激務でつらいから辞めるのか!?CRAの離職率が高い理由を考察してみた

CRA(特にCROの)を経験したことがある方であれば、仕事が「きついな」、「つらいな」と思う場面もあったのではないでしょうか?

今回は私を含め、私の周りの方の退職理由からCRAの離職について考えていきたいと思います。

この記事で分かること
CRAの仕事はきついのかどうか
CRAが退職をする本当の理由
のりすのりす

治験業界でかれこれ10年以上働いています。Twitterでのフォロワー数は4,800人程。今回は私がCRA時代に感じた、辛い/きついと思った経験もお話していくよ!

CRAの仕事はきついのか

CRAの仕事はきついのか

私は新卒からCRAをやっていましたが、正直なところ、CRAの仕事がきついと感じる場面は多々ありました。

特に私の場合はCROのCRAだったので、依頼者と施設の板挟み状態でよく大変な思いをしましたね。。

のりすのりす

CROのCRAさんだったら私と同じように感じたことがある方も多いのではないでしょうか?

その他、複数プロジェクトを担当していた時に立ち上げが重なってしまい仕事が激務化して精神的にも追い詰められていた時期がありました。

そんな時には「CRAなんて辞めてしまいたい」と思うこともありますよね。

でも待ってください!

私の場合ですが、よくよく冷静に考えてみたら「CRAという職種が嫌だ」という訳ではなく、実は「今の状況/環境が嫌だ」というのが実際のところだったんですよね。

この部分は本当に大切なので、皆さんも転職をする前にはしっかりとこの部分は考えておくことをおすすめします!

そこが固まってから信頼できる転職エージェントで情報収集を始めていくのが良いですよ!

CRAの離職率はどのくらい高いのか?

CRAの離職率はどのくらい高いのか?

さてさて、そんなCRAですが実際に離職率は他職種と比べてどうなのでしょうか?

厚生労働省の「令和3年上半期雇用動向調査結果の概要」によると、パートタイム労働者を除いた一般労働者の離職率は6.3%とのこと。

この6.3%というのは、全業種・全職種の平均値になります。

そのうち、CROが属する「サービス業(その他)」については、9.7%になるので、平均よりやや高いという状況です。

では、更にCROは?と考えるとどうでしょうか。

CROの離職率については、正確なデータは公表されていませんが、私が以前いたCROは毎年10%を切るくらいでした。

一部を除いて知り合いやTwitterの情報を総合的に判断して、CRO各社の離職率は大体似たり寄ったりな感じですので、「10%を切るくらい」なのだと思います。

転職サイト等にも離職率は比較的低めと書いてあるサイトも多いのですが、実際にCRAをやったことある方なら「そんな低い訳ないだろう…」と思われますよね?

そうです、まさにその通り。これは、新人~長老まで全て含めた離職率なのですよね。

私の体感では(恐らく皆さんの体感でも)、入社5年目までに離職する方が非常に多く、その後は段々と離職率が下がっていくというのが実態だと思っています。

CRAの経験年数と離職率

↑のような感じで長老たちが離職率の平均を下げていることに貢献して、全体の平均として「離職率10%以下」となっているだけというのが私の頭の中のイメージです。

3年目で30%、5年目で50%近くでしょうか(少し高いかな…)。

もちろん会社によってブレはあると思うので、この離職率よりも大分低いのであれば、「新人にも優しい会社」ということなのでしょうね。

ちなみに、厚労省が発表している「新規学卒就職者の就職後3年以内離職率 」を見ると平均が31.2%なので、実はCROのCRAの離職率は他の業界と比べても平均的であることが分かります。

CRAの離職率のポイント
サービス業(その他)の平均離職率は9.7%。
CROの平均離職率も体感では大体同じくらい。
経験年数が浅いと転職率が高め(3年目:30%程、5年目:50%程)。
ただ、他の業界でも経験年数が浅いと転職率が高いのは同じ。

この通り、全業種で見ても3年以内の離職率は約30%はある訳なので、この記事を見ている方が新人さんで転職を考えているようであれば、大丈夫です。

「CRAきつい!」、「CRAつらい!」と思って転職したいと思っていても普通なのですから。

CRAの退職理由!みんなは何故転職をした!?

