【治験のプロが解説】BMIが足りないorオーバーの時の対処法

健康成人を対象にしている治験では大半がBMIの制限が設定されているため、BMIが足りなかったりオーバーしていたりして困っている方も多いのではないでしょうか。

今回はBMIの制限で治験に参加できない方向けに対策等をご紹介していきます。

この記事で分かること
BMIが足りない時やオーバーしている時はどうすれば良いのか
体重をごまかしてもバレないのか
BMIに制限が無い治験は無いのか
のりすのりす

治験を専門にかれこれ製薬企業で長年働いています。X(旧Twitter)もやっています。フォロワー数は6,100人程。今回もなるべく分かりやすく解説をしていきます

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BMIが基準値外で治験に参加できない人は意外に多い

BMIが基準値外で治験に参加できない人は意外に多い

健康成人を対象にしている治験ではかなり多くの割合でBMIの規定(18.5以上〜25未満)を設定しているため、BMIの制限に引っ掛かって困っている方も多いですよね。

政府統計のデータによると2019年の男性のBMI分布は以下のようになっています。

18.5未満
(やせ型)
18.5以上25未満
(標準)
25以上
(肥満型)
20~29歳 13.8% 70.3% 16.0%
30~39歳 11.3% 67.3% 21.5%
40~49歳 7.8% 65.1% 27.0%
50~59歳 7.1% 64.3% 28.7%
18.5未満
(やせ型)
18.5以上25未満
(標準)
25以上
(肥満型)
20~29歳 13.8% 70.3% 16.0%
30~39歳 11.3% 67.3% 21.5%
40~49歳 7.8% 65.1% 27.0%
50~59歳 7.1% 64.3% 28.7%

治験では標準体型の募集となるので、2~3割程はやせ型か肥満型で治験に参加できない方がいることになります。意外に多いですね。

BMIは体重と身長から簡単に計算が出来るので皆さんも計算をしてみましょう。

体重(kg)

身長 (cm)

BMI: 0

どうでしたか?標準に入っていましたか?

では、標準に入っていない場合でも治験に参加をしたいので治験のオペレーターに体重をごまかして何とかなるかというと…残念ながらそう簡単にはいきません。

嘘をついて何とか治験に参加をしても病院でBMIを測定するため必ずバレます。

それでは、詰んだかというと実はそういう訳でもありません。

BMIが基準から外れていてもまだ希望は残されているので、その辺りについて詳しくお話をしていきます。

BMIが足りない理由は意外な落とし穴であることも

BMIが足りない理由は意外な落とし穴であることも

先程の統計の結果を見て洞察力が鋭い人だったら気が付いたかもしれませんが、実は20代・30代ではやせ型よりも肥満型の割合の方が多い傾向にあります。

しかし、実際に治験ではBMIが足りなくて治験に参加できない(やせ型で参加できない)という人の方が多いのですが何故か分かりますか?

その1つの理由としては、絶飲食状態で体重を測定するからです。

のりすのりす

健康診断でも絶飲食の状態で検査を受けるように言われると思いますが、それと同じ原理ですね。

他にも夏休み期間中に治験に参加をする大学生が多いので、やや脱水状態になっていることもあり体重がいつもよりも軽くなり、BMIの基準から外れてしまうということもあります。

そのため、治験に参加をする前には極端に絶食時間を長くとったりせずに水分(水やお茶)もしっかりと適度に摂っておくことが重要です。

のりすのりす

例えば、10時間前から絶食と指示されているにも関わらず15時間前から絶食にしていた場合はその分食べ物の消化が進み体重が一時的に減少する可能性があります。

体重をごまかしたのがバレるとどうなるか

体重をごまかしたのがバレるとどうなるか

治験に参加をする時には、治験募集サイトから申し込みをして募集サイトから電話確認が入ります。

その時に身長や体重(あるいはBMI)を聞かれますが、そこで嘘をついてごまかしたとしても結局は治験に参加をする時に医療機関でも身長や体重を測定してBMIを計算するため必ずバレることになります。

BMIがバレるまでの流れ

そこで基準値外であることがバレた場合には治験薬は投与されるに治験終了となります。

一般的には、2,000~3,000円程度の負担軽減費(交通費代わりのものです)が支払われ帰宅することになります。

怒られるということはないのですが、交通費が込みになるのでこのためだけに嘘をついてまで参加するメリットはほぼ無いですよね。

BMIに制限がない治験もある!

BMIに制限がない治験もある!

このようにBMIに制限がある治験に無理矢理参加をしようとするのはほぼ不可能なのですが、落胆しなくても大丈夫です!

治験の中にはBMIの制限が無いものもあるので、その探し方などのコツについてお話をします。

健康食品モニター

健康食品やサプリメントのモニターの場合はBMIに制限が無いことが多いです。

入院型の治験とは違い何回か通院をすることになりますが、1通院あたり7,000~10,000円の負担軽減費が支払われるため人気が高いモニターの1つです。

のりすのりす

健康食品モニターは厳密には治験ではないのですが、負担軽減費が貰えるという点は共通していますね!

ただ、非常に似たものでミステリーショッパー(商品を試して感想を伝えるようなもの)というものがありますが、それとは異なるので注意しましょう。

健康食品モニターの場合は、治験ボランティアセンターなどの治験募集サイトが安心できるのでおすすめです。

患者対象の治験

「治験」というと、健康成人を集めて入院をして参加するものだとイメージする人も多いのですが、実は治験には健康成人を対象とするもの以外に患者を対象にするものがあります。

この患者を対象とする治験こそがBMIの制限がほぼ無い治験になります。

新薬を開発する時には、一般的には健康成人で治験薬を投与した後に患者に治験薬を投与することになります。

健康成人の「健康」には、「BMIが基準値内」ということも含まれていることが多いので、BMIの制限が設定されていることが多いです。

一方で、患者を対象にした治験の場合はBMIの基準まで設定されていることは珍しいです。

「いや、自分は病気とか特に無いし…」と思うかもしれませんが、大きな病気である必要もなく、花粉症や便秘や高血圧などの疾患を対象にした治験も多く実施されています。

健康成人対象の治験の参加が難しい場合はこのような患者を対象にした治験を探してみるのもおすすめです!

患者を対象にした治験では治験ボランティアサポートセンター生活向上Webあたりがおすすめです。

まとめ

今回は、BMIが低かったり高かったりして治験に参加できない場合についてお話をしていきました。

健康食品やサプリメントのモニターの場合は、医薬品と違って「休薬期間」のようなものも無いので、連続で参加できるというメリットもあったりします。

その分、健康食品やサプリメントのモニターは人気があるので案件の争奪戦になることが多いのですが、複数の募集サイトに登録をしておくと参加できる可能性が高くなるので是非頑張ってみて下さいね!