これで完璧!治験の保険外併用療養費制度を分かりやすく解説!

今回は治験で登場する保険外併用療養費制度にスポットを当てて解説をしていきたいと思います。

医薬品はもちろん医療機器の治験についても触れていきますので、是非ご覧下さい!

保険外併用療養費制度が適用される治験と適用されない治験

前回は、保険外併用療養費制度を知る第一歩として制度が出来た背景についてお話をしていきました。

保険が適用される保険診療と保険が適用されない自由診療があり、保険診療と自由診療を組み合わせる混合診療は日本では禁止されているというお話でした。

しかし、自由診療は一概に“科学的根拠に基づいて確認されていない不当な医療”という訳ではなく、将来的に保険収載を目指しているものでこれから科学的根拠を検証するような評価療養も含まれます。

現時点では、確かに“科学的根拠がない医療”となってしまいますが、これから“科学的根拠がある医療”となり得る医療までも禁止としてしまうのはさすがによろしくはありません。

そこで、自由診療の中でも評価療養については混合診療が認められているということでした。

評価療養の中には、薬事承認を得るために安全性と有効性を検証する治験についても含まれている訳ですが、治験といっても色々な種類があります。

そして、治験によっては評価療養ではないため保険外併用療養費制度が適用されないものも存在します。

治験の種類 保険外併用療養費制度が適用される 保険外併用療養費制度が適用されない
企業治験 医師主導治験 患者が対象の第Ⅰ相試験
(主に薬物動態を調べる)
健康成人が対象の第Ⅰ相試験
第Ⅱ相試験
(主に用法・用量を探索する)
第Ⅳ相試験
(製造販売後臨床試験)
第Ⅲ相試験
(主に安全性、有効性を検証する)

上の表の通り、保険外併用療養費制度が適用されない治験は、「健康成人が対象の第Ⅰ相試験」と「製造販売後臨床試験である第Ⅳ相試験」になります。

健康成人が対象の第Ⅰ相試験に保険外併用療養費制度が適用されない理由

保険診療は、ある疾患があり、その疾患に対して行われる医療に対して保険が適用されるものです。

健康成人の場合、もちろん疾患が無い訳ですからそもそも保険診療とはならず、保険外併用療養費制度が適用されません。

保険診療+自由診療(そのうち、評価療養)を認めるものが保険外併用療養費制度ですが、保険診療が無いので、自由診療のみになってしまい、保険適用するものが無いということですね。

第Ⅳ相試験に保険外併用療養費制度が適用されない理由

評価療養は、将来的に保険収載を目指している医療の事を指します。

製造販売後臨床試験(第Ⅳ相試験)は、治験薬が承認された後に実施される試験ですので、既に薬価が付いているため対象外となります。

保険外併用療養費支給対象外経費

噛みそうになるくらい長いネーミングですね…

保険外併用療養費制度は、治験中であっても保険診療分については保険が効くという制度でしたが、実は全てが対象という訳ではなくこちらにも例外があります。

CRAやCRCさんが念仏の如く呟いて覚えたであろう以下の2つです。

  • 治験実施期間中のすべての検査、画像診断料
  • 治験薬の同種同効薬の費用

この2項目の費用は依頼者が全額負担すべき費用とされており、保険外併用療養費支給対象外経費と呼ばれています。

ちなみに、保険外併用療養費支給対象外経費とは、「治験に関わる検査等のうち保険請求出来ない費用」と覚えておくと分かりやすいかもしれません。

「支給対象外経費」の「支給対象」とは、保険が効きますよという意味で、「支給対象外」とは、保険が効きませんよということですね。

つまり、下の図で見てみると、前観察期間と後観察期間は保険給付されますので「支給対象経費」、治験実施期間中の全ての検査・画像診断料+治験薬の同種同効薬は保険が効かないので「支給対象経費」になります。

保険外併用療養費の適用期間

保険外併用療養費制度の適用期間は、医薬品と医療機器・再生医療等製品では異なることがポイントです。

研修では、医薬品の保険外併用療養費の範囲を習うかと思いますが、ご自身がアサインされたプロジェクトが医療機器や再生医療等製品である場合は、保険外併用療養費制度の適用範囲に注意する必要があります。

私の経験上のお話ですが、CRAの場合は、施設に説明をする際に、“医薬品の治験と比較してどのように違うのか”という観点で説明をすると伝わりやすかったのでご参考までに(医薬品の治験とは考え方が違うということを印象付ける)。