以前ツイッターでCROのCRAの方を対象に転職をした理由をアンケートしました。

閲覧用が入っていて少し分かりにくいと思うので、閲覧用を抜かしてみると以下のような感じになります。

Twitter上のCRAの離職理由
CRAを辞めたかった:17票(18.5%)
労働環境が悪かったから:25票(27.2%)
キャリアアップしたかったから:50票(54.3%)

みなさん凄い…

Twitterにいる方々は私が接している限りモチベーションが高い方が多い印象ですので、このような結果になっているのかもしれませんね。

CRAは転職をすることで年収アップが見込めますし、その他にもキャリアパスが意外に広いので別職種にチャレンジする方も多いのが特徴ですよね。

ちなみに、私がCROから最初に転職をした時は、【我慢なんて不要!】CRAを辞めたいと思った時に私が考えていたことの記事でも書きましたが、実はネガティブな理由でこの中だったら「労働環境が悪かったから」になるのでしょうね。

しかし、離職理由を見てみると、CRAがきついと思ったり、辛いと思って思って辞める方も決して極少数という訳ではないので、案外普通なんだと思います。

私が見てきたCRAの退職理由

Twitter上では項目数が限定されたアンケートしか取れない&詳細な情報までは収集できませんので、私が実際に目にしてきたCRAの退職理由について触れていきたいと思います。

キャリアアップで転職

ステップアップ

ツイッターの調査では、キャリアアップのためにCRAを退職したいう意見がダントツに高かったですね(皆さんの上昇志向が凄い…!)。

CRAは転職をすることで大きく年収が上がることもよくありますし、同じCRAとして別CROに転職をするというパターンは結構多く耳に入ってきます。

経験値やタイミングによっては100万円レベルで年収が上がることもあり、社内でそれだけ年収を上げる労力と時間を考えると、転職で手っ取り早くステップアップしていった方が効率的だとも言えます。

また、CROからメーカーにチャレンジする場合でもメーカーCRAであればチャンスはそれなりにあるので、転職時の自分の武器(TOEICの点数や国際共同治験の担当経験等)を整えつつ虎視眈々とスタンバイされている方も多いのでしょうね。

労働環境が悪くて転職

労働環境が悪くて転職

労働環境には色々な種類があるかと思いますが、退職理由に繋がるような労働環境は以下のようなものがあります。

退職理由となる労働環境
年収の伸び率が悪い
プロジェクトを掛け持ちさせられ相当つらい
有休を気軽に取れる空気ではなくてきつい
待機期間がありすぎて経験が積めないので焦る 等…

もちろん上記以外にも沢山あると思いますがね…

例えば、リード(or 依頼者)の謎な指示のせいでタスクが一気に増えてしまいやってられないなども…

こちらの理由の場合は、解決できるものであれば上司に相談をして別プロジェクトにアサインしてもらうなどの選択肢もあるとは思いますが、正直なかなか言い出しにくいですよね。。

なので、結局は自分が辞めて新しい環境に旅立とうという方が多いのだと思います。

精神的に病んでしまいノックダウン転職

精神的に病んでしまいノックダウン

これは退職理由としては結構きついですね…

私もCRAをやっていてしんどいと思った瞬間は色々とありますが、精神的なところはしんどさの頂点にいますよね。

では、精神的に病むパターンで一番多いのは?と考えて見ると、CRCさんや事務局など施設の方とのコミュニケーションが一番多いかなという印象です。

依頼者やCROのリーダーが無茶ぶりをしてきて、それを対応しようと施設に言ったところCRAが責められる…なんてパターンもよく聞きますし、大変ですよね(私もやられたことありますしね)。

精神的に厳しい状態になってしまったら、まずはリーダーに助けを求めてチームや担当を変えてもらうなどが第一選択ですが、それができずに我慢を続けてしまうと…つらくなり過ぎてある日いきなり出社できなくなってしまうなんてことになりかねません。

いきなり出社できなくなってしまうと後任のモニターもつらい思いをすると思いますので、本当にダメになってしまう前にしっかりとギブアップをした方が良いです。

軌道修正は後からでもできますので、どうしようもない時はしっかりと離れておきましょう。

我慢は不要ですよ!

