
今回は、製薬メーカーで治験のお仕事をしている専門家の視点からおすすめの治験募集サイトをご紹介していきたいと思います。
この記事を読むことで、皆さんのご要望にピッタリな治験募集サイトを見つけることが出来るでしょう。
おすすめポイントはもちろん、大阪、福岡、札幌などの地域別の情報についてもまとめてみましたので是非ご覧下さい!
おすすめの治験募集サイトは人によって違う!
治験募集サイトは数多くありますが、「関西地方に強い治験募集サイト」や「化粧品や健康食品の案件にも力を入れている治験募集サイト」など、その特徴も様々。
そのため、本記事では皆さんがご自身にピッタリの治験募集サイトが見つけられるよう色々な視点で治験募集サイトを分析してみました。
どのポイントを重視されるかは人それぞれだと思いますが、是非気になる治験募集サイトを見つけてみて下さいね!
おすすめできる治験募集サイトのポイント
私は製薬メーカーにいて、治験の情報を治験募集サイトに掲載するために、治験募集サイトの選定をおこなっています。
皆さんが製薬メーカーの人だったらどのような治験募集サイトに自分の会社の治験情報を載せたいと思いますか?
私は、以下のような基準で依頼をする治験募集サイトを選んでいます。
- 治験参加希望者の方に丁寧にオペレーションをしてくれるか。。
- 信用できる実績を持っているか。
- 違法な方法で治験の募集をしていないか。
治験募集サイトに広告の掲載をお願いするようなイメージなのですが、信頼できる治験募集サイトに掲載をしなければ製薬メーカーとしても評判が落ちてしまうので、慎重に選んでいるのです。
今回ご紹介する治験募集サイトは、専門家の視点から見てもおすすめできる治験募集サイトのみになります。
また、ユーザー目線で考えると以下の要素も重要ですので、以下の要素についても加味してランキングを付けてみました。
- 無料で使用することができるか。
- 安心して使うことができるか。
- 豊富な案件があるか。
- 使いやすいデザインか。
では、早速おすすめの治験募集サイトをご紹介していきます!
QLife 女性にもおすすめできる治験募集サイト
QLifeは、登録者数が58万人と最大級の規模を誇る治験募集サイトになります。
QLifeを運営している株式会社QLifeは、医療従事者向け情報サイトやマーケティング支援で有名なエムスリー(ソニーの関連会社)のグループ会社で、他の治験募集サイトと比較しても案件の多さやサービスの充実度がとても優れています。
そのため、健常人を対象にした治験、疾患を持っている方を対象にした治験、そして、なかなか見つけることが難しい女性を対象にした案件まで幅広い案件を取り扱っていることが魅力的なサイトです。
医薬品の治験はもちろんのこと、健康食品や化粧品のモニターなどの案件もあり、薬を飲むことに抵抗がある方にもおすすめできます。
QLifeは、健康成人を対象にした入院の治験から在宅で出来る案件まで幅広く揃っているため、幅広い方のニーズにマッチする案件が掲載されています。
また、QLifeの健康成人を対象にした治験の応募フォームには、以下のような「治験参加条件確認アンケート・応募フォーム」と呼ばれるものがあります。
いくつかの治験募集サイトでは、ここにあるような質問は電話で直接されるのですが、QLifeの場合は、その治験に参加できる条件を満たしているのかを事前に大まかに確認できるようになっています。
電話で色々聞かれる前に事前に要件を確認することができるため、煩わしさが無く、このような工夫がある点もQLifeの魅力の1つとも言えるでしょう。
圧倒的存在感の生活向上Web
出典:https://www.seikatsu-kojo.jp/
生活向上webは登録会員数が97万人を超えている日本最大の治験募集サイトです。
製薬メーカーで治験の情報を掲載する際には必ず選択肢の中に入ってくる程有名な治験募集サイトで、私も何度か案件の掲載をお願いしたことがあります。
「治験参加者への対応」、「案件数」、「募集地域の広さ」、「知名度」どれをとっても最高クラスで、圧倒的な存在感を誇っているサイトになります。
福岡、大阪、札幌など、東京以外の案件についてもしっかりと掲載されている点もおすすめポイントです。
また、医薬品の治験では抵抗があるという方には、健康食品や化粧品のモニターの案件もありますし、『在宅で治験がやりたい!』という方にも在宅用の案件があったりもするのでおすすめできます!
