サスメドは、2025年9月2日付けでサスメド 不眠障害用アプリ Medcleの製造販売承認事項一部変更承認の取得、2025年9月4日付けで保険適用希望書を提出して次のステップに進みました。
2026年は大きな動きがありそうな年になりますのでサスメドについて久しぶりに情報をまとめていきたいと思います。
のりす 製薬業界でかれこれ10年以上働いています。X(旧Twitter)でのフォロワー数は6,700人程。最近も相変わらず厚労省やPMDA対応に追われる日々を過ごしています。。
本記事で執筆時点(2025年12月28日時点)での状況
前回までの記事では、2024年8月30日に製造販売承認事項一部変更承認申請(以下、「一変申請」)が提出され、いつになったら承認されるのかとヤキモキしている状況でしたね。
その後、2025年9月2日付けで一変申請が承認されたので実に約1年程を要する結果となりました。
一変申請の審査期間の目安は申請から6ヶ月とされているので2倍近くの時間がかかった異例のケースだったことになります。
ここからは、2025年9月4日付けで提出をした保険適用希望書に対していつ保険適用されるのかが大きな注目ポイントになっていますね。
2025年7月24日のサスメドに関するXの投稿
株価に関するDMが多くなってきたので少しだけ補足を。
前提として当たり前ですが、株価がどうなるかは誰にも分かりません。以下は私の勝手な推測です。◽️〜7/25(金)
7/28(月)にプログラム医療機器調査会で… https://t.co/nCkYd6eRfV— のりす (@Chikennochikara) July 23, 2025
7月24日にサスメドの今後の流れに関する投稿をしましたが、私の見解はその時から変更ありません。
当時の投稿内容の概要をかいつまんで1つずつ見ていこうと思います。
一変申請の承認は既定路線
7月24日に一変申請の承認は既定路線であるという投稿をしましたが、その後の7月28日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会では予定通り承認が了承される形となりました。
投稿でもある通り、この結果は業界内の方であれば容易に推測可能であるため、ポジティブサプライズというよりは予定通りにしっかり完了したことになります。
株価について
一変申請が承認されると株価が上昇し続けていく…という展開には懐疑的であると投稿をしていました。
特に新規でサスメドに入られる方は急騰しすぎたポイントでは慎重に判断をする方が良いとも添えていました。
理由は、サスメドにとってのゴールは一変申請の承認取得ではなくその先にある保険適用されるポイントだからです。つまり、一変申請の承認は途中経過にすぎないからということですね。
一変申請で承認が得られたというIRが出された翌日の7月30日の終値は799円でした。
本記事を執筆している12月28日時点の株価(12月26日終値)は821円ですので、こちらもほぼ想定の範囲内という展開になりました。
保険適応希望書提出後からが真の勝負
保険適応希望書提出後からは業界の方々であっても、どのような展開になるのかが読みにくいフェーズに入ってくると投稿しました。
具体的にはどのタイミングで中医協で了承されるのか、そして特定保険医療材料としていくらの値段が付くかという部分です。
中医協のルールでは、C2区分(今回のサスメドのアプリもこの区分)の保険適用希望書の提出から5ヶ月以内に中医協での了承に至ることになっています。
つまり、このルールに従うとサスメドの場合は2025年9月4日付けで保険適用希望書を提出したので2026年2月4日までに中医協での了承となります。
中医協での了承は1年に4回(1月、4月、7月、10月)のタイミングでおこなわれるので、私としては2026年1月あたりかと考えて投稿をしていました。
のりす そろそろどのような動きになるのか注視を始めていくタイミングにきたということですね!
4月の場合は、保険適用申請書から5ヶ月以上経過するのでルールから外れはしますが、可能性としてはあり得るのかもしれませんね。
前回は①のルートで最終的に保険適応希望書の取り下げに至りましたが、今回は②のルートで進むのかなと考えています。

また、市場規模の想定については、サスメドでは以下を想定して算出しています。
●保険点数480点/回×4回(19,200円/処⽅)
●対象人数は590〜1,860万⼈
そのため、上記の前提が崩れる結果とならないかどうかというポイントも重要であると考えられます。
中医協での了承はもちろん大事ですが、条件的にも想定から大きく外れたものでないかも併せて確認しておく必要があるでしょう。
注目の開発パイプライン
直近では2025年6月期第一四半期の決算でも進捗が報告されていました。
それらの情報も踏まえて整理していきたいと思います。
SMD106(PMS/PMDD用アプリ)