医療機器や再生医療等製品の場合、それらを使用した日の前後7日間が全額企業負担となるのですが、医薬品の治験のみしか経験をしたことが無い場合、「前後7日間が全額企業負担となること」に馴染みが無いはずですので、CRAとしてはしっかりとCRCさんや事務局に説明をしておく必要があります。

“「治験実施期間中の全ての検査、画像診断料」と「治験薬の同種同効薬の費用」の費用は依頼者負担”ということと、保険外併用療養費制度の適用期間については、暗記している方も多いと思いますが、では何故そのように決まったのかまでご存知ですか?

それを知ることで、今まで見えなかったことが見えるようになるのでご紹介していきます!(ベテランの方でも知らない方が多いかも!?)

なぜ「全ての」検査・画像診断料を負担しなければならないのか

治験に参加することによって必要になった検査や画像診断に関しては、依頼者負担とすることは妥当かと思いますが、治験期間中(治験薬服用期間中)に実施した全ての検査・画像診断料を依頼者が負担することについてはどう思いますか?

依頼者側からすると、「治験に関係ないような検査・画像診断料の費用まで払わなければいけないのはなぜ…?」と思いませんか?

これを考えるには保険請求がされる仕組みをイメージする必要があります。

診療報酬が支払われる仕組み日本医師会HPより抜粋

保険が適用される部分(7割)については、医療機関(施設)からレセプト(診療報酬明細書)を審査支払機関に提出をし、内容に問題が無いかを確認されたうえで施設に医療費が支払われます。

ここで、審査支払機関の方になった気持ちで施設から提出されたレセプトを見てみましょう。

レセプト例

この患者さんは、治験に参加をしている患者さんだとします。

さあ、どうでしょうか。

どれが治験の検査でどれが治験以外の検査か分かりますか?分かりませんよね?

そうなのです、審査支払機関の方も同じなのです。

治験実施計画書がこのレセプトに一緒に添付されていて、中身をじっくり読めば分かるかもしれませんが、審査支払機関には日々大量のレセプトが送られてきますので、それらをいちいち確認することは出来ません。

妥当かどうかを審査支払機関が確認できない以上、国民の公費を使って保険給付対象とするわけにはいきません。

そのため、「60 検査」の項目と「70 画像診断」の項目(「検査・画像診断料」と呼ばれている項目ですね)は、保険外併用療養費の支給対象からは外れてしまうため、保険外併用療養費支給対象外経費として治験依頼者が負担することとなります。

しかし、”いちいち確認できない”という理由で「治験以外の検査画像診断も製薬メーカーが払ってね」というのはあまりにも強引過ぎます。

製薬メーカー側からしたら不満爆発でしょう。

ですので、検査・画像診断料を依頼者が負担する代わりに、それ以外の医療費(初診料や再診料や入院費など)は治験で発生したものであっても保険適用とすることになっています。

これらのことからも、本来は治験における保険外併用療養費制度は、依頼者負担と保険負担の割り振りを決める制度と言えるのです。

ですので、時々施設から「入院費は依頼者負担じゃないんですか?」等のように保険適用の部分までを依頼者負担とするというのは、制度のそもそもの趣旨から外れており、依頼者の負担のみが大きくなるということを意味しています。

とは言え、実務的には保険適用の範囲も依頼者負担をお願いされるケースは今もまだ多いのが現状です。

しかし、それは「本来の趣旨からは外れていることなんだ」というのは頭の片隅に置いておいて下さい。

検査・画像診断に使用する薬剤も全額企業負担になる

治験実施期間中に実施する検査・画像診断料は全額企業負担になりますが、この「検査・画像診断料」とは、レセプト上の「60 検査」の項目と「70 画像診断」の項目を指します。

また、検査や画像診断を行う際に薬剤を使用する場合もありますが、検査や画像診断のために使用した薬剤は「検査」あるいは「画像診断」の「薬剤」の項目に点数が付きますので、この薬剤についても全額企業負担となります。

保険外併用療養費支給対象外経費_検査画像診断料の薬剤

例えば、MRIを撮影する際はプロハンス静注を使用しますが、そのような薬剤はこちらに加算されているはずです。

単純に、検査や画像診断料のみを負担すれば良いという訳ではない点に注意しましょう。

治験薬の同種同効薬は添付文書でチェック

治験薬の同種同効薬は、全額企業負担となりますが、では同種同効薬かどうかはどのように調べるのでしょうか?

