「#ジブリで学ぶ臨床開発」をまとめてみた 第2弾

前回の『「#ジブリで学ぶ臨床開発」をまとめてみた~第1弾~』に引き続き今回は第2弾となります。

臨床開発の現場で実際に働いている方々によるリアルで微笑ましく特にシリアスな作品で溢れ前回は大きな反響がありました。

今回も素晴らしい作品が勢ぞろいです!

臨床開発の業界で働く人、これから臨床開発の業界を目指す人、全然治験のことは知らないけどなんとなく興味がある人、色々な方にお楽しみいただけるよう今回も1つ1つしっかりと解説をしていきたいと思います。

今回の記事について

前回は、9月24日までに投稿された記事をピックアップしていきましたが、今回は9月25日から現在記事を書いている10月9日までに投稿された作品を紹介していきます。

今回も、もちろん業界の方以外が見ても分かるようにしっかりと解説を加えていきますが、第1弾の記事から見ていただくとより楽しめるかと思います。

第1弾の記事をまだ読んでいない方は以下の記事からどうぞ!

メーカーサイドの視点

では、前回と同じようにメーカーサイドの視点の作品から見ていきましょう。

日常系とトラブル系でまとめていきます。

日常系


この作品からは、担当している医療機関で色々な手続きが一斉に発生しててんやわんやしている様子が伺えますね!

治験を実施するには、色々な決まりごとがありそれらをしっかりと遵守して対応する必要があります。

この作品の主人公は、4つの医療機関(あるいはそれ以上?)を担当していて、それぞれで一気に対応しなければいけないことが降りかかってきてあたふたしたご様子といったところでしょうか。

このような状況になってしまうとCRAは一時的にかもしれませんが、多忙を極めることになります。

手続きが片付いて落ち着けば平穏な日々に戻ると思うので、少しの辛抱です…!


カオナシの表情がまた何とも言えない空気を醸し出している作品です。

二日酔いでSDVに行ってしまうと、作業効率はもちろんのこと、お酒の匂いがプンプンしてしまう可能性もありクレームに繋がってしまう可能性があるので、良い子は前日のお酒はほどほどにしましょう!


最近では、電子カルテがかなり普及してきましたが、クリニック等では今でも紙カルテを使っている医療機関もあります。

CRAは、紙カルテの内容から治験が適切に実施されているかを確認するお仕事なので、紙カルテを読まなければいけない訳ですが、先生の字が汚すぎて読めないこともしばしば。

そんなときに、字が綺麗な先生の紙カルテに当たった時、CRAは内心でこのムスカ様のように感動を覚えることでしょう。(1枚目)

と思ったらやはり読めなかったようですね…!

世の中そう上手くはいかないとういうことでしょうか…

それでも、CRAはしっかりとカルテの内容を解読しなければいけません。こういう場合どうしたら…


と、ここで救世主の登場のようです。

熟練CRCさんになると、先生の文字を解読出来ることも!とても頼れる存在ですね!

このような感じで、CRAはCRCさんに助けられる場面も多くあるので、普段からのコミュニケーションは大切にしておきましょう。

ちなみに、熟練CRCさんでも分からない場合は看護師さんに聞いてもらうことも…

この記事を読まれている方で看護師さんの方もいらっしゃると思いますが、紙カルテのことで聞かれた場合には是非ご協力をお願いします…!


治験のデータを収集するために使うEDCというシステムですが、入力されたデータに対して条件を組み込み、システム的に入力エラーを抽出することが出来ます。

そのことをロジカルチェックと言うのですが、システムを組むのには当然費用がかかります。

そんな時には、致し方なくデータマネージメントという職種の方に頑張って気合を入れて人力でエラーを発見してもらうことになり、それをマニュアルチェックと言います。

予算が潤沢にあれば機械的にエラーを抽出する方が確実なのでそうしたいところですが、そこは予算との相談ということになるのですよね。。


SDVというのは、Source Document Verificationの略で治験のために収集されたデータが医療機関で記録されているもの(原資料)と整合しているかを確認する作業で、CRAのメインのお仕事になります。

