【22卒版_臨床開発職】シミックの強みとは?企業研究をしたのでご紹介

企業研究記事第1弾、2弾とやってきていよいよ第3弾になります。

第3弾は、内資CRO最大手であるシミックについての企業研究記事になります。

内資最大手ということもあり、色々な特徴を持っているCROですが、その中でも特にCRA(臨床開発職)に特化した内容で企業研究を進めてみました。

ここでピックアップされている以外の強みもあるかと思いますが、全てを記載すると1つの記事では書ききれないため、ここでは特に私が注目するポイントに絞ってお話をしていきたいと思います。

シミックの会社概要

シミックの会社概要

では、いつも通りまずはシミックの会社概要から見ていきましょう。

会社名 シミック株式会社 CMIC Co., Ltd.
本社所在地 〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング
設立 2012年1月4日
代表者 代表取締役社長執行役員 藤枝 徹
事業内容 ・薬事コンサルティング
・メディカルライティング
・モニタリング
・データマネジメント
・eClinical Trials 関連(EDC)
・統計解析
・メディカルライティング
・症例登録
・品質管理
・プロジェクトマネジメント
・監査・信頼性保証
・ファーマコヴィジランス
・臨床薬理試験
・ICCC(治験国内管理人)
・専門職人材(無期雇用労働者)派遣
・臨床試験総合システム「Forum PLUSR」
親会社 シミックホールディングス(東証一部上場)

会社概要|シミック株式会社より抜粋

▼2022年卒のときのデータです

募集職種 臨床開発総合職(臨床開発モニター、データマネジメント、統計解析、安全性情報)
募集対象 理系大学院生、理系学部生、文系大学院生、文系学部生
募集人数 101~200名程度
募集学部・学科 全学部・全学科
基本給 【2020年4月実績】
学部卒 :月額給与230,000円
6年制学部・修士了:月額給与250,000円
※時間外勤務手当別途支給
諸手当 通勤手当、時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当等
昇給 年1回(1月)
賞与 年2回(6月・12月)
休日休暇 完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始休暇、リフレッシュ休暇、慶弔休暇、育児・介護休業、年次有給休暇
待遇・福利厚生・社内制度 各種社会保険完備、出産・育児に関する制度(勤務時間短縮等)、フレックスタイム、福利厚生各種(保養施設等)、従業員持株会、財形貯蓄、退職金制度、産業医によるカウンセリング制度、生保・損保団体取扱、その他

※シミック(株)は無料のE-learningコンテンツやレジャー特典満載の「えらべる倶楽部」を導入。

勤務地 ・東京本社:浜松町ビルディング
・SGスクエア
・浜離宮ザ・タワー
・名古屋支社:協和丸の内ビル
・大阪支社:中之島セントラルタワー
・九州支社:福岡朝日会館
・九州サテライト:天神ビル新館
勤務時間 フレックスタイム制
(コアタイム11:00~15:00 標準労働時間7.5時間 休憩1時間)
※ただし入社半年経過後
過去の新卒採用者数 2020年:女性(154名)、男性(90名)
2019年:女性(143名)、男性(62名)
2018年:女性(127名)、男性(75名)

シミック(株)|マイナビ2023より抜粋

ではでは、こちらもいつも通り概要の中の注目ポイントを1つずつ見ていきましょう。

国内最大手のCRO

第1弾、第2弾の企業研究の記事でも売上高については触れているので、あえて言うまでも無いのですが、この記事から見ている方もいるかと思うので、復習の意味も兼ねて見ていきます。

国内大手3社と比較するために、事業規模を推測するのに役立つ売上高を並べてみました。

データはエイツーヘルスケアの売上高について2018年度分しか発見が出来なかったので、2018年度で比べています。

順位の傾向は2021年の現在もさほど変わりません。

シミック:372億円
EPS:288億円
A2:115億円

※シミック、イーピーエスはCRO部門の売上を記載しています。
※エイツーヘルケアのデータは、マイナビに記載されているデータを参照しました。
※シミック、EPSについては、決算説明資料から情報を抜粋しています。

