企業研究記事第5弾になります。
第1弾~第4弾は内資系CROの記事を書いてきましたが、今回は初の外資系CROの記事になります。
内資と外資の違いが分からないという方にも役に立つような情報を紹介していきたいと思います。
それでは早速リサーチしていきましょう!
パレクセルの会社概要
いつも通りまず始めは会社概要から見ていきましょう。
会社名 | パレクセル・インターナショナル株式会社(Parexel International Inc.) |
東京本社 | 〒104-0033 東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル6F Phone (03) 3537-5899 (09:00-18:00) Fax (03) 3552-0451 |
東京第二オフィス | 〒104-0033 東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー12F Phone (03) 3537-5899 (09:00-18:00) ※ Fax same as First Building (03) 3553-5437 ※ shared |
大阪本社 | 〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋2?5?8 トレードピア淀屋橋18F Phone (06) 6201-7120 (09:00-18:00) Fax (06) 6228-0180 |
神戸オフィス | 〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋2?5?8 トレードピア淀屋橋18F Phone (06) 6201-7120 (09:00-18:00) Fax (06) 6228-0180 |
代表 | 代表取締役社長 三木 茂裕 |
親会社 | Parexel International Corporation |
事業概要 | モニタリング業務を含めた臨床試験のフルサポート、薬事コンサルティング、メディカルライティング、データマネジメント、統計解析、監査(GCP、臨床研究)、国内管理人業務 等 |
所属団体 | 日本CRO協会 正会員 関西医薬品協会 日本医療機器テクノロジー協会 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 再生医療イノベーションフォーラム 日本QA研究会 GCP部会 |
会社概要|パレクセル・インターナショナル株式会社より抜粋より抜粋
▼2021年卒のときのデータです
募集職種 | 臨床開発モニター |
募集対象 | 理系大学院生、理系学部生 |
募集人数 | 46~50名 |
募集学部・学科 | (1)2021年3月6年制薬学部卒業予定者 (2)その他理系学士・修士・博士学生 (薬学・医学・獣医学・看護学・生物学・農学・化学・バイオ関連など専攻の方限定) (3)2021年海外大学卒業予定者:出身学部は上記(2)に 準ずる |
基本給 | 年俸4,500,000円 月額375,000円 (2019年新卒採用実績) ※別途、時間外手当等の支給あり試用期間:入社日より6カ月間 条件は本採用と同一 |
諸手当 | 時間外勤務手当、通勤手当、外出時の食事補助など |
昇給 | 年1回(11月) |
賞与 | なし(年俸に含む) |
休日休暇 | 休日:土日祝日、5/1、8/15、12/29~1/3 完全週休2日制 年間休日120日以上休暇:年次有給休暇(毎年7月に一斉付与、最大20日間/年) |
待遇・福利厚生・社内制度 | ・社会保険完備 ・確定拠出年金制度(401k) ・長期所得補償プログラム(GLTD、VLTD) ・EAP(社外カウンセラー相談制度) ・社内公募制度でさまざまな職種にチャレンジ可能 ・フレックスタイム制度でメリハリをつけて仕事 ・フリーアドレス制のため、より多くの人とコミュニケーションが取れる環境 ・10以上の社内サークル(野球、フットサル、ランニング、テニス等) ・教育休業 ・短時間勤務制度(育児・介護) ・育児・介護休業 ・東京薬業健康保険組合保有の保養所、提携宿泊施設、スポーツ施設等の優待 ・会員制福利厚生サービス(ベネフィット・ワン)により宿泊施設やスポーツ施設などの割引有り |
勤務地 | 東京、関西(大阪・神戸) (希望制) |
過去の新卒採用者数 | 2019年 女性:63名 男性:29名 2018年 女性:22名 男性:6名 2017年 女性:54名 男性:14名 |
選考方法 | 一次選考:書類選考、WEB試験 二次選考:人事面接、小論文 三次選考:最終面接 |
求める人物像 | 1.倫理観のある方 2.協調性のある方 3.コミュニケーションをとるのが好きな方 4.自ら考え、自ら行動できる方 5.新薬を世に出したいという、情熱のある方 6.グローバルなフィールドで活躍したい方 |
パレクセル・インターナショナル(株)|マイナビ2022より一部抜粋
パレクセルは大手外資系CRO