次に、原資料というのは第1弾のときにも出てきましたが、治験のデータの根拠資料のことです。

つまり、原資料が作成されていない状況では、当然SDVをすることも出来ないため、CRAにとっては激オコ状態ということになります。

CRAは遠方の医療機関を担当することもあり、遠方まで出向いたにも関わらず何も作業が進まない状態だと確かに厳しいところ…

もし怪しい担当施設があった場合には、訪問の数日前に「資料の整備は大丈夫ですよね?」という趣旨の連絡をリマインドで入れておいた方が良いこともあります。

スルーされる可能性も大ですが、何より対策をしっかりと取っておくことが大切なのです。


これは満身創痍のCRAにとってはダメージを負う一言…!

ほとんどの治験では、禁止事項の1つに「同種同効薬の使用は禁止」という項目が入っています。

その他、治験に入ると安全性のことも考え色々な制限が発生します。

そうなってくると、MRさんにとっても影響が出てくるので、堪らずこの発言をされたのでしょう。(冗談の可能性もありますが)


電磁化をしないと紙の資料が溢れることになり、資料を紛失してしまうリスクも上がります。

最近では徐々に電磁化が進んできましたが、契約書などについてはまだ押印が必要な医療機関やメーカーも多く、完全に電磁化されるまでには少し時間がかかりそうです。

ただ、少しずつではありますが、着実に前には進んでいるため、10年後にはもしかしたら完全電磁化が達成されているかもしれませんね…!


治験では、まず一番始めにどこの医療機関で治験を実施するのかを決めなければいけません。

そして、医療機関であればどこでも良い訳ではなく、色々な基準をクリアしなければいけないのです。

この”どこの医療機関で治験をやるのかの調査”のことを選定調査と言います。

そして、この選定調査は、CRAが医療機関に訪問をし、ヒアリングをしながら要件を確認していくケースが多いのですが、この作品はその選定調査後のCRAとその先輩の会話の場面でしょうか。

選定調査をした医療機関では、どうやら候補症例がいないということでしたので…場合によってはこの医療機関では治験はやらないという判断になる可能性があります。


選定調査では、医療機関でどれくらいの患者さんを治験に入れることが出来るのかの調査をしていきます。

そして、CRAは医療機関に訪問をし、先生と面会をしながらどれくらいの症例が組み入れられるのかの話を詰めてくるわけですが…

1つ注意しなければいけないことがあります。

それが、このるなさんの作品で先輩が言っている”先生の言ったとおりの症例数を持って帰ってこない”ということです。

後からCRCさんの作品でも出てきますが、やはり先生からしたら自分の医療機関で治験をやりたいという思いと、時々楽観視しており、「あー、うちなら●例くらい余裕だよ!!」と意気揚々に回答をしてきます。

そして、大体の場合、そんなに多くの症例が入らないことが多いのです…

先生のお話を聞きつつ、CRAが正しい方向に導きながら正確な見込み症例数を模索していかなければいけないので、ここはCRAの腕の見せ所ということですね!


先ほどのるなさんの作品の発展バージョンですね。

その医療機関で組み入れられる症例数を導き出すには、「全体で対象疾患を持った患者がどれだけいるか→・・・→そのうちどれだけ同意が取れて治験に入ることが出来るか」など絞り込みをしていく必要があります。

やはり、その絞り込みにはCRAがうまく誘導をしながら正確な数を導き出していく必要があります。

そして、忘れてはいけないのが、こちらの作品でも触れている事務局の「達成率」の考え方です。

医療機関によっては、「契約症例数満了」ということにこだわるところもあり、その場合は、契約症例数を始めから大きく取るのではなく、しっかりと満了できる症例数で刻んでいかなければいけないこともあります。

CRAは、先生との打ち合わせだけで契約症例数を決めるのは危険で、しっかりと治験事務局の意向も聞いたうえで最終的な契約症例数を決める必要が出てくるわけです。

それにしても先輩CRA…すごく仕事ができるオーラ出してますね!


