
「治験を試してみたいけど、危険なものなの?」と疑問に思っている人は珍しくありません。
治験とは、薬の安全性と有効性を確認するための試験です。その後、厚生労働省に認められた場合、上市されます。
結論、治験は危険性にも十分配慮されて設計されているため、安全度が高いと考えて問題ありません。
●治験の危険性
●治験のメリットとデメリット
この記事では、治験がどんなものなのかをしっかりと説明した後、メリットとデメリットを正直にお伝えします。
治験は安全に十分配慮されて行われるものですが、無理をして受けるものではありません。
この記事を参考に、治験を受けるべきか改めて検討してみてください。
治験は危険なもの?治験が何かを理解しよう
治験というと「(非人道的な)人体実験なのでは」と誤解をされることがあります。
Wikipediaでの人体実験の定義は「ヒトを対象とする研究、体系的な科学的調査」とされているので、治験も人体実験に入りますが、世間でイメージされているような非人道的な人体実験ではありません。
治験とは、被験者の安全性に十分に配慮した上で、薬の安全性や有効性を確認するためのものです。
治験をした後に厚生労働大臣が製造販売承認をすれば、薬として使用できるという流れになります。
つまり私たちが日頃使っている薬も、過去に被験者が治験をしたものということです。
●治験前に動物で安全性や有効性を確認している
●ベネフィットよりリスクが上回っている可能性があると分かっているものは使われない
●安全性には十分に配慮されている
●海外ですでに承認されている薬も治験対象になる
完全な新薬が治験対象となるケースばかりではなく、すでに海外で実用されているものを日本で使えるようにするために行われることも多いです。
治験で副作用や体調不良があったらどうなる?
万が一、治験が原因とされる健康被害があった場合には、医療施設で担当医師が速やかに対応するよう準備されます。
補償内容についても、治験前に行われる「インフォームドコンセント」でしっかりと説明されるので安心してください。
十分に理解をしてから自分の意思で、参加するかを決めましょう。
治験での補償については治験で副作用が出た時の補償について分かりやすく解説!にも詳しく書いています。
治験に関する説明「インフォームドコンセント」とは?
治験に参加する前には、必ず担当医師から「インフォームドコンセント」と呼ばれる説明があります。日本語で言えば「同意説明」ですね。
治験の内容や、起こりうる副作用などについて詳細を説明された後、治験を受けるかどうかを自分で決定することができます。
決して強制ではないので、治験の説明を受けて「やっぱり辞めたい」と思ったら、無理して治験に参加する必要はありません。
治験はいつでも辞められる!
もし治験の途中で怖くなったり、都合が合わなくなってしまった場合でも治験を辞めることは可能です。
治験を続けることは義務ではないので、もし続けたくないと思ったらすぐに先生や治験コーディネーター(CRC)さんに相談しましょう。
ただし、治験の内容によっては安全性を確認するため中止時の検査を受けた方が良い場合もあります。
治験の種類とは?危険な治験はある?
「治験」というと新薬を投与されるイメージがあるかもしれませんが、種類はさまざまです。
新薬以外にもジェネリック医薬品という既に販売されている薬と同一成分の薬の治験や医療機器の治験もあります。
また、厳密には治験ではなく臨床試験というカテゴリーですが、健康食品のモニターや化粧品のモニターなど、薬を使わないものも存在します。
また治験には、「通院」で参加するものと「入院」で参加するものがあります。
健康成人が対象の治験の場合、入院の治験が多い傾向ですが、通院の治験も存在します。
治験のメリットとは?
治験をするということは、被験者になるということ。
世に出回る前の薬を自分の体で試されると思うと、少々こわいと感じる人もいるでしょう。
ではなぜ治験に協力しようと思う人がいるのでしょうか?メリットを知れば、納得できるはずです。
●負担軽減費が貰える
●入院治験の場合、3食が無料で提供される
●普段の診察よりしっかりと診てもらえる
●負担軽減費が貰える
●治験によっては最新の治療を受けることが出来る
それぞれ解説をしていきます。
【健康成人対象の治験】無料で健康診断を受けられる
治験に参加をするためには、参加者の安全性をしっかりと確保するために健康状態をしっかりと確認してから治験薬を服用することになります。
通常、健康状態のチェックをするために、血液検査や尿検査や心電図検査をおこないますが、それらの費用はすべて無料です。
治験に参加をすることで、ご自身の健康状態も把握することができるということですね。
【健康成人/患者対象の治験】負担軽減費が貰える
治験は仕事(アルバイト)ではなく、ボランティアです。ですので、給料(報酬)が貰えるわけではありません。
しかし治験に参加をする場合は、医療機関に通院するための交通費がかかったり、拘束時間があり精神的な負担があったりと普通のボランティアとは異なります。
そのため、それらの負担を軽減するという目的で治験に参加をすると負担軽減費というお金が貰えます。
世間では、「報酬」と呼ばれてしまうことが多いのですが、それは負担軽減費のことを指しています。
負担軽減費は、通院の治験の場合は1回7,000円 or 10,000円、入院タイプなら1泊12,000円前後が支払われるのが一般的。
「高すぎじゃない?危なくない?」と思いましたか?