2位のEPSに84億円の差を付けて堂々の1位に君臨していることが分かるかと思います。

シミックグループは、1992年に日本で初めてCRO事業を開始しており、リーディングカンパニーとしての地位を確立してきた企業です。

CRA(臨床開発職)目線で注目すべきポイントは後述していきますので、まずはここでは、シミックは国内最大手のCROなんだなぁというイメージを持ってもらえばOKです。

2020年度までの成長率は堅調

企業の本業での成長率を把握するのに必要な営業利益について見ていきましょう。

こちらも第一弾、第二弾の記事を見ていただいた方にとっては同じ資料になりますが、再度説明をしておきます。

会社名 2018年度 2019年度 2020年度
シミック
66億円(+13.8%)
68億円(+3.7%) 50億円(-23.7%)
EPS
63億円(+0.2%)
50億円(-20.6%) 42.9億円(-10%)
CACクロア 6.9億円(+6.3%) -2.7億円(-%) NA
新日本科学PPD 5.3億円(-44.8%) 10.2億円(+75.8%) 9.7億円(-4.9%)

※それぞれCRO事業の業績のみを記載しています。
※新日本科学については、営業利益が分からなかったため、経常利益を記載しています。そのため参考値と考えてください。

2020年度決算は、もろにコロナの影響を受けて全体的に軟調な印象です。

シミックに関しては、2021年度の目標値は営業利益55億円でしたので、予定通りに行けば、また息を吹き返してくるということでしょうね。

2020年度以降の成長予測は?

シミックの決算は9月なので、2021年度の予測値は2020年の11月に出ています。

ということで、まずは2021年度の予測値を見てみましょう。

シミック_2021年9月期 通期見通し

2020年9月期 決算概要|シミックホールディングスより抜粋

「2021/9見通し」の営業利益の部分に記載されている5,550百万円(55億円)というのが、2021年度の営業利益の予測値になります。

2020年度からの増減率は+9.9%なので、2021年度はコロナの影響がありつつも堅調に持ち直していくだろうと予測していることが分かりるかと思います。

そこで、次に本記事を執筆している時点での最新の決算(2021年9月期第2四半期)の資料を見てみましょう。

 

シミック_2021年9月期第2四半期進捗

2021年9月期 第2四半期決算説明会資料|シミックホールディングスより抜粋

2020年11月に想定していた2021年度の営業利益では、前年度比+9.9%と順調に回復していくだろうとの予測でしたが、2021年上期の実績では、前年度比-4.0%と進捗率は悪い状況でした。

その理由としては、売上高について「新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、前期における臨床業務の受注が低調であったこと」とされていました。

私の視点から見ても、医薬品開発全体を見れば、2020年に初めて緊急事態宣言が発出された辺りから比べると随分と開発は再開されている印象ですが、2021年7月にも4回目の緊急事態宣言が発出されるなど、コロナの影響は想像以上に長引いており、それがシミックの決算にも影響を及ぼしていることが分かります。

ただ、2020年上期の営業利益の下落要因として挙げられていた以下の3点については、コロナとは別物であり、未だ解決されたものではないため、シミック(あるいは、内資系CRO全体)の状況を考慮する上では外せないポイントなので、引き続き押さえていく必要があるでしょう。

2020年上期の下落要因
新薬開発難易度の上昇/臨床試験の小型化
日本における国際共同治験の増加
大型臨床開発案件の終了

これらについての考察は非常に重要なので、それぞれの項目について、1つずつご紹介をしていきます。

新薬開発難易度の上昇/臨床試験の小型化

新薬の開発難易度の上昇というのは具体的には、バイオ医薬品や再生医療等製品などの開発が増えてきたということを指しているものと思われます。

イーピーエスでは、このように開発難易度が上昇している背景があり今後もそのニーズは拡大すると考えて、再生医療等製品開発支援サービスを展開していましたね。

そのような背景を考えると、やはり今後はバイオ医薬品や再生医療等製品の案件も受託できるだけの体制が必要そうだということが分かります。

シミックについても、モニタリング業務を含め再生医療等製品の開発実績があり、今後のトレンドに置いて行かれるといったことは無さそうでした。

また、今回は新型コロナウイルスの影響で、多くの治験が途中で中止になる事態が発生しました。

シミックレベルとなれば、受託している案件数も多くあるはずですので、治験が中止となってしまった案件もその分多くあり、営業利益減少に影響してしまったものと考えられます。