「臨床開発」や「治験」というと、どうしても医薬品が注目されがちですが、実はそれらの言葉は医療機器(デバイス)に対しても使います。

一部の医療機器の上市には、治験が必要で医療機器もしっかりとしたルールに則って対応されています。

治験では医薬品の割合がかなり占めているせいか、医療機器について軽視されてしまうことがありますが、この作品からは医療機器の治験に携わるプロとしてのプライドが伺えますね!


CRAは医療機関に訪問をして、お仕事をするわけですが、医療機関によってはCRCさんと同じ部屋でお仕事をすることもよくあります。

CRAは必至にお仕事を淡々とこなしていくのですが、聞こえて来るのですよ、あれが。

CRCさんの雑談が。

雑談の内容は色々ですが、他社CRAの噂話もしばしばしており、CRAとしてはついつい気になってしまうのも実情。

私も噂されていたと思うと…う、世の中には知らない方が良いこともあるのです!笑


先輩後輩シリーズ再びですね。

これも先ほどお話していた契約症例数のお話になります。

やはり、序盤は意気揚々と強気の症例数を言い放つ先生ですが、その後話を詰めていく段階や治験事務局の冷静なツッコミもあり、契約症例数が少なめになることも多くあります。

私が選定調査の際にCROに依頼することは”かなり厳しめに見積もってどれくらいか”ということです。

症例の見積もりは個人的にはやや厳しめくらいがちょうど良いと思っています。


可愛い?後輩からの同行依頼は先輩としては断れないもの。

と思いきや、案外ご当地グルメ目当てということも!?

出張はCRAの醍醐味!マイルも貯まりますからね、私は若かりし頃は出張大好きでしたよ!(今は体力が…笑)


担当のCRAがイケメンだとCRCさんがテンションが上がるのと同じく、担当のCRCさんが可愛いとCRAもテンションが上がるというもの。

リアルな会話が表現された作品ですね。


ドーミインは私も大分お世話になっている、温泉付きのホテルになります。

大浴場でその日の疲れを取ってホテルのベッドにダイビングしたときの気分は最高です!

こちらの作品では、PI(Principal Investigator:治験責任医師)のアポイントが夕方で後泊OKな状況になったため、ホテルに泊まることが出来たようですね!

CRAは遠方であっても日帰りをしなければいけないこともよくあるので、ホテルでゆっくり休めるのはCRAにとっても至福のひとときですね。


CRAは、原資料として看護記録を閲覧することもあります。

看護記録には、看護師さんの文章が書いてありますが、時々感情移入するような文章が書かれている看護記録に出会うこともあります。

そんなときにはすーっと読み入ってしまうことも。

こちらの記事を読まれている中で看護師さんの方もいらっしゃると思いますが、実は治験で見られていることもあるのですよ!

トラブル系


必須文書とはその字の如く、治験で必要な書類のことを指します。

治験で必要な書類は、かなり長い年月しっかりと保管をするように省令で定められています。

それ程重要な資料が保管されていないという状況は…CRAとしては愕然としてしまいこの表情になってしまうかもしれません。


これはとても驚くシチュエーション。

ただ、Twitterを見てみるとチラホラとそのようなシチュエーションんに遭遇された方のお話もあるようで…

私は治験に入った患者さんが逮捕された場面には遭遇したことはないのですが、さすがにその患者さんの治験は中止になるのでしょうね…

色々と大変そうです。


後任がシックリーブ…

シックリーブということはそれなりの期間離脱することになるので、引継ぎをしようと思っていたCRAにとっては一大事です。

当然、えげつない業務量が降りかかってくるわけですが(単純に2人分の仕事量)、そうなったら確かに賃金は2倍貰いたいですよね…

賃金は2倍になることは無いので、このCRAは泣く泣く対応をすることになりそうですが。。

せめてボーナスで還元してもらうなど交渉をしたいところですね。

医療機関サイドの視点

前回に引き続き今回の作品も微笑ましいものから強烈なものまで幅広くあります!

