薬剤師にならなきゃよかった!後悔の理由と乗り越え方をご紹介

頑張って薬学部に入って国家試験を通過して薬剤師になったものの、実際に働いてみると「薬剤師にならなきゃ良かった…」と思う場面というのはありますよね。

今回は薬剤師にならなきゃよかったと後悔する理由とその対処法についてご紹介をしていこうと思います。

この記事で分かること
薬剤師にならなきゃよかったと思う理由
理由別の対処法
薬剤師以外の職種で働くことについて
のりすのりす

製薬業界でかれこれ10年以上働いています。X(旧Twitter)でのフォロワー数は6,100人程。日々患者さんのためにやりがいのある充実したお仕事に取り組んでいます!

薬剤師にならなきゃよかった!後悔の理由と乗り越え方

薬剤師にならなきゃよかった!後悔の理由と乗り越え方

薬剤師をやっていると、多くの方は薬剤師にならなきゃよかったと思う場面に遭遇することがあるかと思います。

そのような時にグッと堪えてそのまま働き続けるという選択肢もありますが、心に負荷を負ったまま無理矢理続けるよりも転職をして心機一転、前向きな気持ちで新しい環境で頑張っていくという選択肢も素晴らしいと思います。

ただ、何も考えずに転職に踏み切ってしまうとまた同じ失敗をしてしまう可能性があるので、なぜ薬剤師にならなきゃよかったと思うのか…その辺りをしっかりと分析しておくことが重要です。

私は、薬剤師の資格や経験を活かせるような異業種への転職をすることで、今までのストレスから解放されて能力を発揮されている方を数々見てきました。

本記事を通して皆さんにとってどのような選択がベストなのかを見つけていただければ嬉しいです。

のりすのりす

本記事でご自身の自己分析をしていき、最適なキャリア形成を目指していきましょう。
場合によっては異業種への転職へチャレンジしてみるのもありだと思いますよ!

薬剤師にならなきゃよかったと感じる理由と対処法

薬剤師にならなきゃよかったと感じる理由と対処法

薬剤師にならなきゃよかったと感じる場面は人によって様々です。

これからどのように対処していくのかを考える第一歩は、なぜ皆さんが薬剤師にならなきゃよかったと感じているのかを理解するところから始める必要があります。

のりすのりす

薬剤師になったことを後悔したと感じることが多い理由をピックアップしているので、どれに一番近いかを考えてみましょう!

理由①:昇給率があまり良くない

薬剤師の昇給率については、不満に思っている方が多い印象があります。

ただ、薬局や病院の売上・利益は調剤報酬や薬価に左右されることから国の医療費削減政策の影響をとても大きく受けてしまいます。

近年の日本では少子高齢化に歯止めがかからず医療費がひっ迫していることから、薬価の引き下げもひどい状況になっていますよね?

つまり、薬剤師の昇給率が上がるかどうかは調剤報酬や薬価が上がる要因(少子高齢化の改善など…)が今後あるかどうかが鍵となってくるわけです。

皆さんが今後、調剤報酬や薬価が上がると思えば薬剤師→薬剤師への転職でも良いかと思いますが、私としてはかなり厳しいのではないかと思っています。

のりすのりす

薬剤師の給与体系と製薬系の企業の給与体系の違いなどの詳しいお話は【給料が上がらない時の対策】薬剤師としての賢い立ち回りをご紹介!で解説をしています。

おすすめの対処法

昇給率を上げることを上げるという意味では製薬関連の異業種へのキャリアチェンジがおすすめです。
また、薬剤師→薬剤師への転職であれば、ドラッグストアへの転職が第一選択となるでしょう。

理由②:職場での人間関係のストレス

職場によっては上司や先輩薬剤師の力が強く、パワハラ・セクハラまがいな発言や行動などで悩まされている方もいることでしょう。

我慢をし続けてしまうと精神的にも負荷が大きいため、なるべく早めの対処が重要です。

とはいえ、状況によっては上司や先輩からの報復が怖くて我慢せざるを得ないという方もいるかもしれません。

この理由の場合は、職場環境が変化すれば改善する可能性もあるため、「どの職場でも発生しそうな人間関係のストレスなのか、それとも他の職場では発生しない確率があるのか」をしっかりと考えたうえで対処することが重要でしょう。