こればかりは、災害でどうしようも無いかと思います。

ただ、今後も同じようなパンデミックなどが起こる可能性もあります。

そのため、遠隔医療を取り入れた治験の実績を積もうとしているCROがあれば個人的には注目できるのになと考えていました。

みなさんはどう思いますか?

シミックは…実はそんなところにも手を広げていたみたいですよ。

オンライン診療等の医療機関向けアプリケーション事業や医療データをAI等で解析・活用する事業を展開している株式会社MICIN(マイシン)と「オンライン診療を活用した臨床試験の実施」というテーマでウェビナー(Web+セミナー)を2020年の6月に開催していました。

オンライン診療と臨床試験

最新情報|株式会社MICINより抜粋

オンライン診療を治験に取り入れることで、上記のようなメリットがあるよという資料になります。

もしかすると、就活生のみなさんはイメージしにくいかもしれませんが、ここに記載されている内容はパンデミックが起きた際に被験者さんの来院の機会を減らせる可能性があるものばかりです。

中でも私は特に「治験薬の配送」という項目に着目しました。

今回、新型コロナウイルスの感染拡大がありましたが、治験の現場では、被験者さんが来院を拒否する場面がちらほらありました。

それはそうですよね、病院に行くというだけでリスクがあるので、不要な通院はしたくないと思うのは当然かと思います。

でも、治験薬が無くなってしまったら治験薬を処方してもらうためにどうしても医療機関に行かなければいけません。

そんなときに、「リスクをおかすくらいなら治験は辞退で良いや…」と被験者さんが考え、治験を辞退してしまい、貴重な1例が中止となってしまうことが実際にありました。

治験のデザインによっては、絶対に来院しないといけない試験もあるかとは思いますが、オンライン診療が普及して、リスクをおかしての来院をしなくて良くなるのであれば、治験を辞退する被験者さんも減るのかもしれないですよね。

日本における国際共同治験の増加

「日本における国際共同治験の増加」だけだと少々分かりにくいかと思いますが、要するに外資のCROが勢力を伸ばしてきているよということです。

これは、2019年度のイーピーエスの営業利益の下落要因でも触れられていたので、大手2社が同じ見解ということはほぼ間違いないと考えて良いでしょう。

ちなみに、国際共同治験がどれだけ増えているかはこちらのグラフを見ると、とてもよく分かります。

国際共同治験の届出件数

平成30年度の時点で国際共同治験の届出件数が実に50%に上っています。

半分以上が国際共同治験という現状を考えれば、外資系CROが勢力を伸ばしているのも頷けますよね。

外資系製薬メーカーの場合、同じく外資のCROであるIQVIAやPAREXELあたりとプリファードベンダーというお得意様契約みたいなものを結んでいる場合があり、優先的に外資CROに案件が流れるなど、内資CROにとっては厳しい環境にあるのは確かです。

外資系CROに負けないための対応策として具体的にどのようなことに取り組んでいるのかは気になるところかと思います。

CROを見ていくときには、「外資系CROに対抗するだけの対応策を持っているか?」という視点で考えてみるというのも1つの手ではないでしょうか?