パレクセルは、アメリカのボストンに本社を置く米国系CROで、1997年に日本法人が設立されました。
日本法人が設立された当初は、今よりももっと規模が小さい時代がありましたが、世界各国に拠点を持っており、業務を分散させるなどの工夫から日本国内においても大手CROの仲間入りを果たしています。
私の印象ではここ数年で特に力を伸ばしてきている外資系CROのうちの1つになります。
そんな外資系CROのパレクセルですが、企業研究記事では外資系CROを紹介するのが初なので、「内資と外資の違い」などについても触れながら紹介をしていこうと思います。
日本でのパレクセルの立ち位置
先ほど軽くお話に出した通り、パレクセルは外資系でありながらも大手CROのうちの1つになります。
いつもの流れで売上高や営業利益からパレクセルの位置付けを紹介したいところなのですが、パレクセルは英国の投資顧問会社であるPamplona Capital Management LLPと合併したことにより2017年10月2日付でNASDAQ証券取引所より上場廃止なってしまったため、正確な情報は把握できない状況です。
そのため、パレクセルについては2017年までのデータとなりますが、最大手外資系CROのIQVIAと内資CROとの売上高、営業利益を比較してみたいと思います。
【売上高】
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
シミック | 620億円 | 652億円 | 698億円 | 743億円 |
イーピーエス | 527億円 | 604億円 | 657億円 | 690億円 |
IQVIA | 68.7億ドル | 97.3億ドル | 104.1億ドル | 110.8億ドル |
パレクセル | 24.2億ドル | 24.4億ドル | – | – |
【営業利益】
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
シミック | 33.6億円 | 38.9億円 | 43.2億円 | 44億円 |
イーピーエス | 62億円 | 75.9億円 | 71.9億円 | 62.7億円 |
IQVIA | 6.4億ドル | 7.1億ドル | 7.4億ドル | 7.7億ドル |
パレクセル | 2.2億ドル | 1.5億ドル | – | – |
IQVIAとパレクセルはグローバル全体の売上高と営業利益を記載しています。
こう見ると規模の大きさは、内資系CROと比べると圧倒的に大きいことが分かります。
IQVIAとパレクセルにおいては、日本での事業規模を正確に出すことは出来ないので、具体的な数字で示すことは難しいのですが、日本においては、シミック、イーピーエスに続いてIQVIAそしてパレクセルと続いているような印象で大きくは違わないはずです。
また、シミックとイーピーエスの企業研究記事でも紹介しましたが、それぞれの決算説明資料を見ると、外資系CROが力を伸ばしてきており、内資系CROであるシミックやイーピーエスが案件獲得に苦戦していることが書かれていました。
パレクセルはその力を伸ばしてきている外資系CROの1つになりますので、現時点ではどんどん力を付けてきている印象を持ちます。
最近では、イーピーエスがやや不調気味に見えるので、もしかすると数年後には外資系CROであるIQVIA、パレクセルあたりがより上位に食い込んでくる可能性はあるのではないかと思っています。
給与形態
パレクセルは、CROでは比較的珍しい年俸制になります。
年俸制というと、評価次第では給料を下げられてしまうのではないかと思いますが、実際にパレクセルで働いている(または働いていた)数人に話を聞いてみましたが、よほどのことをしない限り年俸を下げられることは無いとのことでした。
私が話を聞いたのは数人になるので、全体を見れば下げられる方もいるとは思いますが、あまり過度に心配することは無さそうです。
昇給についても、問題を起こさない限り基本的には毎年あるとのことなので、こちらも心配はいらないかと思います。
働き方・担当施設数
最近では、社員が働く環境の改善にも力を入れている様子で、有給取得率も80%と高水準で在宅勤務制度、フレックスタイム制度もありCRAとしては働きやすい環境が整っている印象です。
また、社内はフリーアドレス(決まったデスクに着席するタイプではない環境)であるため、フレックスで早めに帰宅をするときでも周りの目を気にしないで済むので良いという意見も聞きました。
これは個人的には大きいと思っています。
フレックスタイム制度があったとしても、周りが働いている中自分だけ帰るのは若干気まずいと思ってしまい、実際のところフレックスタイムを利用しにくいという声も他のCROでは聞くことがあるので、周りの目を気にしすぎなくて済むというのはとても魅力的ですよね。
また、社内環境とは別に1人のCRAが担当する施設数にも気を使っているようで、原則1人に2つ以上のプロトコールを掛け持ちさせることは避ける(同一化合物の場合は複数担当もある)という方針でCRAにかかる負荷についても考慮されているところが個人的にはプラス要素だと思います。