素晴らしい作品の数々を見ていきましょう。

日常系


治験では、治験実施計画書という資料がメインではありますが、それだけでは全てをカバーできないので、計画書以外にも手順書というものがあります。

担当している治験の内容によって手順書の数は変わってきますが、この作品のご様子を見る限り物凄い量の手順書があるようですね…

現場にいるCRCさんはこの手順書に記載されている内容通りに対応を進めていく必要があり、ここまで手順書が多いと実際の業務はとても大変なことが想像できますね…


先ほどメーカー視点の作品でも出てきましたが、先生が楽観視をして意気揚々とCRA(モニター)に見込み症例数をお話されたのでしょう。

CRA側でも、もちろん注意はしていますが、一定数そのまま先生の話を鵜呑みにしてしまうモニターもいるため、CRCさんとしてはハラハラドキドキしながら横で聞いているのかもしれませんね。

この作品では…鵜呑みにしてしまう系のCRAだったのでしょうね。

CRCさんの叫びは届いたのか気になるところです…!


CRCさんのリアルな日常の一コマの作品です。

被験者さんが来院された後は、資料の整理やデータ入力などやらなければいけない作業が盛りだくさん。

まだ片付いていないご様子ですが、作業中に呼ばれたらこのようになっているのでしょうかね。

…資料の紛失にはご注意を!笑


新しい領域の治験はまさにこの作品のように未知の領域という感覚かもしれません。

もはや、どんな副作用が起きるのか、どれくらい忙しいのか、そもそも流れがあまりイメージ出来ないなど、手探りをしつつ対応を進めていく必要もあります。

医療機関サイドの視点の作品ではありますが、これはCRAとしても感じる部分かと思います。


SUM(Start Up Meeting)とは、治験を開始する前に医療機関のスタッフ向けにおこなう治験の説明会のようなものです。

SUM前になると治験を開始する準備をするためにCRCさんが医療機関に出入りするようになります。

治験の経験が無い医療機関にとってはCRCさんは、”外部から来た治験の人”みたいな感覚を持たれるということでしょうか。

ヒソヒソとどんなことを話しているのか気になるところですが、非常にリアルな情景描写なのでしょうね!


治験では色々と先生に記載してもらわなければいけない資料が発生します。

ただ、先生からしたら溜まりに溜まった資料に1つずつ記載をしていなければいけないので、正直なところ面倒に感じられていることもあるでしょう。

やらなければやらなければと思っていても後回しにすれば人は忘れてしまうもの。

それでも記載してもわなければいけないので、先生の時間が空いている隙を狙ってすっと入り込むCRCさんには脱帽です!


VASとはVisual Analogue Scaleの略で、痛みなどを視覚的に評価する際に使われるものです。

VAS

日本ペインクリニック学会のHPより抜粋

上のようなスケール表の該当する場所に「|」と被験者さんが線を入れ、それを読み取って治験で収集をしているデータ(EDCと言います)に入力をしていく必要があります。

その際に、「|」の位置が、22mmなのか23mmなのかによってEDCに入力すべき数値が変わってくるのですが、実はその位置が絶妙な時があり2人で見ても意見が割れてしまうことも。

CRCさんは23mmのつもりで入力をしても、CRAや監査官には22mmでは?と言われることも起こり得るということです。

若干太さがあるような「|」の場合は、左端で測るのか中央で測るのか右端で測るのかによって結果が変わってくる可能性があり、しっかりとしたルールが無ければ面倒くさいトラブルに発展しまうことも…


SUM後は、先生のモチベーションも高いことが多く、CRCさんとしてはスタートダッシュを決め込みたいところかと思います。

そんなこともあり、候補の症例がどっと入ってきてCRCさんからしたらてんやわんやの状態。

それでもこの作品のような気迫で一気に仕事を片付けてしまうCRCさん…

目が若干血走っているようにも見えますが、これくらいの気合が無ければ乗り越えるのは難しいのかもしれませんね。


治験では決められた来院日に被験者さんに来院してもらう訳ですが、治験に入っていなければ普通は来ないタイミングでも来院してもらわなければいけないときがあります。(いつもは2ヶ月おきなのに治験に入ったら2週間おきに来院しなければいけない等…)