おすすめの対処法

この理由で転職を考えている方は、異業種への転職ではなく「病院⇔調剤薬局⇔ドラッグストア」など、働く環境を変えることで状況が改善する場合も多いです。
異業種への転職は選択肢の1つ程度に考えつつ、薬剤師として働く環境を変えることを検討することをおすすめします。

理由③:患者対応

患者さんには本当に色々な方がいるので、患者さんの対応に疲弊してしまうと薬剤師にならなきゃよかったと感じることもありますよね。

自分が患者さんからの理不尽なクレームに悩まされるのもそうですが、自分のミスで同僚が怒鳴られてしまったり、患者さんの家に謝りに行ったり…ということを経験してしまうと更に精神的な負担は大きいことでしょう。

薬剤師である以上、患者さんとの接点はどうしても発生してしまうため、患者対応が理由である場合にはキャリアチェンジをしてみると心機一転ができますよ!

おすすめの対処法

患者対応が原因の場合は、異業種への転職も視野に入れることをおすすめします。
異業種では患者対応が無い職種も多くあるため、患者対応のストレスからは解放されるはずです。

理由④:仕事内容が合わない

薬剤師として数年働いてみると、働く前では見えてこなかった色々な見えてくることがあります。

例えば、「ミスが多くて自分は薬剤師に向いていないのでは…?」と感じてしまうことも。

その他、実際に薬剤師として働いているうちに「もっと患者さんのためにできることはないどうか」と考えて医薬品開発のキャリアを目指す方もいたりします。

いずれにせよ、仕事内容が合わないと感じながらも仕事を続けていても、正直モチベーションが上がりにくいので仕事をすることでの充実感を得られる機会が減ってしまいますので、思い切ってキャリアチェンジを目指してみるのも良いでしょう。

おすすめの対処法

仕事内容が合わないと思った時には思い切ってキャリアチェンジを考えてみるのもおすすめです。
薬剤師としての知識や経験を活かすことができる職種にキャリアチェンジすることで、後ろめたさの軽減にもなります。

理由⑤:ワークライフバランス

薬剤師として働き始めてから色々なライフイベントの変化がある方もいるため、生活のリズムが合わないと感じる方も多いです。

当直があったり土日祝日休みではない場合、友達や家族とのスケジュールを合わせることが難しくなってしまったりということも。

どこまでのワークライフバランスを求めるかにもよりますが、例えば製薬系の臨床開発職などは在宅勤務やフレックスタイム制、そして有給休暇の取得のしやすさが抜群に良いため、ワークライフバランスという意味では最もおすすめのキャリアチェンジです。

おすすめの対処法

製薬系の職業への転職がおすすめです(CROなど)。
薬剤師からの転職の場合、CRA(臨床開発モニター)の募集が比較的多めですが、CRAは外勤が多い点など注意すべき点がいくつかあるので、キャリアチェンジするかは総合的に判断すると良いでしょう。

