【体験談あり】病院薬剤師を辞めたいと後悔する理由と対処法

薬学教育協議会の統計によると就職した薬剤師のうち5人に1人は病院薬剤師となったことになりますが、一方で病院薬剤師になったことを後悔していたり辞めて転職したいという声もよく耳にします。

そこで今回は、現役病院薬剤師のチャイさんにお話をお伺いしていこうと思います。

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病院薬剤師を辞めたいと後悔する理由と対処法

辞めたい理由 対処法 備考
夜勤が辛い 大規模な病院への転職 薬剤師が多いため夜勤の頻度が少なくなる。
調剤薬局への転職 夜通しの勤務はなし。負担はかなり軽減できる。
ドラッグストアへの転職 夜勤なし。
企業への転職 夜勤なし。職種によっては在宅勤務やフレックスタイム制あり。
業務内容が合わない 大規模な病院への転職 研修が充実している傾向がある。薬剤師にもプリセプター制度がある場合も。
調剤薬局への転職 医師や看護師対応が苦手な方向け。
ドラッグストアへの転職 医師や看護師対応が苦手な方向け。
給料が低い ドラッグストアへの転職 平均年収は病院薬剤師より+50万円ほど。
企業への転職 平均年収は病院薬剤師より+100万円ほど。
調剤薬局への転職 平均年収は病院薬剤師より+50万円ほど。
おすすめの転職エージェント おすすめポイント 公式HP
ファルマスタッフ_logo ・求人掲載数は5万件超で業界最多級
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辞めたい理由 対処法 おすすめの転職エージェント
夜勤が辛い 大規模な病院へ転職して夜勤の頻度を下げる
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夜勤が無い調剤薬局へ転職 ヤクジョブ_logo
夜勤が無いドラッグストアへ転職 ヤクマッチ_logo
在宅勤務やフレックスタイム制度がある企業へ転職 ファルマスタッフ_logo
業務内容が合わない 教育環境が整っている病院へ転職 ファルマスタッフ_logo
医師や看護師からの問い合わせが苦手な場合は、調剤薬局へ転職 ヤクジョブ_logo
医師や看護師からの問い合わせが苦手な場合は、ドラッグストアへ転職 ヤクマッチ_logo
給料が低い ドラッグストアへ転職
(平均年収+50万円)
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企業への転職
(平均年収+100万円)
ファルマスタッフ_logo
調剤薬局への転職
(平均年収+50万円)
ヤクジョブ_logo

病院薬剤師を辞めたいと思う理由は人それぞれで、状況に応じて対処法は変わってきます。

上の表に病院薬剤師が辞めたいと思う代表的な理由と対策、転職をする場合のおすすめの転職エージェントをまとめましたが、表からも分かる通り辞めたいと思う理由によっておすすめの対処法は分かれてきます。

今回の記事では、「自分はなぜ病院薬剤師を辞めたいと思っているのか」という理由を探っていきながら、皆さんにとってベストな対処法について一緒に考えていきたいと思います。

記事の後半では実際に私が転職をした時の体験談も書いているので病院薬剤師の転職の一例としてご参考にしていただけたら嬉しいです。

病院薬剤師が辞めたいと後悔する理由

病院薬剤師が辞めたいと後悔する理由

どのような理由で病院薬剤師を辞めたいと思ったかによってその後の対策も変わってくるため、まずは「なぜ辞めたいと思っているのか」から整理をしていく必要があります。

病院薬剤師を辞めたいと思う場面は色々とあるかと思いますが、主には以下のような理由が挙げられます。

病院薬剤師が辞めたいと後悔する主な理由
夜勤が辛い
業務内容が難しい、教育制度が不十分
給料が低い

病院薬剤師が辞めたいと思う主な理由について1つずつご紹介していきますので、皆さんがどの理由に当てはまるかを考えてみいきましょう。

夜勤が辛い

病院薬剤師は夜勤があり、それが負担となっている方も多いと思います。

実際に私が調剤薬局で勤務していた時に病院から転職してきた男性薬剤師がいましたが、転職理由を聞くと、夜勤で体調を崩し、責任も重いため転職したと話してくれました。

生活リズムが崩されるだけでなく、夜勤帯は日勤帯と比較して薬剤師の人数が少ないことが多く、小規模な病院ではひとり薬剤師の体制の場合もあります。

少ない薬剤師人数の体制の中、急患や医師や看護師からの質問があると同僚の薬剤師に相談することも日勤帯より難しくプレッシャーになることもありますよね。

のりすのりす

体調的な側面はもちろんのこと、精神面の負担も大きく辞めたいという方もそれなりにいるということですね。

業務内容が難しい、教育制度が不十分

調剤薬局やドラックストアでは主に一般の患者さん(お客さん)を対応するのに対して、病院では主に医師や看護師と連携して業務を行うため、より高度な質問に答えたり対応を求められたりすることがあります。

