夏休みや春休みなどの長期休みを利用して治験に参加してみようと考えている大学生向けにおすすめの治験をタイプ別にご紹介していきます。
皆さんに合った治験を探してみて下さいね!
●始めて治験に参加する時に知っておくべきこと
●大学生におすすめの治験情報
製薬業界でかれこれ10年以上働いています。X(旧Twitter)でのフォロワー数は6,100人程。治験の正しい情報を分かりやすく解説していきます!
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大学生におすすめの治験をタイプ別にご紹介
「治験」というと、多くの人は長期間病院に入院して治験薬を飲むというイメージを持つかもしれませんが、実は治験にはいろいろな種類があります。
例えば、健康な成人を対象にした治験や、患者さんを対象にした治験、それに加えて治験に似た臨床研究というものもあります。
治験に参加する理由や目的によって、おすすめの治験や募集サイトも変わってきます。
例えば、「治験バイトでガッツリ稼ぎたい!」という人には、治験ボランティアサポートセンターなどの治験募集サイトがおすすめです。
他のものを含めて全体的なイメージは↓のようになります。
今回の記事では、治験のタイプ別に特徴やメリット、デメリットなどをご紹介していきますので、みなさんにピッタリ合う治験を見つけてみて下さいね!
今回は、製薬メーカーで治験のお仕事をしている専門家の視点からおすすめの治験募集サイトをご紹介していきたいと思います。 この記事を読むことで、皆さんのご要望にピッタリな治験募集サイトを見つけることが出来るでしょう。 おすす …
治験のタイプ別の特徴
治験は医薬品の有効性や安全性を確認する試験のことを指しますが、世の中にはそれ以外にも化粧品や健康食品の効果や安全性を確認する試験があり、これらを臨床試験と言います。
更にそれ以外にも、「無重力状態でのストレス負荷の検証」や「バイキングの後の血糖値、血圧値の変化」など、ヒトに関連した研究もあり、これらを臨床研究と言います。
いずれも治験募集サイトから応募することができるので、混同されがちですが実は色々と種類があるということですね。
健康成人対象の治験や臨床試験
治験や臨床試験や臨床研究など、色々な種類があって何から見ていけばいいのか分からないかと思いますが、まずはザックリと「健康成人が対象の試験に参加するのか」それとも「患者が対象の試験に参加するのか」に分けることができます。
大学生の場合は大抵は健康成人が対象の試験を考えている人が多いと思うので、まずはこちらからお話をしていきます。
医薬品
よく「高額治験バイトに参加して稼ぐぜ!!」という方が見るのが医薬品の治験でしょう。
治験は健康成人で薬物動態(吸収・代謝・排泄などの一連の流れ)を確認することが多く、この手の治験は医療機関で何泊か入院をして参加するタイプの試験が多いです。
女性の治験はなぜ少ない?女性におすすめの治験の探し方もご紹介!の記事でも少しお話しましたが、薬の開発の初期段階は胎児への影響が未知数のため、一般的には男性が対象となっていることがほとんどです。
医薬品の治験は治験ボランティアサポートセンターからの応募がおすすめです。
薬物動態を確認する都合上、採血が多めの治験がほとんどなので注射が苦手という方には不向きかもしれませんね。
健康食品・サプリメント
健康食品やサプリメントのモニターは通院型の試験がほとんどなので、学生のみならず社会人や主婦からも根強い人気があるのが特徴です。
また、医薬品とは違い効果がマイルドである分、副作用などをほとんど気にすることなく参加できるため薬を対象にするような治験に抵抗がある方からの支持も厚いのが特徴です。
その他、治験では休薬期間というものがあり、1度治験に参加をすると3~4ヶ月は次の治験に参加できないというルールがありますが、健康食品やサプリメントの臨床試験ではそのような規定はほぼ無いので、数多くの案件に参加したいという方からも人気です。
チヨダモニター倶楽部では、このカテゴリーの募集が多く出されているため、気になる方はおすすめです。
対象者が多いので案件募集後にすぐに締め切りという事もよくあります。
健康食品あサプリメントの試験に参加したい場合には複数の募集サイトに登録をしておくというのも手ですね!