SMD106(PMS/PMDD用アプリ)は、2025年1月28日のプレスリリース「⽉経前症候群・⽉経前不快気分障害を対象とした治療⽤アプリの特定臨床研究の開始」で特定臨床研究がスタートしたことが発表されました。
探索的試験が開始されましたが、終了予定日は2026年6月30日となっているので直近の決算でも特に進捗は示されていませんでした。
順調に進捗をすれば治験に進むのは2027年になるのでしょうね。
本案件は、マイルストーン収入として総額最大 25億円と製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを得ることが決まっているため今後の展開が楽しみなパイプラインの1つです。
のりす 臨床開発職視点では、この試験の対象患者が18~45歳の女性であるので同意取得を取るのが難しく進捗が遅れる可能性もあるのかなと考えています。この層は経験上、同意取得を得るのが比較的難しいので先生やCRCさんの腕の見せ所なのかもしれませんね!
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 25億円 | 3億円 | 22億円 |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 25億円 | 3億円 | 22億円 |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
SMD403(耳鳴り用アプリ)

2022年11月9日に発表された杏林製薬との共同研究開発及び販売に関する契約により、開発進展などに応じたマイルストーン収入と製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを得ることが決まっています。
この特定臨床研究については、「耳鳴治療用アプリを用いた特定臨床研究結果に関する学会発表のお知らせ」のプレスリリースでポジティブな結果が出たことが報告されました。
のりす ちなみに、報告されている有効性と安全性は非常に良い結果でした。これが検証試験(治験)で再現できればほぼ間違いなく承認となるような印象を持ちました。
ポジティブな結果が出たことで、「杏林製薬との共同研究開発及び販売に関する契約に係る覚書締結のお知らせ」のプレスリリースでマイルストン収入及び販売額に応じたロイヤリティーが増額となることが報告されました。
現在は治験開始に向けて調整中という段階と思われますが、治験の計画が出た段階で臨床開発職目線から記事をまとめていきたいと思います。
のりす この治験が成功すると不眠障害用アプリに次ぐ第二の矢になるだけに注目度は大きいですね!
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 6億円(増額予定) | 2億円 | 4億円(増額予定) |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 6億円(増額予定) | 2億円 | 4億円(増額予定) |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
サスメド 不眠障害用アプリ Medcle

先ほど触れた通り、こちらは保険適用申請書の提出が完了しており中医協での了承待ちというステータスになっています。
塩野義製薬とのマイルストーンの未受領分は未だ多く残っていますが、保険適用が決まればそれらのマイルストーンの進捗も大きく進むことが想定されます。
上市後からはロイヤリティ収入も入ってくるため、収益化フェーズに入ることでサスメドが大きく成長していくこととなります。
山あり谷ありで想定以上に多くの時間を費やしましたが、2026年はいよいよ本格始動の年になりそうで個人的にも楽しみです。
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 47億円 | 6億円 | 41億円 |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
| 最大総額 | 受領決定 | 残り | |
| マイルストーン収入 | 47億円 | 6億円 | 41億円 |
| ロイヤリティー収入 | 不明 | 不明 | 不明 |
臨床試験システム

サスメドは、ブロックチェーン技術を応用して治験の現場での実務業務の効率化を目指したシステムの実装拡大を進めています。
詳しい説明は別記事でご紹介しています。
サスメド社はブロックチェーン技術を応用して効率的かつ信頼性が高いモニタリング手法を確立するために東京医科歯科大学と共同研究をしていましたが、ついにその研究成果が報告されました。 今回は研究成果の解説とそれがどの程度治験業 …
2023年にはアキュリスファーマのPitolisantの閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対する国内第3相臨床試験に導入されたとプレスリリースがありましたが、2025年10月に「ブロックチェーン技術を活用した臨床試験システムの提供開始に関するお知らせ」のプレスリリースでHeartSheedの治験に導入されたことが報告されました。
徐々にシステムが導入されていることが分かります。
実際にどの程度の成果があったのかなどは、業界としても注目している方々もいると思いますので詳細な情報が得られ次第、別途記事を作成予定です。
のりす 私のプロジェクトでも導入した際のイメージがクリアにできるようになれば導入を積極的に検討しています!
まとめ
前回の記事から期間が開いてしまいましたが、サスメドの近況についてまとめていきました。
2026年はいよいよ保険適用の結果が出る年となるかと思いますので、サスメドにとっては大きな飛躍を遂げられる可能性を秘めた年になりそうですね。
最近は私も厚生労働省やPMDAの対応に追われており全然深く記事を作りこめなかったのが心残りです…
暫定的に一度ここまでで記事を公開しますが、また情報を追加して記事内の情報を補強していこうと思っています。