それは、添付文書の「効能又は効果」に記載されている項目と治験実施計画書の「対象」や治験届の「予定される効能又は効果」に記載されている内容が同様かで判断をします。

効能又は効果の調べ方また、治験薬の費用や同種同効薬の費用を扱う上で以下の点についても注意が必要です。

同種同効薬が処方された際の技術料(調剤料、処方料、注射料等)も企業負担となる。
治験薬の技術料は研究費に含まれるため企業負担はしない。

ちなみに、多くの場合は治験薬の同種同効薬は併用禁止薬に指定されており、そもそもあまり登場はしません(同種同効薬を併用してしまうと通常、有効性の評価が判定しにくくなる)。

では、どのような場合に同種同効薬を使用するかというと、以下のような場合が考えられます。

同種同効薬が登場する治験
抗がん剤の治験薬で他の抗がん剤との併用効果を検証するような試験
便秘薬の治験でレスキュー薬として下剤(承認済)の使用を認めている試験

あと1つ、既承認の医薬品の適応拡大の治験の場合、治験薬には既承認の効能効果があると思いますが、その効能効果についての同種同効薬の費用は企業負担とはならないのでご注意下さい。

あくまで、”新たに承認を取得しようとしている効能効果”に対しての同種同効薬の費用が企業負担の対象ですので、その点は間違えないようにしましょう!

実務で直面する様々なシチュエーション

治験における保険外併用療養費制度についてお話をしてきましたが、ここまでのお話はいわば教科書的な内容になります。

治験の開始時に費用の支払についてCRAは施設と協議しますが、その際には様々な要望を受けたりと始めのうちは困惑をしてしまうこともあるでしょう。

ここからは、実務的に私が見かけたことがあるシチュエーションについてご紹介をしていきたいと思います。

同意取得~後観察終了まで全額企業負担とするパターン

保険外併用療養費制度を越えての企業負担保険外併用療養費制度が適用される期間は、先ほども説明をした通り「治験実施期間」になります。

しかし、実務をしているとこの制度通りではなく「同意取得~後観察終了まで」の全ての期間において検査・画像診断料を全額企業負担として欲しいと施設から要望されることがあります。

では、なぜそのような要望をされるのか。

その答えは、施設の医事課の体制にあります。

治験に参加をしている患者さんの場合、保険が適用される期間と保険が適用されない期間が混在しています。

つまり、対象の患者さんが治験薬服用期間中かそうでないかによって対応を切り替える必要があり施設側にも負担が生じ面倒な対応となるということですね。

施設は、治験に参加している以外にも多くの患者さんの対応をしているので、治験用に対応をすることで工数が増してしまい、考え方によってはその工数の増加分(コスト)は施設側が吸収しなければいけないということになります。

ただ、治験に対応することで増加するであろうコストについては、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」中の費用の適正化についての言及から施設管理費等に含まれていると考えることができます。

しかし、実際のところは施設方針などもあり100%の施設が「保険外併用療養費制度の通り」とはしていない点に注意が必要です。

体感としては大学病院を中心に8割程度の施設は「保険外併用療養費制度の通り」あるいは「被験者負担分は企業負担」で残りの2割程度の施設は同意取得〜後観察期終了まで治験に関わる検査・画像診断料は全額企業負担での要望をされている印象です。

ですので、新人のCRAの場合は、「保険外併用療養費制度というものがあるので当然その通りの対応だろう」と思い込まずにしっかりと運用を確認しておく必要があります。

検査料、採取料、判断料での揉め事

施設と費用負担の擦り合わせをする際に時々揉めることがあるのが、「検査料」、「採取料」、「判断料」の費用負担についてです。

治験では必ずと言って良いほど血液検査が規定されています。

そして、試験によっては中央測定機関が設定されており院内の検査ではなく中央測定のデータを治験用のデータとして採用するプロジェクトもあります(最近ではかなり増えてきています)。

治験実施期間中については全額企業負担となるので、分かりやすいのですが、例えば前観察期間等のように保険給付がある場合の請求については無理矢理、判断料などを切り離そうと施設に依頼をして話がこじれるシチュエーションを見たことがあります。