化粧品
化粧品モニターはご想像の通り、女性からの人気が絶大です。
案件数としては、健康食品やサプリメントのモニターよりも少なめですが夏場になると日焼け止めクリームの試験が多くなってきたり、冬場になるとハンドクリームの試験が多くなってきたりと季節性があるのも特徴の1つです。
一般的な美容モニターとは違い、「まず始めに購入しなければいけない」などのルールも無く、全て無料で化粧品が使用できるため、その点は安心できます。
こちらもチヨダモニター倶楽部から募集が出されることがあります。
稀ではありますが、在宅から参加可能な試験もあるので地方に住んでいても参加できるチャンスがあるのも嬉しいところですね。
患者対象の治験
「大学生の場合はあまり病気とはないから関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、診断がついていなくても参加できる場合があります。
例えば、以下のような疾患は「日頃から少し症状は気になっていたけど…」という方も多く参加するような治験になります。
●花粉症で鼻がむずむずする時がある。(→花粉症、アレルギー性鼻炎)
●花粉で眼がかゆくなる時がある。(→花粉症、アレルギー性結膜炎)
●寝つきが悪い時がある。(→不眠症)
●冬場は手が乾燥する。(→乾皮症)
女性の場合は、月経痛や便秘などの治験の参加者も多くいたりします。
通常診療を受けると検査に高いお金がかかってしまうことがありますが、治験で規定された検査の場合は費用が無料になります。
負担軽減費も貰えて検査費用まで無料になるので、気になっている症状の治験があったら参加してみるも良いかと思いますよ!
その他の臨床研究
治験や臨床試験は企業が主導していますが、臨床研究は医師が主導している場合も多く医薬品やサプリメントなどを使わない研究も多くあります。
時々、「複数の人を集めて心理テストをやって○○を検証してみた」のようなお話を聞くこともあるかと思いますが、そのような研究がまさに臨床研究です。
臨床研究は他にも多岐に渡るので、「楽しみながら研究に参加したい」という方にとってはおすすめできる案件ですね。
治験の安全性とリスク
治験は一般の方からは「人体実験」というイメージが強く、何をされるか分からないと思っている方も一定数いるかと思います。
しかし、実際には薬機法やGCP省令(Good Clinical Practice)など治験に関する厳しいルールがあるため、非人道的な治験が行われていることはありません。
「では、副作用なども全く無いのか」というとそういうわけではありません。
治験に参加する以上、確実にリスクは付きまといますのでその辺りを少しご紹介していきます。
どのような薬にも副作用がある
まず前提として、どのような薬にも副作用は必ずあるということを知っておく必要があります。
例えば、皆さんも馴染みがあるロキソニンやベンザブロックなどの薬にもアナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、うっ血性心不全、劇症肝炎、横紋筋融解症といった副作用が報告されていたりします。
しかし、重要なのは「重篤度」と「頻度」です。
極端な例で言えば、50%の確率で腹痛が起こる薬Aと1%の確率で腹痛が起こる薬Bを比較すれば、同じ「副作用として腹痛が報告されている薬」であっても大分大きな違いがあります。
また、副作用が腹痛ではなく劇症肝炎などの重篤度が高いような疾患の場合はたとえ1%の発現率であっても無視はできないリスクといえるでしょう。
人に治験薬を投与する前にはしっかりと動物実験が行われており、慎重に安全性は確認しているのですが、それでも薬を飲む以上リスクがどうしても付きまとってきてしまいます。
治験に興味があっても、副作用や後遺症が気になって一歩が踏み出せないという方も多くいるのではないでしょうか? 治験の副作用や後遺症についての分かりやすい解説はもちろん、実際の体験談についても動画でご紹介していきます。 この …
後遺症や死亡例などはあるか
治験薬が原因となり後遺症や死亡にまで至るケースは非常に稀ですが、存在はします。
私自身10年以上、治験業界で働いていて1回も見たことはないくらいの頻度ですが、2019年に日本で健康成人を対象にした治験の被験者が死亡するというショッキングなニュースもありました。
詳しくは、「治験バイトで死亡」は本当?プロが実例を分かりやすく解説でも解説をしているので何があったのかを知りたい方はこちらの記事へどうぞ。
日本では健康成人を対象にした治験は数多く実施されていますが、死亡例というのはこの2019年のエーザイの治験の1件のみです。
それでもやっぱり副作用が怖い場合は
重篤な副作用が起こってしまう確率は非常に低いとはいえ、やっぱり副作用が怖いという方もいるかと思います。
その場合は、医薬品を対象にしている治験ではなく、健康食品やサプリメントや化粧品モニターに参加することをおすすめします。
健康食品モニターや化粧品モニターであれば、一般的に治験よりもリスクは下がるので「副作用が怖い」という部分は大分クリアできるはずです。
健康食品モニターや化粧品モニターへの参加ということであれば、治験ボランティアセンターではなくチヨダモニター倶楽部の方が案件を探しやすいのでおすすめです。
治験は本当に「高額報酬」と言えるのか
治験はよく「高額治験バイトでがっつり稼ぎたい」…というような感じで言われていることが多いのですが、みなさんは治験は本当に”高額報酬”が貰えると思いますか?