そんな中、予定の来院時間近くになっても被験者さんが来院されたないとCRCさんはこちらの作品のように「本当に来るかな?大丈夫かな?」とソワソワし始めちゃうのでしょうね。

私もきっと被験者さんから連絡が来ないか携帯を握りしめながらまだかまだかと待っていそうです。。


SMOに所属するCRCさんの場合は、いくつかの医療機関を掛け持ちで担当することがあります。

そして、この作品のように1日で複数の医療機関を渡り歩くこともあるようで、なかなかハードなスケジュールで動かれているようですね。

ギリギリを攻めなければいけないこともあり、電車の遅延があれば次の医療機関への到着が遅れてしまうことも。

CRCさんの到着までモニターが世間話でなんとか繋いだという経験談もあり、モニターは緊急事態に備えて何か話せる話題をしっかりと持ち合わせていた方が良いのか知れませんね、笑


治験では色々な決まりごとがあり、被験者さんを組み入れ始めるのにもタイミングが規定されています。

やる気まんまんの先生の場合、フライングで候補患者さんを治験に入れようと動いてしまうことも。

そんな前のめりの先生にも穏やかな表情で静止するCRCさん。

これ以上同じことを繰り返すと穏やかな表情から一変、先生に雷が打ち付けられるかもしれませんね。


先ほども少し書きましたが、治験は色々な決まり事が定まっていて、そのルール通りに実施する必要があります。

治験の手順などについては、治験実施計画書や手順書を確認するのですが、手続き的な対応については、医療機関でのルールであるSOP、そして治験共通の決まりごとが記載されているJ-GCP(日本用)やICH-GCP(グローバル用)をまず確認する必要があります。

若手の場合、よく分からなくて質問をするのですが、そんなときにはこの作品のようにしっかりと資料を確認してから来ているのか問われることになるでしょう。

このシチュエーションはCRCさんもCRAも共通ですね!


医療機関サイドからすると、時々無茶ぶりな要求をCRAから受けることがあります。(もともとは依頼者(メーカー)が指示をしている場合が多い)

あまりにも”無謀だろ!”と思われる要求を医療機関として受けた際には、このような感じでもはや笑いしか起きない状況なのかもしれません。

もちろんモニターは本気ですよ!(内心は知りませんが…笑)


SMOの場合は、締め日等の関係から契約を「月内にして欲しい」などの要望がある場合があります。

ただ、CROにとって特に急ぐ必要がなければ時間や精神的にも余裕を持って対応をしたいので、わざわざ急ぐ必要も無いと判断されることもあります。

院内事務局はSMO、CROどちらにも属さないので、「どっちなの!?」とイラついてしまうこともあるのでしょうね。

この作品からはキレている様子が凄く伝わりますね…!


このおじいちゃんは確かに何故か院長先生的なオーラを感じますね。

普段は温厚な院長先生でも、白衣を着たときには気難しい雰囲気を醸し出す先生が多いのでしょうか。

CRAの場合、会うとしてもほとんど白衣を着た状態の院長先生しか見ることはないと思うので、他の場面ではどのような感じなのかも気になるところですね!


治験が多く走っている治験事務局は鬼のように忙しい日々を送っているとよく聞きますが、治験がほとんど走っていないような治験事務局の場合、確かにあまりやることが無いかと思うので、このようなゆったりとした雰囲気になるのかもしれません。

治験が1本も走っていない治験事務局は普段どんな感じで仕事をしているのか私も気になるところです…

トラブル系


治験に参加している被験者さんが入院をしてしまった場合、重篤な有害事象というものに該当し、ほとんどの治験では24時間以内に治験責任医師から治験依頼者(メーカー)に報告をしなければいけません。(実際には、間にCRCさんやCRAが入って対応をします)

つまり、入院をしたときは、直ちに対応をしなければいけないのですが、土日に入院が発生してしまうと週明けにその事実を知らされることもあり、CRCさんとしては「え…?」というリアクションになることでしょう。


時々トラップのように小さい文字で注釈に「~~とする。ただし、~~の場合は除く」等が書かれていることがあります。

普通に対応をしていたら見落とすようなものが多く、それを知った時には”なんでそんな大事なことがこんな小さく!?”と思うこともあるでしょう。

…はい、私も資料を作る時は気を付けるようにします!