”日本における国際共同治験の増加に伴い、外資系CROが勢力を伸ばしてきている⇒そのため、内資系CROはそれに対抗するための対応策が必要である⇒御社の●●●は〇〇〇〇という観点からまさに外資系CROにも負けない武器であると感じている”なんて語れたらカッコいいかもしれません。

大型臨床開発案件の終了

これは一過的なものであるため、あまり気にし過ぎないでも良いかと思います。

ですが、どういう状況なのかは知っておいても良いかと思うので簡単に説明していきましょう。

ある大型案件があったとしましょう。

その案件にはCRAが30人、チームに配属されているとします。

その大型案件の終了の目途が立つと、業務量も減ってくるので、30人いるCRAを徐々にチームから外して新しいプロジェクトにアサインしていきます。

時期 大型案件 PJ 1 PJ 2 PJ 3
1月 30人 0人 0人 0人
2月 25人 5人 0人 0人
3月 20人 5人 5人 0人
4月 10人 5人 5人 10人
5月 5人 7人 7人 11人
6月 0人 7人 9人 14人

この例では、1月時点で大型案件に30人のCRAがいましたが、6月に終了という目途が経ったら、PJ-1の案件獲得を目指し、無事案件を獲得出来たらそのプロジェクトに大型案件からCRAを移動、次にPJ-2の案件の獲得を目指して…というようなイメージでCRAを配置していきます。

そうすれば、6月に大型案件が終了となりますが、CRAは無事他のプロジェクトにアサインされている状態になります。このことを”CRAの稼働率が高い状態”と言います。

ここで少し考えてみてください。

大型案件が6月に終わりそうだという目途がたっているにも関わらずPJ-1、PJ-2、PJ-3の案件を獲得できなかったらCRAはどうなると思いますか?

6月になってもプロジェクトに配属されず、PJ-1、PJ-2、PJ-3の案件を獲得できるまで待機することになります。この状態を”CRAの稼働率が悪い”と言います。

CRAにはプロジェクトにアサインされていないとしても給料は支払わなければいけませんので、ひたすら人件費のみかかってしまっている状態となります。

シミックは、この”CRAの稼働率が悪い”という状態になってしまったことにより営業利益の減少に繋がったと説明をしています。

難しいことばで言うと「リソースマネジメントがうまくいかなかった」という表現になるのですが、これは”CRAの稼働率が悪かった”ということを意味しています。

ここで考えるべきは、何故CRAの稼働率が悪くなってしまったのかです。

案件を取ってくる営業が悪い?(だとしたら営業の強化が必要ですよね)、それとも外資CROに案件を奪われてしまって案件をうまく受託できなかった?(だとしたら、外資CRO対策はどうするかが必要ですよね)、はたまた、大型案件が炎上してしまいなかなかCRAのメンバーを減らすことが出来なかった?(だとしたら、チームマネジメントの問題の解決が必要ですよね)という疑問が浮かんできます。

この件に関しては、後程紹介するQAにその答えが載っていますが、他の事に関してもこのようなステップで疑問点を洗い出して解決していくと良いかと思います。

Level.1:シミックや業界の現状を知っているか
Level.2:問題点についてどのように取り組んでいるかを知っているか
Level.3:その取り組みについて賛同できるか。更に何故賛同できるかを説明できるか

Level.3まで到達できれば、他の就活生とは差別化できる程の質の良い回答が面接などで出来るかと思います。

もちろん難易度はかなり高いのですが…

決算電話会議でのQA

決算発表(電話会議)では、決算に対しての質問事項が何点か上がっていました。

CRO事業に関連し目を通しておいた方が良いものをピックアップしてみました。

Q. 稼働率が低下したのは、案件の小型化によるものか。今後稼働率を上げることは可能か。

A. 案件の小型化による影響がある。市販後試験や臨床研究のニーズが高いため、今後はそれらのプロジェクトを通じて稼働率を上げていく。

2020 年 9 月期 第 1 四半期決算電話会議|シミックホールディングス株式会社より抜粋

CRAの稼働率の低下については、案件の小型化による影響があるとのことです。

小型の案件の場合、CRAの入れ替えが短期スパンでおこなわれることになりますので、次から次へと案件を受託する必要が出てきます。

大型の案件であれば、多くのリソース(CRA)を必要とする分、CRAの入れ替えについても比較的長期スパンで計画を立てやすいことが想定されますが、小型案件の場合はそのあたりが厳しいということになります。