例えば、調剤薬局では患者さんに「血圧の薬です」と説明すれば終わるところが病院では医師や看護師から作用機序や他薬との使い分け、同種同効薬からの切り替えの相談、粉砕可否、配合変化などを質問され即答できない場合もあります。

そのような業務内容の難しさを負担に感じている場合は、教育制度が充実している病院への転職も視野に入れてみるのも良いでしょう。

一概には言えませんが小規模な病院では即戦力を求め、薬剤師の教育体制が整っていない場合が多いため、教育体制を重視ということであれば大規模な病院を中心に探してみることをおすすめします。

給料が低い

厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」のデータより、薬剤師の平均年収は577.9万円となっています。

薬剤師専門の転職支援サービスを提供するマイナビ薬剤師のデータによると、病院薬剤師の平均年収は401.4~542.2万円、調剤薬局の薬剤師の平均年収は428.7~596.3万円、ドラッグストアの薬剤師の平均年収は446.5~594.3万円、製薬会社の薬剤師の平均年収は431.1~664.4万円となっています。

幅はあるものの病院薬剤師は薬剤師の中では年収が低い傾向であることが分かりますね。

年収は仕事のモチベーションにも直結するため、将来的な昇給率のことを考えても年収が上がるような転職を目指すという方も多いでしょう。

辞めたいと思った理由別の対策

病院薬剤師を辞めたいと思った理由別の対策

病院薬剤師を辞めたいと思っている理由が整理できたら、次に対処法を考えていきます。

状況によっては病院から調剤薬局へ転職をした方が良い場合もあれば、違う病院へ転職をした方が良い場合もあるので、ここでは状況別におすすめの対処法をお話していきます。

夜勤が辛いと思った時の対策

夜勤が辛いと感じている場合は、他の病院や調剤薬局へ転職することで解決できる場合があるので、場合分けをして説明をしていきます。

他の病院へ転職する場合

夜勤の回数は病院によって大きな差があります。私は2か所の病院での勤務を経験していますが、1か所目の病院は小規模で薬剤師の人数が少なく、夜勤が回ってくる頻度も週2~3日と多めでした。

しかし、2か所目の病院は病床数が多くそれに伴い薬剤師の人数も多く、夜勤は月に1回程度と比較的少なめでした。

月に1回程度であれば私の場合はさほど負担を感じることはありませんでした。

また、病院によっては薬剤師の夜勤がない病院もあるため、夜勤による負担が原因で転職を考える場合には有効な選択肢かもしれません。

調剤薬局へ転職する場合

調剤薬局は外来患者を対象としており営業時間が決まっているため、残業が深夜帯に食い込んでしまうことはあっても、夜通し勤務することはありません。

ただ、かかりつけ薬剤師指導料や地域支援体制加算を算定している調剤薬局の場合は、24時間体制で患者からの相談に応じることが要件とされています。

そのため、閉局後の時間は店舗の携帯電話を持たされて夜間の患者対応をする調剤薬局も多くあります。

在宅医療を応需している調剤薬局の場合は、夜間に緊急処方が出て急きょ出勤することになることもあるので、夜勤ほどの負担ではないにしろ夜間の負担はゼロにはならないかもしれません。

とはいえ、転職時に24時間開局の店舗がある会社はNGという条件を転職エージェントに伝えておくことで回避も可能です。

のりすのりす

調剤薬局にもよるのかもしれませんが、緊急対応用の携帯は持ち回りで対応している薬局が多いため大きな負担には繋がりにくいようですね。

業務内容が難しく教育体制が整っていないと感じた時の対策

大規模な病院では看護師だけでなく薬剤師にもプリセプター制度を導入している病院もあり、教育制度が整っていることが多い印象です。

勉強会が盛んに行われている病院に転職できれば、スキルアップとともに業務内容の難しさからの負担が軽減されることが期待できます。

一方で、調剤薬局やドラッグストアでは一般の患者さんへの対応が主になるため、質問内容も病院とは変わってきます。

一般の患者さんに分かりやすく伝える工夫が必要であったり、会話から患者さん自身が気づいていない副作用症状を見つけたり、病院とは違うスキルが必要になります。

ご自身が得意とするのは病院での対応か調剤薬局やドラッグストアでの対応かを見極め、転職先を選ぶのも良いかもしれませんね。

のりすのりす

病院薬剤師としての対応が得意あるいは向いていると思ったら、大規模で教育制度が整っている病院へ転職をすることでも解決できそうですね!