実は半分正解かもしれませんが半分は不正解です。その辺りを少し解説していきましょう。
ちなみに、治験で貰えるお金は”報酬”ではなく”負担軽減費”と言います。
あくまで治験に参加したことによる”対価”ではないということですね。
そもそも治験はバイトではなくボランティア
このことはかなり誤解されている方が多いのですが、治験はバイトではなくボランティアです。
「でも治験に参加すると報酬が貰えるからバイトでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、治験に参加して貰えるお金は「報酬」ではなく、治験に参加したことによる様々な負担を軽減するための「負担軽減費」です。
治験に参加をすると、病院へ行くための交通費や場合によっては食事代などがかかってきます。
また、入院の治験であれば時間的拘束や治験で決められたルール(例えば、禁煙や禁酒など)を守らなければいけないため、精神的な負担もかかってきます。
これらを全て「ボランティアなので無償でやってください」というのはどうでしょうか?
さすがに厳しいですよね。なので、治験に参加をしてもった被験者さんには様々な負担を軽減する目的で負担軽減費が支払われているのです。
治験の負担軽減費は実は高額ではない
例えば通常のバイトの場合、基本的には拘束時間に対して給料が出るので5時間勤務をした場合には5時間分のお金が貰えますよね?
治験で拘束される時間は1泊入院をした場合には24時間ということになるので、24時間分のお金が貰えることになります。
ここで時給換算をしてみると分かりやすくなります。
5泊の治験の場合は、大雑把に拘束時間は約120時間ということになります。
約120時間で115,000円ですので、時給換算をすると時給958円(115,000÷120=958円)になります。
令和6年6月25日現在の東京の最低賃金は時給1,432円なので、最低賃金よりも少ない金額ということになり、実は全然高額ではないということが分かります。
治験では、入院をしている間は24時間ずっと治験のルール(禁酒、禁煙、運動NGなど)を守らなければいけないので、24時間が拘束時間ということになるのですが、この部分が特殊な考え方で分かりにくいのかもしれませんね。
「高額バイト」と言ったら治験と思い浮かぶ人も多いかと思います。 数日で数万のお金が手に入るって正直ヤバイことをやらされているだろ…と思う訳ですが、今回はそのあたりの真相についてお話していきます。 この記事で分かること ● …
大学生が治験に参加するメリットとデメリット
大学生が治験に参加する時のメリットとデメリットについてそれぞれご紹介をしていきます。
大学生が治験に参加するメリット
●就職活動の時にエピソードとして話すことができる。
●負担軽減費を貰えたり検査を無料で受けることができる。
大学生が治験に参加するメリットは色々とあるのですが、その中でも主なメリットについてそれぞれ簡単に説明をします。
治験は非常に社会貢献度が高いボランティア
先ほども少しお話をしましたが、実は治験は「バイト」ではなく「ボランティア」になります。
薬を販売するためには、有効性や安全性がしっかりとあるかを治験で確認する必要があるため、治験は避けては通れない道になります。
世の中には治療薬を待ち望んでいる患者さんがとても多くいるのですが、治験が終わらなければその患者さん達に治療薬を届けることはできません。
なので、治験に協力してくれる方の存在はとても重要で治験は社会貢献度が特に高いボランティアだと言えます。
実は就活にも使える
治験はボランティアになるので、就職活動の時にエピソードとしてお話に使うこともできます。
治験に参加された方は、世の中に治療薬を待ち望んでいる患者さんにとって希望の光なわけですが、治験に参加したことを通じて感じたこと、今後取り組んでいきたいことなどは面接で使える可能性があります。(もちろん職種にもよりますが…)
例えば、「治験はこれだけ社会貢献度が高いボランティアにも関わらず世間にしっかりと伝わっていないことが課題だと感じた」…というような感想を持ったのであれば、仕事やプライベートを通じてもっと社会に色々知ってもらうような取り組みをしていきたい等、お話することもできるでしょう。
治験に参加した経験談をお話できる就活生は少ないと思いますので、そこをアドバンテージに変えることも可能ということですね!