薬剤師の転職先とそのメリット・デメリット

薬剤師の転職先とそのメリット・デメリット

薬剤師にならなければ良かったと後悔している方の場合、そのまま無理をして続けていくよりも転職をしてしまう方が手っ取り早く問題が解決する可能性が高いです。

今みなさんが辞めたいと思っている理由が整理できたら次は転職をすることでのメリットやデメリットと照らし合わせながら考えていきましょう。

病院薬剤師としてのキャリア

メリット

病院薬剤師へ転職するメリット
多様な症例の経験が積める。
やりがいを感じやすい。
治験などの最先端の医療に関われる機会がある。
長く務めると昇給率が上がる。

調剤薬局やドラッグストアの薬剤師として働く中で、薬剤師としてのやりがいを更に求めたい方には多様な症例の経験が積める病院薬剤師がおすすめです。

病院薬剤師の場合、チーム医療への参加機会や治験に関われる機会もあるため、やりがいという観点からは調剤薬局やドラッグストアの薬剤師よりも高い傾向にあります。

やりがいのベクトルが、「薬剤師として」ではない場合は、企業への転職も視野に入れることをおすすめします。

デメリット

病院薬剤師へ転職するデメリット
当直がある。
看護師等とのコミュニケーションが負荷になることも。
初期の給料が低い傾向にある。

病院薬剤師では、当直があったり看護師等の医療スタッフとのコミュニケーションが精神的な負荷になる場合があります。

また、経験が浅いうちは給料が低い傾向であることから最初のうちはある程度の我慢が必要となってきます。

調剤薬局でのキャリア

メリット

調剤薬局に転職するメリット
管理薬剤師などにキャリアを広げられる。
残業が少ない店舗もある。
家の近くの勤務先を選べることもある。

調剤薬局で働く場合、キャリアアップとして管理薬剤師を目指す方もいるかと思います。

一般の薬剤師の平均年収が450万円付近であるのに対して、管理薬剤師は平均年収が700万円を超えてくるため年収面での安定も見込めます。

また、残業が少ない店舗や家の近くの店舗に勤務することも可能であるためワークライフバランスを整えやすいというメリットもあります。

のりすのりす

ただし、年収や福利厚生などの条件を妥協せざるを得ない時もあるのですけどね…

デメリット

調剤薬局に転職するデメリット
給料が上がりにくい。
売上やコスト管理に関するプレッシャーがある。
人手不足の影響を受けやすい。

調剤薬局の薬剤師の場合は、調剤報酬や薬価の影響を大きく受けるので現在の状況ではやはり給料が上がりにくいというデメリットがあります。

大きな年収アップを見込むためには、管理薬剤師等へのキャリアアップをするか転職時に年収交渉をするかというケースになるでしょう。

また、売上やコスト管理が厳しくなると人手不足の状況で仕事を回さなければいけなくなるため、店舗によっては残業が多くなってしまうところもあります。

ドラッグストアでのキャリア

メリット

ドラッグストアに転職するメリット
給料が高い傾向。
マーケティングや販売促進などのスキルを身に付けることができる。
希望する勤務地や勤務時間を選べることも。

大規模なドラッグストアの場合、昇給やボーナスの制度が整っていることが多く年収が高い点が魅力的なポイントです。

また、希望する勤務地や勤務時間を選べることも多く、ある程度の年収を貰いつつワークライフバンスを保てるという大きなメリットがあります。

デメリット

ドラッグストアに転職するデメリット
調剤の経験やスキルを積みにくい。
固定休が取りにくいこともある。
24時間営業の場合、22時過ぎのシフトもある。
調剤以外の雑務が発生する。

ドラッグストアの薬剤師は、病院薬剤師等と比較すると有給休暇が取りやすい傾向にあるものの、24時間営業の店舗の場合は22時過ぎなどの遅い時間にシフトに入らなければいけないこともあります。

その他、調剤以外の雑務もこなす必要があるため相対的に調剤の経験やスキルを積みにくい環境になってしまっている点が大きなデメリットと言えるでしょう。

製薬関連企業へのキャリアチェンジ

製薬関連企業の職種は多岐に渡り、それぞれの職種ごとにメリットやデメリットは異なりますが、ここでは薬剤師からの転職者が多いCRA職(臨床開発モニター職)を例にとってお話をします。

メリット

製薬関連企業へ転職するメリット
経験を積むことで薬剤師の生涯年収を上回ることも。
キャリア形成の幅が広がる。
働き方の自由度が高い。
患者対応に悩まされることが無くなる。

製薬関連の職種(特にCRA職)に転職をした場合、その後のキャリアの幅が薬剤師の時よりも広がってきます。

例えば、薬剤師からいきなり製薬会社の臨床開発職などに転職することはほぼ不可能なのですが、薬剤師から一度CROという会社に転職をしてそこで業務経験を積めば、将来的に製薬会社の臨床開発職へのキャリアチェンジも可能となってくるのです。

その他、リモートワークやフレックスタイム制度や有給休暇の取得がとてもしやすい会社が多いため、ワークライフバランスが大きく改善することが期待出来ます。

のりすのりす

私も薬剤師からキャリアチェンジを繰り返して製薬会社の臨床開発職になった方を何人か知っていますよ!