給料が割に合わず低いと感じた時の対策

ドラッグストアや調剤薬局は店舗数が多く、会社間で薬剤師の取り合いになることもあり平均年収が引き上がっています。

また、店舗勤務だけではなく複数の店舗を管理するエリアマネージャーとしての求人もあり、年収の上限が高い傾向があります。

夜間や土日祝日の勤務の有無による手当が年収を引き上げていることも考えられますが、一般的に病院薬剤師よりは平均年収が高くなっています。

その他、製薬会社やCROに関しては業績が給与に直結する場合が多いため幅が大きく、上限が高くなると考えられます。

ただ、転職エージェントによっては企業案件をほぼ扱っていない転職エージェントもあるため注意が必要です。

ファルマスタッフのような企業案件もそれなりに取り扱っている転職エージェントを利用することをおすすめします。

のりすのりす

年収が低いことがモチベーションの低下に繋がってしまう方は転職を考えてみてもいいかもしれませんね。

病院薬剤師の転職体験談

病院薬剤師の転職体験談

ここからは、私が実際に病院から他の病院へ転職した体験談をお話ししようと思います。

転職をしようと思ったきっかけ

私は小規模な病院から比較的大規模な病院への転職をしました。

最初の病院では3年間勤務しましたが、夜勤の回数が週2~3日と多く感じ、若いうちは何とかなっても将来的に体力が落ちたら働きづらいなと感じていました。

将来子どもができたときにも夜勤があると子どもを誰かに任せないと働くことができず、将来を見据えて転職をする決意をしました。

転職活動

次の就職先を探すにあたり、まずは自分自身がどのような仕事をしたいと思うのか、どのような条件を希望しているのかを整理しました。

私の場合は、夜勤の負担を一番に感じていたため、夜勤の少ない病院か調剤薬局等の基本的に夜勤のない業種に絞って求人を探すこととしました。

実際の転職活動は、転職エージェントに登録しキャリアアドバイザーの方と相談しました。

登録した転職エージェントは2か所に登録しましたが、実際にお世話になったのは1つのみでした。

同時進行で2か所の転職エージェントを利用すると、求人が事業所名非公開の場合に同じ求人に2か所から問い合わせをしてしまう可能性があるので念のために…ということですね。

さらに、転職をする時にはエージェントに任せきりにはせず近所の病院や調剤薬局のホームページを確認し求人情報を確認していました。

転職エージェントは希望条件に合う求人を探してくれたり、求人情報に記載のない情報を教えてくれたりと利点も多いですが、自分自身で求人情報を探すことでより多くの求人から自分に合った職場を探すことができたと思っています。

実際に転職した病院の求人は新聞の折り込み広告で見つけたものでしたので、みなさんも転職エージェントと並行して情報収集してみることをおすすめします!

現職を辞める時の流れ

私の場合は転職先が決まってから現職に辞めたい意思を伝えました。

もともと業務に対してぎりぎりの人数の薬剤師で仕事をしていたため引き止められましたが、転職先が見つかっていたので思いとどまることはありませんでした。

就業規則では退職を希望する場合には1ヶ月前申し出ることとありましたが人手が足りないことは理解していたので、転職先と相談し退職は半年後としました。

転職をした後の感想

転職先の病院で勤務を開始してからは、負担に感じていた夜勤の回数が減り心身共に落ち着いて働くことができました。

また、最初に勤務していた病院より大きな規模の病院へ転職したため薬剤師の人数が多く、体調不良等での急な休みへの穴埋め体制が整っており、安心でした。

私の場合は転職して希望の条件に近い勤務ができて快適に働くことができています。

病院、調剤薬局、ドラッグストアや製薬会社など様々な就職先がある薬剤師ですが、それぞれにメリットとデメリットがあると思います。ご自身の得意分野を生かした仕事ができるよう、就職先の選択の参考になれば嬉しいです。

まとめ

今回は、現役の病院薬剤師のチャイさんにお話をお伺いしていきました。

新卒で入職してからしばらく経つと結婚をしたり、子どもが出来たりなど色々なライフイベントがありその都度働きやすい環境の定義も変わってきます。

厚生労働省の調査によると、新卒の頃は仕事のやりがいを重視して病院薬剤師へ就職をし、その後はライフスタイルの変化でやりがい重視からワークライフバランス重視へと変わっていき、転職をしている薬剤師も数多くいるという報告があります。

みなさんそれぞれでシチュエーションが違うと思うので、それぞれに合った働き方を見つけてみて下さいね!