プロジェクトによりバラつきはあるものの、パレクセルの場合は1人あたり4施設ほどを担当するのが平均的なようです。
CRAに負荷がかかり過ぎないようにというのは実際、物凄く重要で、私がCROに再度就職することがあれば必ず確認する事項の1つです…
その他、外資系企業らしく服装についても厳しい決まりは無く、外勤やお客さんと会うとき以外は比較的ラフな服装をしてもOKであることも特徴です。
内資系CROと外資系CROの違い
パレクセルは外資系CROということですが、そもそも外資系CROと内資系CROでは何が違うのかについて紹介をしていきたいと思います。
細かいところを言いだすと色々あるのですが、ここではその中でもTwitter内や実際に質問を多くいただいている項目や大きく異なる部分についてお話をしていきます。
もちろん、「外資系CRO」、「内資系CRO」と大きなくくりでのお話ですの、それぞれの会社によって状況が微妙に異なることはご了承下さいね。
英語力
英語力については、外資系であればかなり求められると思われるかもしれませんが、目指すところによって状況は変わるようです。
社内の状況について数人の意見を聞いてみたところ、CRA(最近までパレクセルではCSMと呼ばれていました)としてやっていくだけであれば英語が出来ない方もそれなりにいるようです。
ただ、COL(Clinical Operation Leader)やLM(Line Manager)などのように昇格を狙っていくのであれば、グローバルミーティングへの参加の機会も増えることから英語力が求められることになるので、入社時にはそれほど英語が出来なかったとしても将来的には勉強をしていかなければいけなくなるでしょう。
また、CRAとして働く場合も全く英語が出来なくても良いという訳ではなく、会社のSOP(標準業務手順書:規則みたいなものが書かれた資料)を読む際や治験で使用する資料に英語が出てくるので、”調べれば何とか分かる”くらいの英語力は無いと仕事を進めるのが難しくなる印象です。
ということで、初期値として高い英語力は求められないが、将来的には必要になるくらいのイメージかと思います。
業務の細分化
外資系CROに見られる大きな特徴のうちの1つが業務の細分化になります。
外資系CROでは、内資系CROよりも明確に業務が細分化されており、個々にかかる負担についてもなるべく分散化するような仕組みとなっています。
CRAの業務で最も忙しい時期である治験の立ち上げの時期では、以下のような様々な業務を短期間のうちにこなさなければいけません。
●施設選定
●契約書の準備
●同意説明文書の準備
●治験審査委員会関連の資料準備
●各種資材搬入手続き
●治験の説明会(SUM)の開催
などなど…
上記の業務はCRAにとってかなり大きな負荷がかかりますが、これらの業務のうちの一部をSSU(Study Start-Up)チームが担当をすることでCRAの負荷の削減が図られています(SSUはSite Start-Upと呼んでいる会社もあります)。
治験の立ち上げの時期が過ぎた後にも、治験を実施するうえで発生する手続き書類を内勤サポートの方が作成をしてくれたりとサポート体制が整っている印象を受けます。
また、外資系CROでは、治験で発生するその他の様々な業務(資料の電子版の保管など)について、世界各国に持つ別拠点のスタッフもおこなっているため、様々な業務が細分化されています。
大手内資系CROでも同じくCRAの負荷を軽減するような取り組みはありますが、外資系CROの方がその部分が徹底されているのではないでしょうか。
ただ1つだけ…
これだけを聞くと、外資系CROの方がCRAに負荷がかからず魅力的に映りますが、考え方を少し変えると、内資系CROの方が、CRAが自ら対応しなければならい業務が多い一方、様々なことが学べるというメリットもあります。
具体的には、施設選定の際に、SSUチームが対応をしている外資系CROの場合、医療機関のSOP(標準業務手順書)がGCP(治験のルールを定めている省令)に準拠しているかの確認はCRAではあまりやりませんが、内資系CROの場合はそのあたりもCRAが行う業務に含まれるので、経験値は内資系CROの方が高いこともしばしばあります。
その辺りをどう考えるかは、内資を選ぶか外資を選ぶかの基準のうちの1つになるのかと思います。
管理体制
他にも、プロジェクトやCRAの管理体制について内資と外資では大きく異なります。
内資系CROの場合は、あるプロジェクトにはPL(Project Leader)がいて、傘下にSL(SubLeader)やCRAがいるパターンが一般的かと思います。(※その他、ML(MonitoringLeader)やGL(Group Leader)などがありますが、説明が複雑になるのでここでは省略します)
一方、外資系CROの場合、プロジェクトを管轄するCOL(Clinical Operation Leader)の傘下にSenior CRAやCRAがいますが、それとはLM(Line Manager)に各CRAが管理されている状態となっています。