過去には以下のような案件が掲載されていました。
「https://www.seikatsu-kojo.jp/」の情報より一部編集
運営会社の「3Hクリニカルトライアル株式会社」は、4兆円規模のエムスリー株式会社のグループに属していて、ソニーとの繋がりもあることから、社会的な信頼度も高いと言えます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンや治療薬の治験についても積極的に募集をしており、「社会貢献意識が強い会社」とも言えますね。
コロナ関連の記事ではこちらもあるので、興味がありましたら是非ご覧下さいね。
現在は新型コロナウイルス感染症も第6波を迎えており、かつてない程の規模で感染が拡大しています。 それに比例して、新型コロナウイルス感染症の治療薬に関する治験の情報についてお問合せをいただくことが急増してきたことから、本記事で新型コロナウイルス治療薬の紹介と治験についての基礎的な解説をしていきたいと思います。
V-NETは丁寧な対応が特徴
V-NETはヒューマンリンクにより運営されている治験情報サイトで「治験参加率(参加者/参加希望者)業界No1」という強みを持っています。
掲載されている案件数を見てみると、QLifeや生活向上webよりは少ないのですが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の治験の募集など、少し変わった案件を取り扱っていることがあります。
出典:https://human-link.jp/
その他、治験についてよく分からない方向けに治験に関する様々な情報を掲載している「治験のひろば」というサイトも運営しており、治験に協力いただく方に寄り添った対応である点もとても好印象です。
出典:https://chiken-archive.net/about/
治験のひろばでは、治験にあまり馴染みが無い方でも安心して読めるように平易な表現で説明されているので、気になる方は覗いてみるのも良いかと思います。
コーメディカルクラブは最近伸びている
コーメディカルクラブは、株式会社シスモールによって運営されている治験募集サイトです。
株式会社シスモールは、2012年に北里大学研究所への治験事業支援を主業務として設立され、2020年には情報セキュリティ体制を見直しISO27001(ISMS)認証も取得していることから、ここ近年でより信頼度が増している治験募集サイトとも言えます。
コーメディカルクラブのサイトを覗いて見ると、親しみやすいバナーで特集の紹介もされており、今現在どのような治験が募集されているのかの把握にも助かります。
以前は、「女性の入院治験特集」などもあったため、探すのがなかなか大変な案件もバナーの誘導により探しやすくなっているのもポイントです。
募集されている案件数については、他の治験募集サイトと比較しても多い方ではありませんが、健康成人を対象とした治験から、健康食品や化粧品を対象とした案件まで幅広くあるため、意外なお宝案件にも巡り合えるかもしれません。
その他よく聞かれるポイント
おすすめの治験募集サイトについてご紹介をしていると皆さんからご質問を頂くことがあります。
そこで、よく頂くご質問をまとめていきたいと思います。
薬を飲むのには抵抗がある…何か良い治験はないか?
治験募集サイトでは、薬の治験以外にも健康食品や化粧品のモニターの案件もあります。
厳密に言えば、健康食品や化粧品の案件は「治験」ではなく、「臨床試験」や「臨床研究」と呼ばれるものですが、治験と同じように負担軽減費(治験に参加した際に支払われる金銭)もしっかりと出ます。
貰える負担軽減費の額は、案件によってまちまちですが、1通院あたり3,000~10,000円支払われ、2~3回の通院が必要なケースが多いです(そのため、1回の案件あたり6,000~30,000円程)。
「治験薬の副作用が怖い」など、薬を飲むことに抵抗がある方は、化粧品モニターや健康食品モニターにトライしてみるのも良いかと思います。
化粧品モニターや健康食品モニターの案件が比較的多い生活向上WEBやQLifeあたりがおすすめになります。
在宅でできる治験はないの?
コロナ禍をきっかけに在宅でも参加可能な治験や臨床試験が増えてきています。
このようなご時世なので、なかなか病院に行くのは気になる…だけど、治験に参加したい!という方には、在宅でも参加できる案件をおすすめします。
例えば、生活向上WEBでは、以下のようにスマートウォッチの臨床試験の案件の募集がありましたよ!