Aで回答されている市販後試験や臨床研究についても一般的には小型な案件になります。

つまり、今後も案件の小型化は継続するだろうと推測されており、案件の小型化に対応するのであれば、小型案件を絶やさず受注できる体制を構築しようというのが意図なのかと思います。

これはQAからの私の推測ではありますが、そのシミックのスタンスについてどう思うか(共感できるか)は就活生のみなさん次第です。

Q. ポストコロナで、CRO事業及びCS 事業に与える変化はあるか。

A. CROでは、デジタル化が進行すると予想している。日本では遠隔診療を行うには障壁があったため、欧米では実施されているバーチャル治験の導入が難しかったが、これを機に進展が見込まれる。CSOでは、ITを活用した効率的なMR活動が進むとともに、メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)のように専門的な情報提供も拡がることが見込まれる。

2020 年 9 月期 第 2 四半期決算電話会議 Q&A|シミックホールディングス株式会社より抜粋

このQAからは、シミックとしての考えが伺えますね。

シミックとしては今後、バーチャル治験の進展が見込まれると予測しているようですね。

これは、シミックの治験業界の今後に対する考え方なので、もちろんしっかりと押さえておくべきポインです。

みなさんは治験の業界では今後デジタル化が進んでいくと思いますか?

この問いについては就活生の段階で正確な回答することは非常に難しいかと思います。

私個人の考えとしては、正確な回答をする必要はなく、今後の治験のバーチャル化についてどう考え、その結果からシミックの取り組みついて賛同できるかを考えてみることが出来れば良いのかなと思っています。(もちろん、これをするのも難しいとは思いますが…)

バーチャル治験についても記事があった方が良さそうので、需要があれば記事を書いてみたいと思っています。

Q. CRO の事業環境について、開発案件の小型化や価格競争の状況、業界再編の可能性など、見解をききたい。

A.CRO 業界は、コロナ感染症拡大による臨床試験の中止や延期により、一時供給過剰の状態もあった。現状、案件が再開されつつあるが、今後は人材教育や経験を含め、特徴がない CRO は生き残りが難しく、業界再編の可能性もあるだろう。マーケットアクセスをいかに早くできるか、医薬品の価値を最大化できるかという観点で開発全体を考えると、CRO にも一定の規模が必要になると考えられる。シミックとしては、単に人数を増やすための買収をするつもりはなく、文化・ノウハウ・人財の面でシナジーが出る場合に検討していく。

2021 年 9 月期 第 4四半期決算WEB会議 Q&A|シミックホールディングス株式会社より抜粋

こちらのQ&Aでは、CRO業界の今後についての見解が述べられていました。

私が考察する内容とも一致しており、こちらのQ&Aで述べられているように、今後はある一定のサービスのみ提供をするCROの生き残りは難しく、トータルでのサービスが提供できるCROが生き残っていくだろうと考えています。

それまでの間は、機能をお互いに補う形でCRO同士での合併がしばらく続くだろうと予測しています。

シミックに関しては、CROが提供できるサービスを網羅していることから、その必要性は他CROと比較すると少ないものと思われますが、規模感を拡大するという意味では、どこかのCROを買収することも考えられるのではないかと思っています。

シミックの注目すべき特徴・強みとは?

シミックの注目すべき特徴・強みとは?