文章だけでは分かりにくいかと思うので、簡易的に絵にしてみたのでご覧ください。
内資系CROの場合は、プロジェクトのリーダーであるPLがプロジェクトの管理はもちろんのこと、各CRAの管理・教育についてもおこなうことになりますが、外資系CROの場合、COLがプロジェクトの管理をし、LMが各モニターの管理・教育を担当します。
つまり、内資の場合、アサインされるプロジェクトによって上司が変わるのですが、外資の場合、担当プロジェクトが変わっても上司(LM)が同じであるという特徴があります。
どちらの管理体制の方が良いかは個人の考え方なので、一概にどちらが良いということは言えませんが、就活生のうちはあまり気にしなくても良いような気がします。
あくまで私の印象ですが、内資はPLがプロジェクト管理とCRA管理を一手に担うので、負荷はかかるがその代わり責任の所在が明確である、外資は負担が分散されているが、プロジェクト内で起きた問題について、COLの責任なのかLMの責任なのかで微妙なラインなこともあるため、場合によっては責任の所在が不明確になってしまうこともありそうだなと感じました。
担当施設数など
少し前までは、外資系CROは内資系CROと比較して、複数プロジェクト+多くの施設を担当しているという状況でしたが、最近は担当施設数、担当プロジェクトともに内資系CROとは大差無い状況になっているようです。
ただこれは、パレクセルでのお話ですので、他の外資系CROについては当てはまるかは分かりませんが、傾向としては似ているのではないかと予測できます。
この辺りは、実際に会社説明会等で説明があったり、あるいは質問で聞いてみても良いかもしれません。
パレクセルの強みと求める人材像について
ここまででパレクセルの会社概要と外資系CRO、内資系CROの違いについて簡単に触れてきました。
ここからは、パレクセルの強みと求める人材像について触れながらお話をしていきたいと思います。
この部分は、パレクセルの新卒募集に応募しようと考えている就活生は押さえておくとよい内容ばかりなので、是非チェックしてみて下さい。
パレクセルが求める人材像
では、まず始めにパレクセルが求める人材像について見ていきます。
会社HPでは、新卒採用についてはマイナビを参照するように記載されています。そこでマイナビを確認してみるとパレクセルが求める人材像について以下のような記載がありました。
2. 協調性のある方
3. コミュニケーションをとるのが好きな方
4. 自ら考え、自ら行動できる方
5. 新薬を世に出したいという、情熱のある方
6. グローバルなフィールドで活躍したい方
選考を進めていくうえで、ESを作成したり、面接があったりしますが、上記6項目についてはしっかり押さえてストーリーを組んでいく必要がありそうです。
具体的には、ガクチカを考えるときなどは、協調性・コミュニケーションによって得られた成果、そしてその成果に至るまでにどのように考えどのように行動したのかというポイントが重要になるのではないかと思います。
あくまで、私ならのお話ですが、パレクセルを受けるのであれば、上記のようにガクチカには協調性・コミュニケーションを軸にしたストーリを立てます。
また、5と6については、リンクさせることも可能なので、「パレクセルの志望理由」あたりに盛り込んでストーリを考えると思います。
ES、面接ともに限られた文字数や時間でのアピールになると思いますが、上記6項目(1についてはあまり話に入れられないと思いますが…)についてはしっかりと組み入れていきたいところです。
グローバルの人材を活用出来ていることは強い
最初の方の項目でも少し触れましたが、最近では内資系CROが外資系CROの勢いに押されつつある状況です。
その理由の1つとして考えられるのが、グローバルでの人材の有効活用だと思っています。
外資系CROであるパレクセルは、内資系大手CROと同じようにメーカーの様々なニーズに応えることが出来るよう、治験をおこなう上で必要なオプションは一通り揃っています。
ただ内資系CROとの違いは、内資は日本国内でモニタリング業務以外の業務についてもおこなっている一方、外資系CROの場合は、システム的な部分はアメリカ、電子的な資料保管の業務は台湾、検査キット関連はインド…のように世界各国の拠点を利用して業務を請け負っているところです。
業務が細分化され分散されているため、CRAにかかる負荷が少ないことから、転職が多い傾向にあるCRAの満足度を上げることでリソースをしっかりと確保できている点が強い印象です。
グローバル全体で見たときの圧倒的な従業員数を考えると、内資系CROにそれを真似することはなかなか難しいでしょう。
プリファードベンダーに強い
基本的にCROは、メーカーから案件を受託する際には、コンペに参加をして案件を勝ち取る必要があります。
しかし、プリファード契約というものをメーカーと結んでいる場合には、案件を優先的に回してもらうことができる仕組みがあります。いわば、お得意様のようなものです。
コンペに参加せずとも案件を受託できるであれば、安定的な売上が期待できることから、とても魅力的であることが分かるかと思います。
