【体験談あり】調剤薬局の薬剤師を辞めたいと後悔する理由と対処法

薬学教育協議会の就職動向調査によると、新卒で就職した薬剤師のうち4人に1人以上が調剤薬局へ就職しているようです。

しかし、調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思っていたり、転職活動をしているという話もよく耳にします。

そこで今回は、現役病院薬剤師のチャイさんにお話をお伺いしていこうと思います。

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調剤薬局の薬剤師を辞めたいと後悔する理由と対処法

辞めたい理由 対処法 備考
勤務時間が長い 面分業で対応している
調剤薬局へ転職
門前の病院やクリニックの受付終了時間を確認するのも有効。
病院へ転職 日勤や夜勤でシフトが組まれていれば一定の時間以降の仕事は夜勤の仕事と決められていることが多い。
企業へ転職 企業ではフレックスタイム制や在宅勤務が可能な職種もある。
人手が足りない 大手の調剤薬局へ転職 系列店舗からの応援体制が整っていることが多い。
夜間休日対応が辛い 大手の調剤薬局へ転職 大手チェーン薬局であれば労働基準法をはじめ法令順守している企業が多い。
ドラッグストアへ転職 夜間休日対応が無いドラッグストアを選ぶ。
企業へ転職 企業では労働基準法遵守を強く意識しているところが多い。フレックスタイム制や在宅勤務が可能な職種もあるため、働き方柔軟。
やりがいを感じない 在宅医療を応需している
調剤薬局へ転職
患者により近い位置で接することができ、やりがいを感じやすい。
チーム医療に参加できる
病院へ転職
求められる能力が高い一方で、やりがいを見出しやすい。
企業へ転職 薬剤師としての経験や知識を活かし、医薬品開発の仕事へキャリアチェンジしている薬剤師も多い。
おすすめの
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強い領域 おすすめポイント 公式HP
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辞めたい理由 対処法 おすすめの転職エージェント
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調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思う理由は人それぞれで、状況に応じて対処法は変わってきます。

上の表に調剤薬局の薬剤師が辞めたいと思う代表的な理由と対策、転職をする場合のおすすめの転職エージェントをまとめましたが、表からも分かる通り辞めたいと思う理由によっておすすめの対処法は分かれてきます。

今回の記事では、「自分はなぜ病院薬剤師を辞めたいと思っているのか」という理由を探っていきながら、皆さんにとってベストな対処法について一緒に考えていきたいと思います。

記事の後半では実際に私が転職をした時の体験談も書いているので調剤薬局の薬剤師の転職の一例としてご参考にしていただけたら嬉しいです。

調剤薬局の薬剤師が辞めたいと後悔する理由

調剤薬局の薬剤師が辞めたいと後悔する理由

どのような理由で辞めたいと思ったかによってその後の対策も変わってくるため、まずは「なぜ辞めたいと思っているのか」から整理をしていく必要があります。

調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思う場面は色々とあるかと思いますが、主には以下のような理由が挙げられます。

調剤薬局の薬剤師が辞めたいと後悔する主な理由
勤務時間が長い
人手が足りない
夜間休日対応が辛い
やりがいを感じない

調剤薬局の薬剤師が辞めたいと思う主な理由について1つずつご紹介していきますので、皆さんがどの理由に当てはまるかを考えていきましょう。

勤務時間が長い

調剤薬局でも門前薬局の場合は閉局時間が遅くなる傾向があるため、勤務時間が長いという理由で辞めたいと考える方も多いでしょう。

医療機関で処方箋が発行されるのは一般的に診察や会計が終わってからのため、仮に近隣のクリニックの受付終了時間が19時とすると、19時に受付した患者が診察・処置を終え会計をし、その後調剤薬局に来局するとなれば早くて19時半、診察や処置に時間がかかる場合はもっと遅い時間に来局することになりますよね。

その時間から調剤や投薬をして閉局作業となると薬剤師の退勤時間は遅い時間となってしまいますので、特に子どもがいる等の家庭の事情がある場合は閉局までいることが難しいという状況にもなり、辞めたい理由として挙げる薬剤師が多くいます。