「治験バイトは高額で危ない」は本当?治験に関わるお金のお話を解説の記事でも書いていますが、実は「危ない薬を使う対価で高い金額が設定されている」というものではありません。
ネット上では、誤った情報が広がっていますが正しい知識を得れば何故この金額なのかが納得できると思います。
【健康成人対象の治験】入院治験の場合、3食が無料で提供される
入院の治験なら、入院中の食事が3食分無料で提供されることが多いです。
入院中は病室内であれば自由にしていて良いことがほとんどなので、転職活動中に入院しながらパソコンで仕事を探したり、休暇としてゆっくり休むのも良いでしょう(ただし、激しい運動や喫煙、飲酒などは制限されます)。
治験のデメリットとは?
一方で、治験のデメリットについても確認していきます。
●入院の治験の場合は集団生活になる
●治験詐欺がある
●来院の頻度が増える可能性がある
それぞれについて詳しく解説します。
【健康成人/患者対象の治験】副作用が出る可能性もある
世に出ている薬で副作用が無い薬はありません。
多くの方が飲んだことがあるロキソニンにも副作用はあります。ですので、治験薬を服用した場合も副作用が発生する可能性があります。
しかし、治験は被験者さんに安全に参加してもらうことが大前提ですので、治験に参加をするには厳しい基準が設定されており、副作用のリスクが低い方が治験に参加できるようになっています。
そのため、治験には必ずスクリーニング検査というものがあり、そのスクリーニング検査をパスしなければ治験に参加できないということです。
この他にも安全に治験に参加できるような仕組みが色々とあるのです。
【健康成人対象の治験】入院の治験の場合は集団生活になる
入院が必要な治験の場合は、数名の治験者と一緒に生活することになります。
日頃から1人で生活するのが好きな人や、集団生活の経験がない人にとっては、予想以上にストレスを感じてしまう可能性も。
入院中に1人でできる趣味や暇つぶし対策を用意しておくことで、ストレスを溜めずに生活を楽しめるはずです。
【健康成人対象の治験】治験詐欺がある
治験と称したモニター詐欺をする団体もあります。
そのような詐欺団体は単独で、「高収入モニター」や「高額アルバイト」などと参加者を集い、登録料を巻き上げようとします。
まともな治験募集サイトの場合、登録は無料ですので、治験を受けるために登録料などを請求する団体には、近づかないのが一番です。
治験は必ず信頼性が高い治験募集サイトから登録をするようにしましょう。
例えば、コーメディカルクラブやQLife
あたりであれば実績もあるので安心できます。
業界最大手の生活向上webは言うまでも無いですね!
【患者対象の治験】来院の頻度が増える可能性がある
治験に参加をすると、治験で規定された検査を受けるためにどうしても来院頻度が高くなりがちです。
普段、何かの疾患で通院されている方はにとっては治験に参加する際には来院頻度もしっかりと確認をしておくと良いと思います。
最近では、遠隔でも治験に参加ができるような取り組みが広がっているため、将来的にはもう少し勝手がよくなると思いますが、現時点ではまだ来院がメインですね。。
治験は危険なものではない!安心できる団体を選ぼう
治験は安全を前提に実施されるものであることが、分かっていただけたと思います。
それでも不信感や嫌悪感が抜けない場合には、治験はおすすめしません。
一方で、治験を通して社会貢献をしたり、負担軽減費をもらって新薬を試せることに興味があるなら、治験に向いています。
当サイトでは、信頼できる治験登録サイトをご紹介しています。
2022年最新版のおすすめ治験募集サイトは、別記事にまとめました。あわせてご活用ください。
今回は、製薬メーカーで治験のお仕事をしている専門家の視点からおすすめの治験募集サイトをご紹介していきたいと思います。 この記事を読むことで、皆さんのご要望にピッタリな治験募集サイトを見つけることが出来るでしょう。 おすす …
“治験は危険なもの?メリットやデメリット、案件の例まで徹底解説!” への2件のフィードバック