結婚、出産を機にリタイア

結婚を機に退職
これは嬉しい退職理由ですね!

CRAですと、忙しさの波が非常に激しかったり、外勤が多かったりしますので、女性は結婚や出産を機にキャリアチェンジをされたり薬剤師さんになられたりというお話をよく聞きます。

最近では、在宅勤務も普及してきていますので、として働く環境が整備されている会社も増えてきました。

在宅であれば仕事を続けられる方もいるので、以前よりはこの退職理由で辞める方は減ったのでしょうね。

激務がキツくてノックダウン

体力的にノックダウン

この退職理由もそこそこ聞きます。

CROによっては、複数のプロジェクトを掛け持ちで担当しなければいけないこともあり、立ち上げの時期が近かったり、片方のプロジェクトで炎上していたりすると、とんでもないことになってしまいます。

2017年のデータになりますが、efpiaとPhRMAの資料によるとCRA1人当たりの担当施設数は平均3.9施設とのことですので、この数字から考えると大体は1プロジェクトのみ担当されている方が多いのだろうと推測しています。

ただ、某外資系CROや内資系CROの一部でもプロジェクトの掛け持ちのお話を聞きますので、最近は増えてきているのかもしれません。

その他、中堅以下のCROの場合は、人件費削減でCRA1人あたりの負荷が非常に大きくなっている会社も見受けられます。

他の会社はあまり激務ではないのに自分の会社だけ凄く激務な場合、会社の体制に問題がある場合があるので、転職エージェント等で他の会社の状況を情報収集してみるのも効果的です。

CRAに将来性はあるの?経験者だからこそ分かることを本気で解説してみたの記事でお話したようにRemote Monitoringやその他の手法が確立することで、将来的にはCRA1人あたりの担当施設数も増える可能性は大いにあり得ると思っています。

本来であれば、「新しい手法によってCRAの1施設あたりの負担が半減するので、その代わり施設を今までの2倍持てる」という状況が適切なのですが、「新しい手法でもさほどCRAの1施設あたりの負担は減っていないのに、施設を今までの2倍持たされている」という状況にもなり得ませんので、現役のCRAとしてはその点に注意しておく必要がありそうですね。

やらかしてしまいリタイア

やらかしてしまいリタイア

正直なところ、やらかしてしまい退職するパターンはかなり少なく感じます。

ですが、私もCRAとしてはそれなりに経験をしてきたわけで、この理由で辞めていく人を数人ですが、見たことがあります。

この理由で辞める方は、あまり理由を言いたがらない傾向にあるので、表には退職する理由としてはあまり出てきませんが、2、3年に1回は聞くかなという印象です。

CRAは、責任がある仕事を任されますが、誠実にしっかりと取り組んでいれば取り返せない失敗は無いと個人的には思っているので、やらかしてしまったとしても新天地で心機一転、次は同じミスをしないように頑張れ再スタートを切れると思っています。

それにやらかすことなんて、CRA以外の仕事にもあるわけですからね。

まとめ

CRAの退職理由について、よく「激務だから辞める人が多いのでは!?」と言われますが、このようにまとめてみると「激務だから」という理由以外で辞める方も多くいるので、「CRAは激務だから退職が多い」はあまり成り立たないと思っています。

もちろん、激務のどこかのCROだけで見れば、「CRAは激務だから退職が多い」は正しいこともあるのでしょうが、やはり全体で見るとそれ以外の理由で辞める方も非常に多いのですよね。

今転職をしようか悩んでいる方がこの記事を見ているようでしたら、あまり悩み過ぎずに思い切って転職に踏み出すのも全然ありだと思います。

以前、Twitterで大規模なCROの口コミ調査を行ったのですが、その記事からフルリモートや在宅勤務制度が非常に充実しているCROや激務度が高くなく落ち着いて働くことができるCROなど色々なCROがあることが分かりました。

みなさんもご自身にピッタリなCROを見つけてみてはいかがでしょうか?