もちろん、欠点(CRO側がリソースを確保しておかなければいけない等)もあるのですが、ここでは置いておきます。
そして、このプリファードベンダーなのですが、外資系製薬メーカーは外資系CROとプリファードベンダーを結ぶことが多く、グローバルで見ても大手CROであるパレクセルの場合、外資系製薬メーカーからのプリファードを獲得しやすいという強みがあります。
内資系CROも外資系メーカーからのプリファードの獲得を目指している会社もあるのですが、やはりどうしても外資系CROの方が使用しているシステムやベンダーの関係で優位な立場にあります。
”安定して案件を受託する”というのは、CROの会社が安定した経営をするうえで非常に大事な要素ですが、その点において問題無いというのはとても大きな強みだと思います。
PPI実現に向けて積極的である
パレクセルは、PPI(Patient and Public Involvement、PPI:患者・市民参画)という取り組みにも積極的であることが特徴として挙げられます。
今まで臨床研究において患者さんは研究対象としての参加に留まっていましたが、今後は患者さんも一緒に研究に参画することを進めていきましょうという考え方をPPIと呼びます。
PPIの他に、Patient Centricity、Patient Engagement、Patient Involvement等の言葉がありますが、それらも同じような意味合いで使用されていると思って問題ありません。
この考え方については、製薬協で度々議論されてきており、企業にとっては医薬品開発に新たな視点を与えることが期待され、治験では患者の組入れや継続率の改善により費用面でのメリットがあるとされています。
もちろん患者さん側にとっても医薬品開発に自らの声が反映されることや、より治験に参加しやすいよう条件が整備されることが期待されるなどメリットがあると考えられます。
このような状況の中、パレクセルはPPI実現に向けて患者さんを集め座談会を開催し収集した声・ニーズをメーカー側に提案するなど、積極的な活動の計画を進めています。(2020.07.22 薬事日報に掲載)
製薬メーカー側にも色々な都合があり、なかなか患者さんの意見を医薬品開発に反映していくことは難しい状況ですが、患者ファーストの考え方は今後の医薬品開発においても重要な考え方であり、そこにいち早く取り組んでいるのがパレクセルということになります。
エスノブリッジング試験のリーディングカンパニー
エスノブリッジング試験とは、PKや薬物動態において人種差が無いかを確認したうえでデータの解析をおこなう試験で、近年長期化傾向にある医薬品開発において効率化の観点で効果を発揮する試験です。
シミックやイーピーエスの決算書でも書かれていた通り、近年では医薬品開発の難易度が上昇していることもあり、開発にかかる時間が増加しているうえに、上市までの確率も下がってきています。
そのため、製薬メーカーにおいては、開発効率化によって早期の開発方針の決定が重要になってきており、その手助けとなるのがエスノブリッジング試験とも言えます。
パレクセルは、CROとしてこのエスノブリッジング試験の提案についてもメーカー側に積極的におこなっていることも特徴の1つです。
パレクセルが提案したエスノブリッジ試験かは分かりませんが、田辺三菱のバフセオ錠の製造販売承認申請資料にもエスノブリッジ試験が登場していました。
バフセオ錠 150mg、バフセオ錠 300mg 製造販売承認申請書添付資料 第 2 部(モジュール 2) 2.5 臨床に関する概括評価より抜粋
医薬品をいち早く患者さんのもとに届ける取り組みのひとつとしても考えることが出来るので、就活生の方は、パレクセルの具体的な取り組みとして知っておくと良いかと思います。
まとめ
近年めきめきと成長をしてきている外資系CROの1つであるパレクセルについて紹介をしていきました。
現時点においては、日本ではシミック、イーピーエスが2トップでその後にIQVIAやパレクセルが追いかけている構図ですが、外資系CROの勢いは数年前と比較すると強くなっている印象です。
パレクセルにおいても、メーカー側の様々なニーズに答えられるようにトータルソリューションを提供できる体制が整備されています。
また、新しい取り組みについても積極的なところから今後も成長を続けていくことが予想されるため、今後の活躍が期待できるCROのうちの1社なのではないでしょうか。
製薬メーカーやCROの臨床開発職は他の職種と比べると就活の難易度は高いのですが(特に製薬メーカー)、実はしっかりと就活対策ができている方は一握りです。
【ゼロから分かる!】製薬業界&CRO業界の就活戦略まとめの記事には就活戦略を大ボリュームでまとめていますので、そちらも読み込んでおくことをおすすめします!
最後におまけを…
下の画像は、パレクセルの「採用情報」にある画像なのですが、一番右の画像の女性が手に持っているもの…
思わずリアリティがあり笑ってしまったので載せておきます…笑 (この業界で働かれている方なら分かるはず!)
採用情報|パレクセルより抜粋