ここで時々、依頼者側の担当者or上司や先輩によって”施設で採血を行うので、採取料は依頼者負担可(保険請求は妥当)であるが、検査料と判断料は中央測定で実施するため依頼者請求不可(保険請求は妥当ではない)”と判断してくるケースを耳にします。

結論からお話すると、保険請求の観点からは中央測定機関で測定されているとしても、「検査料」、「採取料」、「判断料」は原則、保険請求することは妥当であると考えています。

それぞれの項目をレセプトで見てみましょう。

保険外併用療養費の判断料と採取料と検査料基本的に、医療機関から提出されるレセプトを確認する審査支払機関は、その内容の妥当性を”一連の流れ”でも確認をしています。

ここで先ほどの事例で考えてみます。

「中央測定機関を使用するために、検査料と判断料を施設側で取ることはおかしい」という考えであった場合、保険請求をする際に審査支払機関に提出するレセプトには採取料のみが記載されており、検査料と判断料が記載されていない状態ということになります。

つまりそれは、「静脈から血液採取をしているが(B-V)、何のために取ったのか分からず、しかも何かしらの医学的判断がされているのかも分からない」という解釈となります。

そう、このようなレセプトは審査支払機関から差し戻されてしまうということですね。

ですので、原則「検査料」、「採取料」、「判断料」を切り離して保険請求をすることは不可となるわけです。

審査支払機関は1ヵ所ではなく、各都道府県にあるので、もしかするとどこか甘い審査機関の場合はスルーすることもあるのかもしれませんが、普通に考えると状態としてはとてもおかしなことになっているため、「○○病院ではそれでも問題無いと言っていました」というのは通じないという事です。

ちなみに、レセプトが審査支払機関から差し戻されてしまうとその手続きに1ヶ月以上かかることもあり、その期間内は施設側にとっては費用を立て替えている状態になっているため、施設側に迷惑がかかることにもなりかねませんので、注意が必要です。

また、検査料、採取料、判断料については以下の知識も知っておくとCRAとして請求を確認する時に役立つこともあります。

検査料の算定

それぞれの検査毎に点数が決められており、検査の都度、算定が可能です。ただし、検査項目によっては月1回などのように回数制限があるものもあります。

採取料の算定

尿や便など、患者さんが自身で検体を採取できる場合には算定不可です。血液検査で施設で採血があった場合には算定される項目です。

判断料の算定

月1回の算定になります。ですので、治験とは別に院内で検査が実施されてもまとめて算定されます。「血液学的検査判断料」や「生化学的検査(Ⅰ)判断料」や「生化学的検査(Ⅱ)判断料」あたりは治験でもよく見かけるはずです。

副作用発生時の検査・画像診断料、投薬・注射料

治験薬の副作用が発現した際には検査や処方がされたりしますが、これらの費用の負担についても保険外併用療養費制度が適用されます。

つまり、治験薬服用期間中の全ての検査・画像診断料と治験薬の同種同効薬については全額企業負担となり、逆に治験期間外であれば、被験者負担(保険が適用され3割負担)となります。

ただ中には、「治験薬の副作用の治療でお金がかかっているのに何故企業が負担しない!?被験者が負担するなんておかしいのでは?」と思われる方もいることでしょう。

そのような時に登場するのが補償です。

実務的にはあまり補償が登場するシーンは多くはないのですが、CRCさんやCRAとしてはしっかりと知っておくべき内容ですので、補償についてあまりよく知らないよという方は以下の記事も参考にしていただければと思います。

治験実施期間中に実施された治験と関係の無い検査・画像診断料の扱い

保険外併用療養費制度で依頼者が負担すべき費用

「保険外併用療養費制度について|efpia」より抜粋

EFPIAの保険外併用療養費の資料がとても分かりやすくまとめられているのでご紹介しておきます。

治験実施期間中であれば、治験に関係あろうがなかろうが「全ての検査・画像診断料」と「治験薬の同種同効薬」の費用負担は全額企業負担となります。

ただ、実務的には少し分かりにくいシチュエーションがあります。

それは、治験中に副作用が発生し、治験実施医療機関ではなくて被験者さんの家の近くの病院などで検査・画像診断をした場合の費用はどうなるのかということ。

保険外併用療養費制度の考え方ですと、「全ての検査・画像診断料」とあるので、どの施設で検査をしようが全て依頼者負担と出来そうな気もするのですが、治験119でも製薬協の見解がある通り、実際はこのシチュエーションでは被験者負担となります(保険給付対象なので3割分を被験者さんが負担)。