ここからは、シミックの注目すべき特徴や強みついて触れていきたいと思います。

シミックは最大手のCROであるため、取り組んでいることは色々とあるのですが、いくつかピックアップをして解説付きで紹介をしていきます。

シミック独自の事業モデルPVC

シミック最大の特徴と言っても過言ではない、PVCという事業モデルについて見ていきましょう。

PVC(Pharmaceutical Value Creator)とは、医薬品が誕生して上市されまでのほぼ全ての過程において製薬企業をフルサポートするという事業モデルでシミックが大切にしている事業モデルになります。

具体的に見ていきましょう。

シミックのPVCモデルについて

シミックのPVC事業

2019年9月期 決算概要|シミックホールディングスより抜粋

製薬企業が薬の候補となる化合物を見つけてから、それを上市させるまでには多くの課程があります。

シミックのPVC事業モデルでは、その多くの課程に対してCSO事業、ヘルスケア事業、CDMO事業、IPM事業そしてCRO事業によって支援することが可能となっており、製薬メーカーからの幅広い要望に応えることができる体制が構築されています。

このシミックのPVC事業モデルで個人的に凄いなと感じたのは、ただ単に製薬メーカーからの幅広い要望に応えるだけに留まらないところです。

というのも、CSO事業やヘルスケア事業などのそれぞれの事業を見てみると、実は治験にも活用できるような技術の開発が進んでおり、大きなシナジーを生み出す可能性を私は感じました。

具体的には、ヘルスケア事業で開発が進んでいる電子お薬手帳harmoについて特に着目をしているのですが、詳しいことは後述していきます。

シミック独自の事業モデルであるPVCについては、シミックを受けるのであればしっかりと押させておきたいところですが、ここで考えておくべきポイントには以下のようなものがあるかと思います。

PVCモデルで製薬メーカーからの幅広いニーズに応えられそうだけど、具体的にはどういうニーズがありどのように応えることができるのか。また、それについてあなたはどう思うのか。
幅広い製薬メーカーからのニーズに応えるということについては、EPSやA2でも同じだけど、それらとシミックのPVCモデルはどのように違うのか。またその魅力は何か。

1つ目のポイントについては、製薬メーカーからのニーズという部分で、大手の製薬メーカーのニーズと中堅やベンチャーの製薬メーカーのCROに対する要望は違うというところをしっかりと抑えていれば自ずと答えは出てくるかと思います。

大手の製薬メーカーの場合、色々な部署があり上市までのいくつかの課程では自社で対応できる会社が多く、CROへの依頼もスポット(モニタリングだけの注文など)でのニーズがある場合がありますが、中堅やベンチャー企業の場合、自社で抱えている部署も限りがあるので、モニタリング以降の課程は一括で任せたいというようなパッケージでの注文のニーズがあったりもします。

そういう意味でPVCモデルでは、大手~ベンチャーまでの幅広いメーカーのニーズに応えることができるということです。

2つ目のポイントは、PVCモデルでカバーしている範囲に着目すると良いかと思います。

EPSやA2でも、メーカーからの様々なニーズに応えるため、色々な対応を取っていますが、シミックのPVC事業はイメージとしてはその枠よりもやや広めにカバーしている感じになります。

例えば、ヘルスケア部門を例にとってみると、その取り組みは一見、医薬品を開発する過程では直接的には関係が無いように見えますが、よくよく見てみると実は治験をするうえで効率化を実現できるような取り組みがされていたりもします。

それは、本来のニーズから一歩先に踏み込んでいると捉えることもできるのですが、このあたりについて皆さんがどう思うのかを考えてアウトプットしてみるのも良いかと感じました。

ちなみにですが、PVCモデルの先には”個々人のヘルスバリュー向上のためのパートナー(Personal Health Value Creator:PHVC)という最終目標を掲げており、その目標はもはやCROの枠を越えたものであり、イメージ的には製薬メーカーなどが目指しているものに近い印象を受けました。

シミック_PHCV

harmo Lab長 石島が語る。「harmoの目指す世界、harmoのメンバー」|シミックホールディングス株式会社より抜粋

多くのCROは、この図で言うところPVCを目標としているところ、シミックはその一歩先であるPHVCを目指して事業展開をしているということですね!