デメリット

製薬関連企業へ転職するデメリット
転職直後は一時的に年収が下がることが多い。
患者さんとの関りが無くなる。
薬剤師免許が必ずしも必要であるわけではない。
家族からの反対される可能性がある。

製薬関連企業へ転職する場合は、未経験枠での採用になるため年収が一時的に下がることが多いです。

ただ、製薬関連企業は昇給率が高めな会社が多いため、35歳までに転職をすれば将来的には同年代の薬剤師の年収を追い抜くパターンも多くあります。

その他、薬剤師としての仕事から離れることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、本業はCRAをしながら土日などでパートで薬剤師を続ける方もいるので、実は薬剤師免許を無駄にしない方法はいくらでもあったりします。

のりすのりす

大手製薬メーカーは平均年収が1,000万円を超えている会社もそれなりにあるので、将来的な高収入を目指す場合にはやはりキャリアチェンジをする方が近道かと思います。

転職後に後悔しないためにすべきこと

転職後に後悔しないためにすべきこと

色々と考えて転職を決意したら、次にその転職が無駄にならないように準備をすることや転職してからの心構えも重要になってきます。

せっかく大きな決断をして転職したからには後悔はしたくないですよね?

そこで、転職後に後悔しないためのポイントを少しご紹介していきます。

転職エージェントを利用する

転職をする時には先方との年収交渉などをする必要がありますが、自分で先方と年収交渉をすると不信感を持たれてしまい失敗してしまうこともあります。

そのような時にはやはり転職エージェントに間に入ってもらって年収交渉をしてもらう方が無難です。

年収交渉以外の場面でも、転職エージェントは非公開求人の情報を持っていたり、内定の基準などを企業の人事担当者から聞いていたりするため情報量に圧倒的な差があります。

転職エージェントといっても色々あるわけですが、よく分からない場合は、ファルマスタッフのように大手で情報量が多い転職エージェントに登録をしておけばとりあえずは無難です。

のりすのりす

少し利用してみてちょっと違うなと感じたら転職エージェントを変えて皆さんに一番フィットする転職エージェントを探してみるのが転職成功の鍵になります。

定期的な情報収集

XなどのSNS上には色々な情報が発信されているため、将来的なキャリアアップや転職をする際の情報収集に役立ちます。

気が向いた時だけでも日頃から情報収集をしておくと、転職をする際の参考になったりもするため、登録だけでもしておくことをおすすめします。

また、私はSNS以外にも転職エージェントに登録しており常に情報収集をしていますよ!

のりすのりす

例えば、気になる求人があった時に今の自分では能力的に足りない場合であっても、どのようなスキルや経験を伸ばしていけば良いのかが分かるため目標立てに非常に役立ちます。

自己研磨と継続的な学習

転職をしたばかりに考えたくはないと思いますが、実際に働いてみたら想定とは違うことが起こってしまい転職を余儀なくされることも有り得ます。

そのため、万が一のことが起きてもすぐに転職できる体制を整えておくことで精神的な安定にも繋がります。

のりすのりす

体制を整えていると、万が一のことが起きても「私には転職という手がある!」と精神的に追い詰められずに済みます。

例えば、TOEICの勉強をしてスコアを取っておけば、薬剤師以外にキャリアチェンジしたくなった時に転職に有利になることもあるでしょう。

目安としては700点以上のスコアを持っていれば選択肢の幅がグッと広がってきます。

まとめ

今回は、薬剤師にならなきゃよかったと後悔している方向けにその理由と対策についてお話をしていきました。

後悔するレベルにまでなってしまっている場合、大抵は転職をする方が状況が改善することが多いのですが、転職をするとしてもしっかりと自己分析をしておかないとまた同じ状況に陥ってしまいます。

将来的に自分は何をやりたいのか、どのような働き方をしたいのかをじっくり考えてみて最善の選択をしてみて下さいね!