまり多くないのが現状です。

今後追加で分かってくる情報もあるかと思うので、その際は本記事も更新をしていきたいと思います。