電子お薬手帳を基盤とした医療連携システムharmo

harmoは、2014年に開発された電子お薬手帳を基盤とした医療情報連携システムです。 harmo単体でも約40万人の利用者がおり、当初よりも一般の方々にもかなり普及が進んできている印象を受けます。 また、このharmoの凄いところは、ただの電子お薬手帳に留まらず、患者さんの服薬情報を医療関係者間で共用できるようなシステムとなっており、服用している薬剤の安全対策措置に関わる緊急安全性情報・安全性速報を登録しているスマートフォンに通知する等、一歩進んだサービスを提供しているところです。

harmoは、2014年に開発された電子お薬手帳を基盤とした医療情報連携システムです。

harmo単体でも約40万人の利用者がおり、当初よりも一般の方々にもかなり普及が進んできている印象を受けます。

また、このharmoの凄いところは、ただの電子お薬手帳に留まらず、患者さんの服薬情報を医療関係者間で共用できるようなシステムとなっており、服用している薬剤の安全対策措置に関わる緊急安全性情報・安全性速報を登録しているスマートフォンに通知する等、一歩進んだサービスを提供しているところです。

シミック_電子お薬手帳harmoの仕組み

トップページ|harmoより抜粋

harmoはCRO事業ではなく、ヘルスケア事業で開発されているものなので直接的には関係は無いのですが、個人的には治験の場でも応用できる可能性を秘めていることから注目をしています。

少し説明をしていきましょう。

まず、治験では、一般的に被験者から得られた情報はEDC(Electronic Data Capture)という電子システムに集積されていきます。

CRAは、治験実施医療機関に訪問をして治験のデータが記載されている資料(カルテや各種検査結果報告書など)の内容がしっかりとEDCに入力されているかを確認します。

つまり、照合・確認作業みたいなことをしますが、これをSDV(Source Document Verification)と呼びます。

CRAは医療機関でSDVをわけですが、そのときに照合・確認する治験のデータの内容には以下のような項目があります。(就活生のために表現はあえて簡易的にしています)

治験に入れる条件であるか(適格性と言います)
合併症や既往歴
併用薬
治験中に起きた副作用等の情報
治験薬の服薬状況

他にも色々とあるのですが、とりあえず上記の項目で考えていきます。

対象とする疾患などによって様子は違ってきますが、適格性や併用薬情報そして副作用の情報はCRAが確認するのに比較的苦労することが多い項目になります。

そして、これらのうち、併用薬の情報についてはharmoを活用することができればCRAやCRCの負担を大きく削減することが出来るのではないかと思っています。

harmoを活用した治験の効率化

現状として、併用薬については各課程において手入力で対応しなければいけないことが多く、そのため誤記や入力漏れが発生しやすい項目でもあります。

そこで、harmoのように電子媒体で併用薬情報が蓄積されている媒体から、直接EDCに情報を反映できるようになれば、それぞれの課程で手入力が発生しなくなり、CRAやCRCの負担を大きく軽減できる可能性があると私は考えます。

また、負担が減るだけでなく、各手順を自動化することでそれぞれの課程で発生するミスを減らせるので質の高いデータを収集することも可能かと思います。

他にも考えられる使い方があります。

これはもしかすると私だから気付いたのかもしれませんが、実は別で運営している治験関連の私のサイトでは、治験に重複して参加してもバレないかという質問を受けることがしばしばあります。

治験では安全性に考慮して、前回の治験薬投与から一定期間空いていなければ治験に参加することが出来ません。

ただ、やはり残念ながら一定数の方は”治験で稼ぎたい”という考えの方がいて、前回治験に参加したことを隠して新たに治験に参加する方がいるようです。

そうなると、薬の相互作用で重大な副作用を引き起こす可能性もあることから、絶対にそのような重複参加は防がなければいけません。

そこで、もしharmoに治験に参加した情報も蓄積することができれば、治験の重複参加、そして重大な副作用を引き起こすリスクを下げるところに大きく貢献できると思っています。

上記のように使い方によっては治験の場でも活躍する可能性を秘めているので私はharmoに注目をしています。

シミックでCRAとして働いていればもしかしたら、harmoを治験で活かす場を経験できるかもしれないのでそういう意味でも注目出来るのかなと思っています。

 