IWRSとは、主に治験薬の割り付けをするときに使用するシステムのことです。

被験者さんが来院され、治験薬の処方がある場合には、このIWRSによって発番された治験薬を被験者さんに処方する必要があります。

ただ、このIWRSが時々サーバーの不調等で接続が不安定となることがあります。

そうなると、治験薬の発番が出来ないため、被験者さんに治験薬を処方することが出来ません。

患者さんには治験薬を渡さなければいけないので、システムが復旧するまで被験者さんに医療機関内で待っていてもらう必要があります。

この作品では夜になっていますね…

作品では笑っていますが、ここまで対応が遅くなると医療機関サイドからクレームが入る可能性があるので、CRAや依頼者としては冷や汗ものです。


CRCさんが白衣の胸ポケットに携帯を入れて、被験者さんの診察に立ち会っているところですね。

そんなときに着信が入っても直ぐには出られないもの。

それでも容赦無くバイブレーション攻撃が襲ってきてCRCさんにダメージが入っているようです。

CRAはCRCさんに電話をすることがよくあると思いますが、しばらくコールをしても出ないときは空気を読む必要がありますね。

ひたすら掛け直してCRCさんにダメージを与え続けた場合、怒りの鉄槌が下されることにもなりかねません。


治験薬については、保管温度がしっかりと決まっています。

この様子だと室温保管ではないのでしょう。

冷蔵庫に入れて保管をしている場合、雷で停電してしまうと当然内部の温度が上がってしまい、温度逸脱となり治験薬が全て使えない状況になってしまう可能性があります。

治験薬の払い出しまで期間がある場合は、再搬入をするれば良いのですが、作品の状況では、明日払い出しがある予定なので、再搬入は間に合いません。

こうなってくると神頼みということになってしまいます…(私は停電で温度逸脱になって治験薬がパーになったところを目撃したことがあります…)


一言ですが、非常に破壊力があります。

きっとこの事実を知らされた方は、冷や汗が出ていることでしょう。

IRB(治験審査委員会)は、月に1回開催されていることが多く、資料の締切日に間に合わなかった場合はIRBでの審議が1ヶ月遅延することになります。

CRAでやらかしてしまった場合、1日オーバーであれば治験事務局に本気で謝罪をすれば受け付けてくれる可能性もありますが、受け付けてもらえなかった場合でも文句は言えません…

IRBの資料締切についてはしっかりと厳守できるように締切日を忘れないよう対策をしておくことが大事ですね。


治験を始めるには当然治験薬が必要です。

治験薬を作るのに、回収率が想定よりも下回ってしまった場合はロット数が確保できず医療機関に治験薬を搬入出来ないという状況になってしまいます。

これは完全に製薬メーカー側の問題であり、それをやる気満々の先生に伝えるとなると、水を差すことになりかなり言い出しにくい状況かと思います。

製薬メーカー側はある程度余裕を持った製剤計画を練ることも大切なのでしょうね。


治験ではかなりの長期間、治験関連の資料を保管しておく必要があります。

そして、その資料については、当然紛失することはあってはならないことで、ファイル1冊分の資料が無くなるのは医療機関としても冷や汗が出るくらい恐ろしいことです。

案外ひょっこり出て来たりすることもあるので、ここは他の人の助けも借りながら探すのが良いのかもしれませんね。

まとめ

今回も非常に多くの作品を紹介させていただきました!

前回に引き続き非常にハイレベルな作品ばかりでしたね。

スタジオジブリでは、今後ももしかしたら画像のリリースがあるかもしれないので、その際にはまたプロ達によるハイセンスな作品を是非見てみたいものです!

その際はばっちりまとめ記事第3弾も作成させてもらいます。

最後に…

今回は「#ジブリで学ぶ臨床開発」でしたが、フォロワーのチクチクさんが「#ジブリで学ぶMR」のまとめ記事をリリースされています。

MRバージョンも本当に楽しかったので、気になる方は覗いてみてはいかでしょうか。