負担軽減費を貰えたり一部の検査費用が無料
治験はボランティアとはいえ、通院時の交通費や入院をするのであればその生活用品を揃えるためにお金がかかるため負担軽減費という形でお金を貰うことができます。
その他、治験で規定された検査は検査費用が無料であるため、自己負担なしに思わぬ疾患を発見することに繋がったりもします。
例えば、大腸内視鏡検査などは普通に受診をすると1万円近くかかりますが、これが治験で規定されていた場合には無料になるため、普段はあまり受ける気になれないような検査でも受けようかなと思えるチャンスだったりもするわけですね。
大学生が治験に参加するデメリット
●健康成人対象の場合は意外にハードルが高い。
では次に、大学生が治験に参加するデメリットについて簡単に紹介をしていきます。
治験では何かと制限が多い
治験では、有効性や安全性のデータを正確に取るために治験実施計画書という計画書で細かく規定が決められています。
例えば、喫煙や飲酒や激しい運動は安全性を評価するうえで影響を及ぼしてしまうことが多いため、多くの治験で禁止されています。
普段から喫煙や飲酒をあまりしない方は影響がないのですが、逆に普段からそれらのことをしている方にとってはストレスを感じるかもしれません。
治験参加のハードルは意外に高い
特に健康成人が対象の治験で顕著なのですが、「健康な人」というのは意外に少なく治験薬投与にまで至らない方が実は多数います。
治験では治験薬を投与する前に必ず適格性確認を行うのですが、この適格性確認には心電図検査や血液検査が含まれています。
特に症状が無く健康だと思われる方も、心電図検査や血液検査で異常が見られると治験に参加できないことになります。
健康成人対象の治験では「花粉症を持っているとNG」という規定がある試験も多いので、意外に治験に参加できないということもあるのです。。
治験参加時の注意点
特に健康成人対象の治験では、負担軽減費がそれなりの額になることが多いので注意しておくべきことがあります。
ここでは大学生が治験に参加する時に注意しておくべきことをご紹介します。
扶養や確定申告
大学生が治験に参加をして多額の負担軽減費を受け取った場合、親の扶養から外れてしまったり確定申告が必要になってくる場合もあるため注意が必要です。
扶養から外れてしまう条件や確定申告の条件について分かりやすく説明をします。
扶養から外れてしまう条件
社会保険の扶養は、1月~12月までの年間収入が130万円を超えると外れてしまうので注意が必要です。
治験に参加することで貰えるお金(負担軽減費)も雑所得に入るので、アルバイトと掛け持ちをしている場合などはアルバイトの給料と合わせて130万円以内に収まるように調整する必要があります。
確定申告が必要な条件
上と同様で、1月~12月までの年間収入が130万円を超えると必要になります。
ただし、治験参加に必要なための経費を差し引くことができるので、例えば年間130万円の負担軽減費を貰っていたとしても経費で10万円かかっているということであれば年間120万円となり、確定申告が不要になります。
治験関連で経費として差し引けるものは以下のようなものが挙げられます。
●消耗品費(衛生用品代)
●雑費(パジャマ代、文房具代)
●新聞図書費(治験の情報収集用の本代)
連続での治験の参加
治験には休薬期間というものが設定されており、一度治験に参加をすると3ヵ月以上は間を空けなければいけません。
これは、前の治験で服用した治験薬と相互作用を起こして予期せぬ副作用が発生してしまうことを防ぐために設定されているので、休薬期間を無視して治験に参加することは非常に危険です。
更に、そのようなルール違反をしてしまうと副作用が発生した時に補償の対象外になってしまうこともあるので絶対に止めておきましょう。
それでも連続で参加をしたいということであれば、治験ではなく健康食品や化粧品モニターであれば連続で参加してもOKな場合が多いため、チヨダモニター倶楽部で募集されているような案件を中心に探してみましょう。
治験に参加をすると負担軽減費が貰えますが、治験になるべく効率良く参加をして負担軽減費を稼ぎたいと思っている方もいるかと思います。 そこで今回は、治験に重複登録をしたり休薬期間を無視して短期間で連続して治験に参加をしてばれ …
まとめ
今回は大学生が治験に参加する時のおすすめ情報やメリット、デメリットなどについてご紹介をしていきました。
健康成人対象の治験では入院をしなければいけない治験がおおいため、社会人になってしまうとなかなか参加することができません。
大学生のうちにしか経験できないことでもあるので、夏休みや春休みなどの長期の休みを利用して参加してみるのも良いかもしれませんね!