人手が足りない

業務量に対して薬剤師数が足りなければ、様々な問題が生じます。

日々の業務が過密になり、休みが取りづらくなったりして転職を考えるきっかけとなり得るでしょう。

調剤薬局では全国約6万施設に約18万人の薬剤師が勤務しています。(厚生労働省 令和元年度医療施設調査および厚生労働省平成30年度 医師・歯科医師・薬剤師統計より算出)単純計算で1施設あたり3人の薬剤師がいる計算になります。

もちろん地域や規模でばらつきがあると思われるため、3人より多くの薬剤師が勤務する調剤薬局がある一方12人の薬剤師で営業している調剤薬局も多くあると推測できます。

さらに、薬剤師は男性より女性の方が多く男女比は約46で、結婚や出産を機に退職や休業など仕事の調整をする女性薬剤師もいるため薬剤師は人手不足になりやすい傾向です。

のりすのりす

人手が足りず少ない人数で仕事を回しているので大変ということで、もっとのんびり働きたいと考えている薬剤師も多いようですね。

夜間休日対応が辛い

調剤薬局ではかかりつけ薬剤師指導料や地域支援体制加算の算定するために24時間体制で患者からの相談に応じることが要件とされています。

そのため、閉局後の時間は店舗の携帯電話を持たされて夜間の患者対応をする調剤薬局が多くあります。

在宅医療を応需している調剤薬局の場合は、夜間に緊急処方が出て急きょ出勤することもあります。私自身が転職を考えた一番大きな理由です。

私が在籍していた調剤薬局では当番制で店舗の携帯電話を預かり対応していましたが、当番をしても無給でした。

本来は労働基準法に抵触すると思いますが、無給で夜間や休日の対応をさせる調剤薬局もあるという体験談です。

わたしが在籍していた調剤薬局では在宅医療を応需しており、患者の急変等により調剤が必要になった場合は出勤が必要になりました。

出勤すれば休日出勤手当がつきましたが、電話相談だけで済んだ場合は手当なしですし、携帯電話を預かる当番の日は急な出勤になる可能性があるため休日であるにも関わらず予定を入れることができませんでした。

やりがいを感じない

調剤薬局の薬剤師は病院の薬剤師と違い、患者に接することができる時間が短いですよね。

病院では入院患者の場合は患者が24時間病院内にいるため患者が服薬するところに立ち会うことができたり薬に関する困りごとがないか確認することが比較的しやすいですが、調剤薬局の薬剤師の場合は基本的に患者の生活に密着することはありません。

服薬指導で説明した内容が理解してもらえたかどうか患者が困っていることに気付けたかどうか、薬剤師としての力が発揮できているか不安になることがあるかもしれません。

のりすのりす

やりがいを感じないという理由の他に、薬剤師の仕事自体がもしかしたらあまり向いていないかもしれないと考える方もいて、よく私へご連絡をいただくともありますね。

調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思った理由別の対策

調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思った理由別の対策

調剤薬局の薬剤師を辞めたいと思っている理由が整理できたら、次に対処法を考えていきます。

状況によっては調剤薬局から病院へ転職をした方が良い場合もあれば、違う調剤薬局へ転職をした方が良い場合もあるので、ここでは状況別におすすめの対処法をお話していきます。

勤務時間が長いと思った時の対処法

この理由で転職を考える場合は転職エージェントに相談して転職活動をすることもおすすめです。

残業の有無の確認を直接聞きづらい場合、キャリアアドバイザーの方が間に入って確認してくれることがほとんどです。

また、病院薬剤師に転職することも選択肢のひとつです。病院は入院患者がいるため24時間対応ですが、日勤や夜勤でシフトが組まれていれば一定の時間以降の仕事は夜勤の仕事と決められていることが多いです。

日勤帯の薬剤師がだらだらと残業することは少ない印象です。転職先を調剤薬局で考えるのであれば、門前の病院やクリニックの受付終了時間を確認したり、門前薬局ではなく処方箋を面分業で対応している調剤薬局を探すことがおすすめです。