保険外併用療養費制度を治験に適用する前提条件として、”治験実施医療機関と治験依頼者が契約を締結していること”というものがあるため、治験実施医療機関ではない施設では制度の対象外となり、保険給付対象となるのです。

また、治験に参加している被験者さんのレセプトを提出する際には、治験概要も一緒に審査支払機関に提出をするのですが、治験実施医療機関ではない場合はこの治験概要も添付することができないため、審査支払機関からするとその患者さんが治験に参加しているのかどうかを確認する術がありません。

ですので、物理的にも無理ということになります。

なお、昨今ではDCTが普及し始めており、治験の検査も被験者さんの家に近いサテライト施設での実施というシチュエーションも増えてくるかと思います。

その際には、治験実施医療機関がサテライト施設と委受託契約を締結している場合は、治験実施医療機関外であっても検査・画像診断料は全額企業負担となるケースも増えてくるのでしょうね。

間歇投与の場合の保険外併用療養費

治験薬が間歇投与される治験の場合、その治験実施期間はどのようになるのでしょうか。

答えはとても簡単です!

単純に「治験薬服用開始~治験薬服用終了まで」と覚えておけば問題ありません。

ですので、間歇投与であろうが毎日服用していようが考え方は変わりません。

また、間歇投与の他に単回投与の場合もあるかと思います。

その場合の治験実施期間は、治験薬投与当日のみです。

そのため、保険外併用療養費制度の考え方では、治験薬投与当日の全ての検査・画像診断料と治験薬の同種同効薬の費用を全額企業負担となります。

DPCを採用している場合の保険外併用療養費

DPC対象の患者さんが治験に参加した場合は、診断群分類別包括評価(Diagnosis Procedure Combination:DPC)ではなく医科点数表等で出来高算定をして保険請求をします。

このことは、厚生労働省が発出している「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法の一部改正等に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月18日、保医発0318第2号)にも以下のように記載されています。

第1 DPC対象患者について
(略)
2 1にかかわらず、次に掲げる患者に係る療養の給付に要する費用の額は、診療報酬の算定方法(平成 20 年厚生労働省告示第 59 号)別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科点数表」という。)若しくは別表第二歯科診療報酬点数表(以下「歯科点数表」という。)、入院時食事療養費に係る食事療養及び入院時生活療養費に係る生活療養の費用の額の算定に関する基準(平成 18年厚生労働省告示第 99 号)又は保険外併用療養費に係る療養についての費用の額の算定方法(平成 18 年厚生労働省告示第 496 号)により算定する。
(略)
(2) 厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養(平成 18 年厚生労働省告示第495 号)第1条各号に規定する評価療養又は第1条の2に規定する患者申出療養を受ける患者

被験者さんが入院時にはDPCで、途中から治験に参加する場合は、治験に参加することが決まった時点からDPCから出来高算定に切り替え、そのまま退院するまでDPCには戻さず出来高算定のままとします。

ですので、DPC対象の患者さんであっても、その他の患者さんと同様の対応となります。

ただ、実務的なところでは、どのタイミングでDPCから出来高算定に切り替えた方が被験者さんの負担が少ないか等、細かい部分もあったりもします。

CRAとしてはそのような細かい部分までの対応を求められることはほぼ無いと思いますが、「どのタイミングでDPCから出来高算定に切り替えられのか」くらいは把握しておくと、レベルが高い対応が出来たりもします(恐らくその部分まで把握している方は少ない)。

まとめ

保険外併用療養費制度について、その成り立ちや根拠などをしっかりとまとめた記事を書こうと意気込み書き始めましたが、色々とお伝えしようとしたら2記事になってしまいました。

ただ、保険外併用療養費制度についてはどの治験を担当したとしても必ず登場します。

しかし一方で、保険外併用療養費制度については苦手意識を持っている方も多く、あまり理解をしないまま業務を進めてしまうこともあるのではないでしょうか。

施設との交渉でお金関連については特に揉めやすいポイントかと思いますが、しっかりとした知識を頭に入れて臨めば施設とのトラブル回避にもなるかと思いますので、新人の方は是非実戦で活かしていただけたら嬉しいです!