グローバル対応力

シミックの強み_グローバル対応力

シミックはアジアを中心に世界8ヵ国に拠点を持っています。

海外拠点の採用については、現地法人にておこなう方針とのことで、現在拡大しているグローバル試験にも対応しできる体制が構築されています。

イーピーエスの決算やシミックの決算でも外資系CROが勢力を伸ばしていることが伺えますが、内資系最大手であるシミックも外資系CROに負けない体制を構築している段階と言えるでしょう。

そしてグローバル試験は今後も増えていくことが想定され、もはや内資CROにおいてもグローバル対応力は必須の能力になってくると考えられます。

就活生的には以下の内容を答えられればベストかと思います。

CRO業界の今後にはグローバル対応力が必須と考えられるがその根拠は何か。
シミックはグローバル対応力の強化に対して具体的にどのような取り組みをしているか。

CRO業界において、グローバル対応力が何故求められているのか説明をしたあとにシミックがその課題についてどのような対応策を取っていて、あなたは何故その取り組みに注目したのか、そしてあなたはその取り組みに対してどのように貢献できるかまでを1セットにしてまとめておけば面接の際に質問があったとしても説得力のある回答が出来ると思います。

私はこのブログで1例としてグローバル対応力が求められている理由を、EPSやシミックの決算の情報から読み解いていきましたが、他にもアプローチはあるかと思います。

是非そのあたりから考えてみると良いかと思います。

その過程で考察した内容は、シミックだけではなく他のCROや製薬メーカーの開発職を受ける際にも使えるでしょう。

高い提案力

シミックの強み_高い提案力

今は製薬メーカー側にいる私ですが、CROに求めるものの1つとしてまさにこの高い提案力があります。

製薬メーカーの開発は(少なくとも私は)、CROにお仕事をお願いするときには開発のスペシャリストに仕事をお願いする姿勢でいます。

CROは、色々な製薬メーカーの色々な薬剤の開発に携わっているため、製薬メーカーよりもノウハウを蓄積しています。

製薬メーカーの場合、自社製品の開発にしか携わらないため、どうしてもやり方などが限定的になりがちなのため、何かうまくいかなくなったときにCROのノウハウを活かした提案は非常に重宝します。

ここまではCRO全般に言えることなのですが、シミックの場合はそこから1歩先に進んでいる提案をしようという姿勢が垣間見れます。

例えば、今世間では、AIが発展をしてきているのはご存知ですよね?

製薬業界にもAIは広がってきており、製薬メーカーが保有している大量の医薬品に関するデータ(業界ではビッグデータと呼ばれています)をAIによって分析をして、新たな創薬に繋げるという試みがあります。

シミックはその最先端のトレンドも敏感に察知し、サスメド社と提携をして、ビッグデータの簡易解析ソリューションの提供を始めています。

このように、最先端の技術を駆使して製薬メーカーへサービスを提供することも始めているため、この”1歩先に進んだ提案の提供”というのはシミックの大きな特徴の1つです。

まとめ

シミックの臨床開発職を受ける場合であっても、CRO事業のみではなくシミックグループとしてどのような取り組みをしているのか全体像を把握することが大切な印象を受けました。

例えば、harmoのお話をしましたが、一見治験とは直接的には関係無いように思いますが、よくよく考えてみると治験にも応用できる可能性を秘めており、そのシステムを使って製薬メーカーにメリットを訴求すれば他社CROと差別化され大型案件を勝ち取ることもできるかもしれません。

そのようになってくると、CRO事業とは無縁とも言えないのかなと感じていますので、シミックの場合はグループ全体としての方針や取り組みをある程度把握しておく必要があると思いました。

シミックの根幹の方針はPVCそして、最終的にはPHVCに辿り着くことであると色々な資料を読んで感じました。

PVCそしてPHVCという目標達成のためにあなたがどのようにシミックに貢献できるのかについて、しっかりと企業研究をして得た情報を根拠にアピールすることが出来れば面接官にも伝わるのではないでしょうか。