在宅で参加できる案件は非常に人気が高いので、治験募集サイトに予め登録をしておいて、定期的に確認をしておくのが良いでしょう。
女性でも参加できる治験はある?
治験には、健常成人を対象にした治験と患者を対象にした治験があります。
そのうち、健常成人を対象にした治験では、そのほとんどが男性が対象になっており、健常成人の女性が治験に参加しようとしてもなかなか良い案件が見つからないことがあります。
そのような時は、患者を対象にした治験や健康食品や化粧品のモニターを探してみると良いでしょう。
「患者を対象にした」と書きましたが、便秘、偏頭痛、生理痛や花粉症など、普段はあまりそれが原因で通院することが無い方でも治験に参加できる可能性があります。
しかも、患者を対象にした治験の場合、負担軽減費が貰えるのはもちろんのこと、治験薬服用中の検査費用が無料となることもあるため、症状に悩んでいる方はそのような意味でも治験に参加する価値はあると言えます。
また、余談ですが、「なんで女性の治験は少ないの?」という疑問については以下の記事にまとめています。
“治験の募集は男性ばかりで女性の募集が少ない!” 治験の募集をチェックしてそう思ったことがある方は少なくないはずです。 本記事では、製薬メーカーで働いている筆者の視点から、女性の治験の募集が少ない理由と女性でも参加できる …
福岡で治験に参加したいと思っているけどおすすめはある?
2022年2月24日時点で、福岡での治験情報の掲載が最も多かった治験募集サイトは、生活向上WEBでした。
福岡の治験は、生活向上WEBが掲載件数トップで、次いでQlifeとコーメディカルクラブという結果でした。
大阪で治験に参加したいと思っているけどおすすめはある?
2022年2月24日時点で、大阪での治験情報の掲載が最も多かった治験募集サイトは、生活向上WEBでした。
ただ、大阪の案件についてはどの治験募集サイトでも比較的多く扱っていたので、全体的に良い案件が無いかを確認してみると良いかもしれません。
札幌で治験に参加したいと思っているけどおすすめはある?
2022年2月24日時点で、札幌での治験情報の掲載が最も多かった治験募集サイトは、生活向上WEBでした。
札幌でも参加できる治験は、生活向上W以外ではほとんどありませんでしたので、まずは生活向上WEBで案件を探してみることをおすすめします。
治験参加での報酬の相場はどれくらい?
治験に参加をすると負担軽減費(よく「報酬」や「謝礼金」や「協力費」と呼ばれています)が支払われます。
負担軽減費の仕組みについては、以下の記事に詳細をまとめていますので、気になる方がいればご覧下さいね!
健康成人が対象の治験の場合は、貰える負担軽減費の費用はまちまちですが、通院タイプの治験の場合は、基本的には1通院あたり7,000~10,000円程となります。
その他、治験で規定されている検査・画像診断料等が無料になる場合もあります。
詳細は以下の記事にまとめてありますので、気になる方はご覧下さい。
私は治験に関するお仕事をしていますが、治験について一般の方からはよく「治験に参加すると報酬はいくら貰えるの?」や「治験での謝礼金の相場は?」など、お金関連のお話をよく聞かれます。 今回は治験に関わるお金のお話をしていきたいと思います。
治験で副作用が出たらどうなるの?健康被害時の補償もしっかりある
治験に参加をして、健康被害を受けた時にどのように補償してもらえるのか…という心配がある方もいるかと思います。
健康被害の補償については、以下の記事に詳細をまとめていますので、詳しくはそちらをご参照下さい。
「治験に参加したい!」と思っていてもやはり副作用や副反応のことが心配で治験に参加をしてしまうのを躊躇されてしまう方もいるのではないでしょうか。 本記事では、治験に参加をして健康被害が出た時にどのような補償をしてもらえるのか、そしてどのようなことを注意しなければいけないのかをご紹介していきます。
まとめ
今回は、おすすめの治験募集サイトと治験募集サイトや参加する治験の選び方に着目してポイントをご紹介していきました。
医薬品を世に出すためには、治験で有効性や安全性を必ず調べなければいけません。
そのため、治験に協力して下さるボランティアの方々のおかげで、世界中で病に苦しんでいる患者さんに夢と希望を与えることが出来ています。
そんな治験に関する正しい情報をこれからも発信し続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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