人手が足りないと思った時の対処法

人手が足りないことで転職を考える場合は大手のチェーン調剤薬局への転職がおすすめです。

女性薬剤師が多いことに変わりがなかったとしても、大手であれば薬剤師数も多く系列店舗からの応援体制が整っている場合もあります。

福利厚生や教育制度が整っていることもあるため快適に働けることに期待できます。

夜間休日対応が辛いと思った時の対処法

この場合も上記の人手が足りない場合と対処法は似ています。

人手が多ければ当番が回ってくる頻度が減るので負担が軽くなります。

大手チェーン薬局であれば労働基準法をはじめ法令順守している企業が多いと思われるため無給で当番をさせることは少ないかもしれません。

調剤薬局を転職先に選ぶ場合は24時間体制の対応をどう行っているのかをあらかじめ確認することをおすすめします。

やりがいを感じないと思った時の対処法

転職とは違う対処法ですが、内閣府令和3年「薬局の利用に関する世論調査」によると、薬局・薬剤師の満足度に「満足している」と回答したのは全体の85.3%であり多くの患者が満足している結果となっています。

同調査ではかかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由や薬局・薬剤師への相談内容についての調査も記載されているため、読んでみると調剤薬局の薬剤師に求められていることが分かるとともに日々の業務が報われるかもしれません。

もしやりがいを求めて転職するなら、在宅医療を応需している調剤薬局であればより患者の生活に寄り添って服薬指導や処方提案をすることができるかもしれません。

その他、ファルマスタッフなどの転職エージェントでは企業案件も取り扱っているので、製薬会社やCROへのキャリアチェンジを目指してみるというのも手ですね。

調剤薬局の薬剤師の転職体験談

調剤薬局の薬剤師の転職体験談

ここからは、私が実際に調剤薬局から病院へ転職をした体験談をお話ししようと思います。

転職をしようと思ったきっかけ

私は、新卒で在宅医療を応需している調剤薬局に勤務をしていました。

新卒からは調剤薬局への就職を決めたわけですが、学生の時に調剤薬局と病院へインターンに行き、調剤薬局で患者対応するほうが自分に向いていると感じたため調剤薬局の薬剤師としてキャリアをスタートすることにしました。

インターンで受け入れてくださった調剤薬局とは別の調剤薬局に就職し6年間勤務しましたが、無給での携帯電話の当番制に疑問を感じていることに加えて在宅医療をやるにあたり病院でのチーム医療や入院患者とのかかわり方を学びたいと思うようになり転職を決意しました。

転職活動

初めての転職活動でしたので、まず転職エージェントに登録しキャリアアドバイザーの方に相談をしました。

登録した転職エージェントはマイナビ薬剤師でした。退勤時間が遅くなりがちな調剤薬局でしたが、マイナビ薬剤師の私の担当をしてくださったキャリアアドバイザーの方は退勤後の夜間でも電話で対応してくださり、正社員で勤務をしながら転職活動をすることができました。

現職を辞める時の流れ

転職を決意してからは、上司が病院薬剤師を経験していた方だったこともあり、転職先が決まる前に上司に退職の意思を伝えるとともに転職の相談をしました。

人手の足りていない職場でしたが、転職先が見つかる前に退職の意思を伝えたため後任の薬剤師を手配してくださり引継ぎをしてから退職することができました。

転職をした後の感想

実際に転職をしてからは、調剤薬局と病院とで薬剤師に求められるスキルが違い、勉強になりました。

調剤薬局では主に患者への情報提供が主でしたが、病院では患者に加えて医師や看護師への情報提供の機会も多いため薬の知識がより深く必要と感じました。

また、調剤薬局では輸液を扱うことはあまりありませんが病院では輸液の処方も多いため、配合変化や投与方法などの新たな知識が身に着きました。

学びたいと思っていたチーム医療をすることができて充実できたので、調剤薬局での仕事にやりがいを感じない方などには病院への転職もとてもおすすめです!

まとめ

今回は調剤薬局の薬剤師が辞めたいと思う理由とその対策についてまとめていきました。

薬剤師に限らずどの仕事も大体の方は「辞めたいな」と思う瞬間があると思います。

現時点で体調を崩しているようなものや精神的にきつい状態であればすぐにでも転職をした方が良いと思いますが、場合によっては少し立ち止まって色々と考えてみるのも良いかと思います。

何よりも大切なことは、しっかりと納得をしたうえで転職をすることかと思いますので、今の職場に留まるにしても転職をするにしても皆さんにとって後悔の無い選択となることを祈っています。